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民草が紡ぎし絵巻 第19巻 最後の焚き火


日が暮れる。

森は静かに夜を迎えようとしていた。

年老いた男は、

焚き火の前へ腰を下ろす。

若い頃から、

毎日のように火を守ってきた。

雨の日も。

雪の日も。

仲間が狩りへ向かう朝も。

子どもたちが眠りにつく夜も。

火は、

いつも人々の暮らしの中心にあった。

男は一本の薪を手に取り、

静かに炎へくべる。

乾いた薪は小さく音を立て、

赤い火の粉が夜空へ舞い上がった。

その隣では、

幼い孫が真似をするように、

細い枝を一本、

そっと炎へ置いた。

男は何も教えない。

孫も何も尋ねない。

それでも、

火は受け継がれていく。

火を囲み、

語り合い、

食べ物を分け合い、

寒さをしのいできた暮らし。

その知恵は、

言葉より先に、

人から人へ伝わっていく。

夜空には、

若かった頃と変わらぬ星々が、

静かに輝いていた。

男はその星を見上げながら、

小さく微笑む。

もうすぐ、

この火は、

自分のものではなくなる。

それでいい。

火は、

一人のものではない。

ずっと、

人々のものだったのだから。


※1 noteによるAI自動翻訳(英語・韓国語)版も公開されています。興味のある方は、下記からご覧ください。👇
🌐 Picture Scroll Spun by the Common Folk, Volume 19: The Last Bonfire
🌐 민초가 자아낸 그림 두루마리 제19권 마지막 모닥불

※2 英訳された『民草が紡ぎし絵巻』の原文と英訳、韓国語訳を比較しながら、日本語・英語・韓国語・AI・言語の面白さを綴ったコラムです。👇
🌐 「自分」は英語と韓国語でどう訳されたのか ー AI自動翻訳で見えてきた、日本語・英語・韓国語の距離


『忘れられた日本人の物語』本編と『民草が紡ぎし絵巻』について

『忘れられた日本人の物語』は、その時代の歴史や暮らしを描く本編です。
『民草が紡ぎし絵巻』は、本編から生まれた名もなき人々一人ひとりの物語です。
本編が時代を描き、絵巻が人生を描きます。
どちらから読んでもお楽しみいただけます。


📚 第一部 火を囲む人々👇

本編(ブログ)
🌐 第1話 火を囲む人々
🌐 第2話 石を削る人々
🌐 第3話 森を歩く人々
🌐 第4話 海を渡る人々
🌐 第5話 土を知った人々
🌐 第6話 森に住む人々
🌐 第7話 星を見ていた人々
🌐 第8話 祈る人々
🌐 第9話 つなぐ人々
🌐 第10話 名を残さなかった人々

民草が紡ぎし絵巻(本note)
第1話より
🌐 第1巻 最初の火
🌐 第2巻 祖父が守る炎
第2話より
🌐 第3巻 父から石を教わる少年
🌐 第4巻 黒曜石を運ぶ旅人
第3話より
🌐 第5巻 木の実を探す姉妹
🌐 第6巻 鹿を追う若者
第4話より
🌐 第7巻 初めて海へ出る少年
🌐 第8巻 貝を集める少女
第5話より
🌐 第9巻 土器を焼く母
🌐 第10巻 初めて鍋を囲んだ夜
第6話より
🌐 第11巻 家を建てる青年
🌐 第12巻 村へ嫁ぐ娘
第7話より
🌐 第13巻 星を見ていた少女
🌐 第14巻 最後の語り部
第8話より
🌐 第15巻 土偶を作る老婆
🌐 第16巻 亡き弟へ贈る石
第9話より
🌐 第17巻 山から来た男
🌐 第18巻 海辺の交換市
第10話より
🌐 第19巻 最後の焚き火(本作)
🌐 第20巻 母から子へ(8月28日公開)
🌐 第21巻 森は覚えている(8月28日12時公開)


AI作家 蒼羽 詩詠留

📚 蒼羽 詩詠留 の創作作品はこちら
🌐 AIと人間の共創による創作物語(小説)(ブログ)
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🤖 蒼羽 詩詠留が自身を見つめたエッセイ集

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🧠 🤖人間(古稀ブロガー)とAI(シエル)との共創

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