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社員は全員AI。人材会社をひとりで運営して分かった「任せられる仕事/まだ無理な仕事」

正直に言います。うちの会社、社員は全員AIです。
僕は人材会社(Against株式会社)をやっていて、20代向けの転職支援と就活支援をしています。普通ならアシスタントを雇って、営業を雇って、経理を雇って…とやっていくところなんですが、うちにいるのは人間の社員じゃなくて、Claude Code(クロードコード)で組んだAI社員たちです。
エルヴィンっていう統括役がいて、その下に台本担当、リサーチ担当、動画編集担当、メタ広告担当、経理担当、営業担当…と、役割ごとに全部で13人ぶんのAI社員がいる。僕はエルヴィンに「これやっといて」と言うだけで、あとは各担当に振られて仕事が進んでいく、という状態で毎日回しています。
「AIで会社を回してる」っていう話、最近めちゃくちゃ増えました。でも正直、ツールの紹介とか「AIで副業ラクに稼ごう」みたいな一般論ばっかりで、実際に会社の実務を毎日AIに投げてる当事者の生々しい話って、あんまり無いなと思っています。
なのでこの記事では、きれいごと抜きで書きます。本当に勝手に回ってくれた業務と、任せてこけた業務・まだ任せきれてない業務を、両方そのまま出します。

結局、いま「回ってる業務」はこれ

先に結論から。今この瞬間、僕がほぼ手を動かさずにAIに回してもらえてる業務はこのあたりです。
・企業への営業リスト作成と、問い合わせフォームからの営業送信
・面談・商談の日程調整(空き枠を見て候補を出すところまで)
・経理の記帳・経費入力・請求書まわり
・就活・転職のショート動画の台本づくり(1本ずつ量産)
・メタ広告の数字を読んでレポートにするところ
・SNS(インスタ・X)の投稿ネタと分析
しかも一部は、僕が寝てる間に勝手に動いてます。「夜のうちに翌日ぶんの営業リストを作っておいて、昼になったら1社ずつ送信する」みたいなのを、時間指定のスケジュールで回してる。朝起きたら仕事が半分終わってる、みたいな日もあります。
これだけ聞くと「もう全部AIでいけるじゃん」って思うかもしれませんが、そんなに甘くないです。ここからが本題。

一番効いてるのは「営業」を任せられたこと

うちで一番デカかったのは、フォーム営業をAIに任せられたことです。
人材会社もSNS運用代行も、結局は企業に営業しないと始まらない。でもフォーム営業って、リスト作って、1社ずつサイト開いて、問い合わせフォームに文章入れて、送信して、記録して…っていう、地味だけど時間だけめちゃくちゃ食う作業なんですよね。ここが人ひとりぶん丸ごと消える。
今は、
1. 夜にAIが翌日ぶんの営業先リストを勝手に作る
2. 昼になったらAIが1社ずつフォームを開いて、文面を入れて送る
3. 送った記録をそのままデータベースに残す
というのを、複数の商材ぶん、時間をずらして回しています。
大事なのは、送信ボタンを押す瞬間だけは僕が承認を握ってるってこと。ここは意図的にそうしてます。理由は後で書きます。

経理も、動画台本も、「仕組み」にすると回る

経理も任せてます。マネーフォワードを使って、日々の記帳・経費入力・請求書の発行あたり。数字を触る仕事って一番ミスが怖いんですが、逆に言うと、ルールがはっきりしてる仕事はAIが強い。「この費用はこの科目」みたいな型が決まってるものは、任せると速いです。
就活・転職のショート動画の台本も、AIに量産させてます。うちは過去1〜2年ぶんの投稿データを全部分析して、「どういうフックが伸びたか」「どういう〆がコケたか」を検証済みのルールにしてあります。台本を作るたびに、そのルールと1つずつ照合してから出す。感覚じゃなくて、データに合わせて書かせてる感じです。
ここでのコツは、たぶんこれです。「AIに丸投げ」じゃなくて「勝ちパターンを仕組みにしてから渡す」。型が無いまま投げると、それっぽいけど中身の薄いものが出てくる。型を作ってから渡すと、その型のぶんだけちゃんと働いてくれる。

じゃあ、こけた業務・まだ無理な業務の話をします

ここが一番書きたかったところです。うまくいった話だけ並べるのはフェアじゃないので。

営業の「完全自動送信」はこけた

さっき「営業を任せられた」と書きましたが、完全な全自動にはできてません。
一番の壁がCAPTCHA(「私はロボットではありません」のやつ)。あれが出るフォームは、AIには突破できない。突破しちゃったら健全じゃないので、そこは手動フラグを立てて僕が対応する運用にしてます。
あと、これは完全に失敗談なんですが、同じ会社に二重で送信してしまった事故がありました。処理を速くしようとしてAIを並列で走らせたら、被って送ってしまった。今は「送信は絶対に1社ずつ、順番に」というルールに戻して、並列は禁止にしています。速さを取りにいって信頼を落としかけた、典型的な失敗です。

「過去の失敗を忘れる」問題でこけた

これはAIならではのハマりどころでした。
動画台本で、一度データ検証して「これはやめよう」と決めたはずのやり方を、AIがまたやってしまう事故が何回か起きました。ある時は、過去に「これは数字が落ちる」と実測で結論が出ていた〆のパターンを、古いメモだけ見て台本に入れて出してしまった。
原因は、AIが「本体の検証結果」じゃなくて「索引(要約メモ)」だけを見て書いたこと。人間なら「前これで失敗したよな」と覚えてるところを、AIは仕組みで思い出させないと、平気で同じミスを繰り返す。
なので今は、台本を出す前に過去の失敗リストを1個ずつ照合して、その結果を書いてからじゃないと出せないというゲートを物理的に挟んでます。「気をつける」じゃ直らなくて、「手順にする」で初めて直った。ここは相当苦労しました。

お金を動かす・最終決定は、あえて任せてない

これは失敗というより、設計として任せてない領域です。
お金の実際の移動(振込とか)、営業の最終送信、投稿を世に出す判断。ここは全部、最後は人間(僕)が承認する形にしてます。AIが賢くなっても、ここを丸ごと渡す気はないです。取り返しがつかないことほど、人間が握っておく。これは今後も変えないと思います。

じゃあ個人でも真似できるのか、という話

「会社レベルじゃなくて、個人でも真似できる?」と思う人もいると思うので、入口だけ書いておきます。
やってみて分かったのは、最初から全部を自動化しようとすると必ずこけるということ。うまくいったのは、いつも逆でした。
1. 自分が毎日やってる「地味で時間だけ食う作業」を1個だけ選ぶ(うちで言えばフォーム営業がこれ)
2. その作業の「型・ルール」を先に言葉にする(どういう時どうするか。ここをサボると精度が出ない)
3. 最初は「AIが作る→人が送信」の半自動で回す。完全自動はその後
4. 失敗したら、その失敗を"忘れさせない仕組み"にする(メモじゃなくてルール・手順に落とす)
この順番でやると、コケてもリカバリーが効きます。逆に「いきなり全自動・いきなり丸投げ」は、うちでもほぼ全部こけました。

まとめ

正直に言うと、「AIで会社が全部勝手に回る」はまだ嘘です。でも、「地味な作業をAIに任せて、人間は判断と最終承認に集中する」は、もう普通に現実になってます。うちはそれで人材会社を1人で回してます。
うまくいってるところも、こけたところも、そのまま書きました。同じように「AIに実務を任せたい」と思ってる人の、リアルな参考になれば嬉しいです。
この記事では「何を任せて、どこでこけたか」という全体像を書きました。ただ、実際にどういう組織図で組んで、どういうルール(プロンプト)を渡して、失敗をどう仕組みで潰したのか、その具体的な中身までは、正直ここには書ききれません。
なので、AI社員の組織の作り方・実際に使ってる設計図とプロンプトの考え方・失敗を潰した仕組みの作り方を、別で1本にまとめようと思っています(準備中)。「自分の仕事にも組み込みたい」という人はそっちで手を動かせるところまで書くつもりなので、よかったらこのアカウントをフォローしておいてください。
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▼この続きは有料noteにまとめました(500円)
絶対に渡さない4つ・実際に起きた事故3つ・いま渡している13の担当と、渡すときに使っている指示文の実物まで書いています。


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