食後の空腹感がまた来るのは意志が弱いせいじゃなかった——反応性低血糖の話
食後に空腹感がまた来た——しっかり食べたはずなのに、2〜3時間後にお腹が空いてしまった経験はありませんか? 我慢できなくてつい食べてしまう。そんなことが、私にも何度もありました。でもそれは意志の問題ではなかったということに気づいたので、そのしくみと対処法についてお伝えします。
デザートバイキングにはまっていた頃の話
以前、デザートバイキングやパフェ、菓子パンにはまっていた時期があって、よくこのようなことが起きていました。たくさん食べたはずなのにまたお腹が空いてきて、「なんでこんなに食べたのに、お腹がすくんやろう、、、」と不思議だったんです。「また食べてしまった、意志が弱いな~」と自分を責めていたこともあったんですが、管理栄養士になってから「ああ、体の仕組みの問題だったんだ」とようやく理解できました。
食べたものを振り返ってみると、甘いデザートや菓子パンなど、糖質中心でたんぱく質が少ないものが多かったんですよね。その食べ方が、食後にまたお腹が空いてしまう原因になっていたとは、当時はまったく知らなかったです。
食後の空腹感の正体——体が「緊急事態」と判断していた
ケーキやパフェのような甘いもの、菓子パンやうどんなど、糖質に偏ってたんぱく質が少ない食事をとると、血糖値が一気に上がります。それを下げようとして膵臓からインスリンというホルモンが出るんですが、急激に上がった血糖値に反応して、インスリンが必要以上に出すぎてしまうことがあります。
インスリンが過剰に出ると、今度は血糖値が急降下して正常より低い状態になります。これを反応性低血糖と言います。食後2〜5時間後に強い空腹感がやってくるのが特徴です※1。
血糖値が下がりすぎると、脳は「エネルギーが足りない、緊急事態だ」と判断します。そこで血糖値を再び上げようとするアドレナリンやコルチゾールといったホルモンが出て、「早く糖分を補給しろ」という強烈な空腹感のシグナルを体に送るんです※2。さっきたくさん食べたはずなのに、耐えられないくらいお腹が空く感覚が起きるのは、体が命を守ろうとしてくれた生理的な反応だったんです。
次に同じことが起きたときのために
食後にまた強い空腹感がやってきてしまったときは、具だくさんのお味噌汁・温かい豆乳・野菜スープのような、体を温めながらお腹を落ち着かせてくれるものをとるのがおすすめです。お菓子をちょっとだけ食べようとすると、胃腸が動き出して「これから食事が入ってくる」と体が準備を始めてしまい、かえって食べるスイッチが入りやすくなります。
どうしても甘いものが食べたくてたまらないときは、私ははちみつをティースプーン1杯だけ口に入れてゆっくりなめるようにしています。血糖値を急激に上げずに甘みを感じられるので、気持ちが少し落ち着くんです。
「食べすぎた後にまた食べてしまった」という経験があっても、自分を責めないでほしいなと思います。それは体があなたの命を守ろうとして、一生懸命働いてくれていた結果なんですよ。
参考文献
※1 Brun JF et al. (2000) "Postprandial reactive hypoglycemia" Diabetes Metab 26(5):337-351.
※2 Astley CM et al. (2018) "Individual postprandial glycemic responses and associations with hunger" Cell 176(1-2):343-356.
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