プロンプトを直し続けました。直らなかった理由は、文章の外にありました
思ったとおりに動かないとき、僕はずっと指示の書き方を疑っていました。
もっと具体的に書けばいいのか。順番を変えればいいのか。例を足せばいいのか。書き直しては試す、を延々とやっていました。
書き直しても、直りませんでした。
直らなかったときのパターン
いま振り返ると、直せた時と直せなかった時で、はっきり差があります。
直せたのは、出てくる物がいつも同じ方向にずれていたとき。たとえば、いつも硬すぎる。いつも長すぎる。これは書き方で直りました。
直せなかったのは、日によって別の外し方をするとき。昨日は良くて今日はだめ。同じ文章を投げているのに、出てくる物が毎回違う。
このとき僕は「まだ書き方が甘い」と思って、また書き直していました。そこが間違いでした。

渡していた仕事のほうが、そもそも固まっていなかった
毎回ちがう外し方をしていた仕事を、あとから並べて見ました。
共通点がありました。その仕事、僕自身が毎回ちがうやり方でやっていたんです。
たとえば「今日の数字をまとめる」。自分でやっていた頃、僕は日によって見る場所を変えていました。数字が良い日は細かく見る。悪い日は流す。締切が近い日は飛ばす。自分では気づいていませんでしたが、毎回ちがう仕事をしていた。
それを、1つの文章で渡そうとしていた。渡す側の中で決まっていないものが、渡された側で決まるはずがありません。
指示の書き方の問題ではなかった。仕事の形が決まっていないという、文章の外の問題でした。
「うまく書けない」は、たいてい合図です
これは、いまでも使っている見分け方です。
指示がうまく書けないとき、書く力が足りないのではなく、その仕事がまだ言葉にできる形になっていない。
書こうとして手が止まったら、僕はそこで書くのをやめます。代わりに、その仕事を次に自分でやるとき、やっていることをそのまま口に出します。「まずここを開く」「この数字を見る」「これは無視する」。
口に出すと、自分でも決めていなかった所が必ず出てきます。「あれ、ここどうやって決めてたっけ」となる。そこが、指示が書けなかった場所です。
決めてから書くと、あっさり書けます。書く力ではなく、決まっているかどうかでした。

口に出したときに出てきた、決めていなかった分岐
実際に口に出してみたときの話を書きます。
「今日の数字をまとめる」を、自分でやりながら実況しました。まず管理画面を開く。前日の数字を見る。ここまでは簡単でした。
止まったのは次です。「これ、前日と比べるんだっけ、前の週の同じ曜日と比べるんだっけ」
自分でやっていた時は、何も考えずにどちらかを選んでいました。土日を挟む日は前の週と比べて、平日は前日と比べていた。そんなルールを決めた覚えはありません。その場の気分で選んでいました。
もう1つ出てきたのが、数字が大きく動いた日に、原因を調べるかどうかでした。時間がある日は調べる。無い日は数字だけ書く。これも決めていませんでした。
この2つが、毎回ちがう出方をしていた正体でした。指示にはどちらも書いていないので、AIは毎回どちらかを選びます。選び方が毎回違うので、出てくる物も毎回違う。当たり前でした。
決めるのは一瞬でした。「いつも前の週の同じ曜日と比べる」「原因は調べない。数字だけ書く」。この2行を足したら、翌日から出方が揃いました。
2週間書き直して直らなかったものが、2行で直りました。足りなかったのは文章ではなく、この2つの決定でした。
直し方を変えたら、直る回数が増えました
いま、思ったとおりに動かないときに僕がやる順番はこうです。
まず、外し方が毎回同じか、毎回ちがうかを見ます。
毎回同じなら、指示を直します。ここは今までどおりで、だいたい直ります。
毎回ちがうなら、指示は触りません。その仕事を自分で1回やり直して、決まっていない所を探します。ほとんどの場合、自分の中に決まっていない分岐が1つか2つ見つかります。それを決めて、初めて指示に戻ります。
この順番にしてから、同じ所を何日も書き直す、というのがなくなりました。
いまは、書き直す前に一度やめます
この見分け方を持ってから、変わったことがあります。書き直す回数そのものが減りました。
以前は、うまくいかないと反射で書き直していました。書き直すのは簡単だからです。手も動くし、何かしている感じがある。
いまは、うまくいかないときに一度手を止めます。そして出てきた物を3日ぶん並べて、外し方が同じかどうかだけ見ます。これに3分もかかりません。
3分見るだけで、その後の数日が変わります。同じなら直せる。ちがうなら、直すのは文章ではない。この2つを取り違えていた頃が、いちばん時間を使っていました。
書き直す前に、1回だけ確かめる
もし今、指示を何度も書き直している最中なら、その仕事を自分でやったとき、毎回まったく同じ手順だったかを思い出してみてください。
違ったなら、書き直しても直りません。僕はそこで何週間か溶かしました。
直すのは文章ではなくて、渡している仕事のほうです。
僕はAIに会社の実務を渡す話を、毎日1本書いています。
同じことを自分の仕事でも試したい方は、フォローしておくと次の記事が届きます。
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絶対に渡さない4つ・実際に起きた事故3つ・いま渡している13の担当と、渡すときに使っている指示文の実物まで書いています。
