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お腹が鳴る音は空腹のサインじゃない、胃腸のお掃除タイムの話

静かな場所でお腹が「グーッ」と鳴って、恥ずかしい思いをした経験はありませんか。あれはお腹が空いたサインだと思っていたのですが、体がとても大事な仕事をしているときに鳴る音でした。この記事では、お腹が鳴るメカニズムと、頻繁に食べ続けることが胃腸の休憩を奪ってしまう理由をお話しします。

鳴らないようにとちょこちょこ食べていた、あの頃の話

若い頃の私は、お腹が鳴るのが本当に嫌でした。授業中や静かな場所で「グーッ」と鳴ったらどうしようと、あらかじめ何かを口に入れておこうとしていたほどです。鳴る前に食べておけばいい、という謎の作戦をとっていました。

管理栄養士の勉強をするうちに、あの「グーッ」がまったく違う意味を持つものだと知りました。お腹の空腹サインどころか、胃腸が元気に働いているサインだったんです。

グーッは空腹じゃなく、胃腸が一生懸命お掃除しているサイン

お腹が鳴るのは「早く食べて」と体が悲鳴を出しているわけではなく、胃や腸が「空腹期強収縮(MMC:Migrating Motor Complex)」と呼ばれる動きをしているからです※1。食事と食事のあいだ、胃や腸は約90〜120分のサイクルで収縮を繰り返し、食べかすや細菌を腸の先へ押し流しています。いわば、消化管のお掃除タイムです。

料理屋さんの厨房に例えると、ランチが終わったあと、すぐ夕食の仕込みに入るのではなく、一旦しっかり厨房を掃除してから次の料理に取り掛かりますよね。お掃除をはさまずに次々と食材を投入したら、衛生面も効率も下がります。体の中でも、似たようなことが起きているんですね。

このお掃除サイクルが正常に機能しないと、小腸の中で細菌が増えやすくなることがわかっています※2。腹部の張りや消化の不調につながることもあるため、食間にしっかりお掃除を終わらせることには意味があります。

鳴る前にちょこちょこ食べると、お掃除が中断される

食事をとるとMMCのサイクルがリセットされるため、鳴りそうになったタイミングで何かを口に入れてしまうと、お掃除が完了しないまま次の食べ物が入ってくることになります。

若い頃の私がまさにそれでした。お腹が鳴らないように、ちょこちょこ食べていたことが、胃腸に休む暇を与えない習慣になっていたとは、、、。当時は知らなかったとはいえ、もったいないことをしていたなと思います。

お腹が「グーッ」と鳴ったとき、「あ、今お掃除中なんだ」と思えるようになると、少し気持ちが楽になりませんか。恥ずかしいことではなく、胃腸が元気に働いているサインです。お掃除がしっかり終わってから、美味しい食事を楽しんでみてくださいね。


参考文献

※1 Vantrappen G, et al. (1977) "The interdigestive motor complex of normal subjects and patients with bacterial overgrowth of the small intestine." J Clin Invest 59(6):1158-1166.
※2 Pimentel M, et al. (2013) "The interplay between MMC and intestinal bacteria." Curr Gastroenterol Rep 15(5):325.


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