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一度うまく渡せれば、あとは続くと思っていました。先に変わったのは、渡した相手のほうでした

毎日1本、AIに仕事を渡した話を書いています。

いまは定期タスクが66本、人が何も言わなくても動いています。

そこまで来るのに、ずっと同じ思い込みを持っていました。通じる頼み方を一つ見つけさえすれば、あとはそれを使い回していけばいい、という思い込みです。

違いました。うまくいったものほど、こちらが手を離したあとに、静かに効かなくなっていました。

一度通った頼み方を、疑う理由がありませんでした

うまくいかない頼み方は、すぐ直します。結果が返ってこないので、いやでも目に入るからです。

厄介なのは逆のほうでした。

一度うまく通った頼み方は、二度と見返しません。見返す理由が発生しないからです。動いているものをわざわざ開く人はいません。僕もそうでした。通った文はコピーして、次からはそれを貼るだけになります。

貼るだけになった時点で、その文は「自分が書いたもの」から「置いてあるもの」に変わります。中身を覚えていなくても使えるからです。実際、半月も経つと、なぜその書き方にしたのかを自分で説明できなくなっていました。

この状態そのものは、悪いことではないと思っています。毎回ゼロから考えていたら数は増えません。

問題は、置いてあるものは、こちらからは変化して見えないということです。

うまくいっているものを点検する習慣は、たぶん誰も持っていません。点検は、壊れたものに対してやるものだからです。

変わったのは、こちらではありませんでした

先月、実際に起きたことを書きます。

ある日を境に、それまで普通に読めていた場所が、一つも読めなくなりました。フォルダの名前は見えているのに、中身を開こうとすると全部拒否されます。

こちらは何も変えていません。前の日と同じ手順で、同じ場所を開こうとしただけです。

しばらく、自分の書き方を疑っていました。書き方が原因だと思っているので、書き方を直そうとします。当然ながら、何度直しても同じでした。

原因は、道具の側が自動で新しくなっていたことでした。中身が入れ替わったので、こちらの手順が指していた先が無くなっていたのです。こちらの文には一文字も問題がありませんでした。


そのとき同時に分かったのが、これは一度きりの事故ではないということです。道具が新しくなるたびに、また同じことが起きます。向こうは、こちらの都合で新しくなるのをやめてくれません。

あなたのせいではありません

人に仕事を渡したことがある方なら、たぶんこの形を先に食らっています。

ようやく相手に伝わる頼み方が固まって、こちらが何も言わなくても回るようになる。その状態が続くと思っていたら、続かない。伝え方が悪くなったのではなく、渡した相手のほうが先に変わるからです。

AIでも起きていることは同じ形でした。相手が変わり、こちらの頼み方だけが元のまま残ります。

人のときは、まだ分かりやすいほうでした。担当が替われば挨拶があります。辞めるなら、事前に話があります。変わったこと自体は、向こうから伝わってきます。道具のほうは黙って変わります。

そして、これに気づけない理由もはっきりしています。

こちらの側には、何も起きないからです。頼み方を見直すきっかけは、いつも外側から来ます。外側で何かが変わったことは、外側を見に行かないと分かりません。動いているつもりでいるあいだ、見に行く理由は一度も発生しません。

だから、使い回している文が古くなっていることに気づけないのは、注意力の問題ではありません。気づくための合図が、そもそも鳴らない場所に置いてあるだけです。

気づいたのは、止まってからでした

もう一つ、今月起きたことを書きます。

毎朝決まった時刻に、外のサービスから数字を取ってくる仕事を渡してあります。ずっと同じ取り方で回っていました。

ある日、そのサービスの管理画面が作り替えられました。項目が増え、名前が変わり、取り出す仕組みも別のものになりました。

こちらの頼み方は変えていません。変えていないので、当然そのまま動こうとして、空のまま返ってきます。

僕が気づいたのは、返ってこなくなってからでした。前日までは何の予兆もありません。前日の時点では、正しく動いていたからです。

さらに厄介だったのが、前と同じ名前の数字が、前と同じものを指さなくなっていたことです。名前が同じなので、そのまま比べたくなります。比べたら、意味のない比較になります。動かなくなったことには気づけますが、意味が入れ替わったことには気づけません。止まってくれたほうがまだ親切でした。


この二つで、思い込みのどこが間違っていたかがはっきりしました。渡し方が固まることは、ゴールではありませんでした。 固まったものは、そこから古くなっていくだけです。渡した先が変わらないなら固定していいのですが、渡した先は必ず変わります。人も、道具も。

だから、続くかどうかを分けているのは、頼み方がうまいかどうかではありませんでした。相手の側が変わったときに、こちらが作り直せる形で持っているかどうかでした。作り直しが来ること自体は、防げません。

ここから先は、渡す中身のほうの話です。


今日ひとつだけ

直し方の話は今日はしません。その前に、確かめておくことがあります。

いま自分が使い回している頼み方が、いつから同じままなのか。思い出せるかどうかだけ、確かめてみてください。

思い出せなければ、それは一度も見返していないということです。見返していないものが悪いわけではありません。ただ、渡した先が変わっていても、こちらは気づかない状態にある、ということは言えます。

僕はいま、思い出せないものがいくつもあります。66本のうち、最後に中身を読んだのがいつなのか、すぐには言えないものが残っています。

数えるだけで十分です。直すのはそのあとで間に合います。

僕はAIに会社の実務を渡す話を、毎日1本書いています。

同じことを自分の仕事でも試したい方は、フォローしておくと次の記事が届きます。

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▼この続きは有料noteにまとめました

絶対に渡さない4つと、実際に起きた事故と、渡すときに使っている指示文の実物を書いています。


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