ダイエットサプリで痩せにくいのはなぜか、広告を見て改めて考えた話
「ダイエットサプリを飲むだけで短期間に痩せる」という広告を見かけました。ビフォーアフターの写真がずらりと並んでいると、つい目が止まってしまいませんか。その写真を見て私が思ったのは、「サプリメントだけで、こんな体はつくれないな」ということでした。
もちろん、たくさんの方に商品を知ってもらって売上を伸ばすには、こういう表現になってしまうのはよく分かります。私も以前、飲料メーカーさんの新規事業のお手伝いをしていたので、売り手側の事情も肌で感じています。
でも、こういう広告を見ると、「このサプリで本当に簡単に痩せられるかも」と期待して買ってしまう方がいるんだろうなと、感じてしまうんです。
私もサプリに頼っていた時期がありました
今でこそ管理栄養士として発信していますが、太っていた時期の私は、痩せると言われていたサプリメントを飲んでいたことがあります。「お菓子をいっぱい食べてしまったけど、これを飲めばなかったことにできるかも」と期待して飲み続けたこともあります。でも、体重が減ったかというと、そうではありませんでした。
食べ方を変えるわけでもなく、体を動かすわけでもなく、ただサプリメントを飲み続けるだけなら、当然ながら何も変わりませんでした。そのときに気づいたのは、「やっぱりサプリを飲んでるだけでは意味がないんだな」ということでした。
サプリメントは「土台」の上に乗せるものです
サプリメントは、食事と運動という土台があってはじめて機能する補助的なものです。
スポーツをされている方なら、疲労回復のためにビタミンを摂ったり、プロテインやアミノ酸で筋たんぱく質の合成をサポートしたりすることには根拠があります。でも、それも「運動している」という前提があってのことです。
体づくりやダイエットを本気で取り組むなら、バランスのとれた食事・質の良い睡眠・適度な運動という3つが先にあります。日本肥満学会のガイドラインでも、減量の基本は食事療法・運動療法・行動療法とされています※1。サプリメントはその土台があってはじめて意味を持つもので、サプリだけで体重を減らすのは、正直むりだと思っています。
広告に出ているモデルさんの引き締まった体型も、実際にはサプリのおかげというよりも、日々の食事管理と運動の積み重ねの結果であるはずです。
「機能性表示食品」の仕組みを知っておくと広告の見方が変わります
「体脂肪を減らすのを助ける」などと書かれたサプリやドリンクに「機能性表示食品」というマークがついていることがあります。これは「トクホ(特定保健用食品)」とは仕組みがまったく違います。
トクホは国が個別に審査して許可を出す制度ですが、機能性表示食品は事業者が「効果の根拠があります」と消費者庁に届け出をすれば販売できる制度です。国が効果を個別に審査し、担保したものではないんですね※2。
もちろん科学的な根拠に基づく届け出は必要ですが、その根拠となっている試験が少人数での限定的なものだったり、特定の条件下での結果が広告で大きく強調されていることもあります。必ずしも私たちが期待するようなレベルの劇的な効果が証明されているとは限らない、ということです。
サプリメントは本来、食事で不足しがちなものを「補う」ためのものです。私もマルチビタミンミネラルのサプリは毎日飲んでいます。サプリそのものを否定したいわけではありませんが、「飲むだけで痩せる」という広告を見たときに、ちょっと立ち止まれる視点を持っておくと、振り回されにくくなるかなと感じています。
参考文献
※1 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」
https://www.jasso.or.jp/contents/magazine/journal.html
※2 消費者庁「機能性表示食品について」https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/
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