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【第10回】商談は話すより、描くが勝ち──ファシリテーション・グラフィックで信頼をつくる営業の常識🤔【エンタープライズ営業のヒント】

はじめに

28年エンタープライズ営業のロールを企業を変更しながらやってきました。振り返ると色々な気付きがあるのに、企業秘密保持の観点から、これまで公開を控えてきました。その反省の上に少しずつ気付きをまとめてみたいと考えたのがきっかけです。少しでもヒントがあれば幸いです。(👇自己紹介はこちら)

今回は、「板書の極意──ファシリテーション・グラフィックで楽しくなる会議。」(著者:八木健夫さん)から営業ツールとして紹介したいと考えています。2008年出版ですが私の営業としての軸を形成する考えをまとめた書籍の一つです。ご紹介していきます。

1. 営業は“話す人”ではなく“場をつくる人”

エンタープライズ営業では、複数の部門や多くのステークホルダーが関わるため、単なるプレゼンテーションでは成果につながりません。営業は「場を設計する人」であり、目的に向かって議論を導くファシリテーターでもあります。

八木健夫さんの『板書の極意』では、ファシリテーションとは「複数の人が集まって何かの目的を達成しようとする際、そのための道筋を考え、人々の間に相互作用を生んで成果を導き出す作業」と定義されています。エンタープライズ営業の活動は、まさにこの定義に当てはまります。

商談の場では、話すだけでなく、議論の流れを“見える化”することが重要です。これにより、参加者全員が同じ方向を向き、共通認識を持つことができます。

(失敗談と改善に向けた内容はこちらの記事へどうぞ)

2. 言葉の奥にある“心的イメージ”を読み取る


営業において、相手の発言をそのまま受け取るだけでは不十分です。言葉はあくまで「心の中のイメージの仮の姿」であり、本音や目的はその奥にあります。

たとえば、ある商談で「現場が忙しくて新しいシステムを使う余裕がない」という発言があったとします。これは単なる反対意見ではなく、「導入時の負荷を減らしてほしい」「現場の声をもっと聞いてほしい」という心的イメージが隠れている可能性があります。

このような発言を受けたら、復唱しながら板書(以降:ホワイトボードや共有しているデータ)に書き込むことで、相手の意図を確認し、議論を深めることができます。PowerPointのスライドにリアルタイムで書き込みながら相手の質問するのも非常に有効です。視覚的に共有することで、言葉の曖昧さを減らし、共通理解を促進できます。

3. たたき台+板書が議論を加速させる

営業の事前準備として「たたき台」を用意することは、議論の起点をつくる上で非常に効果的です。完璧な資料である必要はなく、むしろ未完成の方が相手の意見を引き出しやすくなります。

実際、ある製造業との商談では、業務フローのたたき台をPowerPointで用意し、商談中に参加者の発言をもとにリアルタイムで書き加えていきました。IT部門、業務部門、経営企画部門がそれぞれの視点で意見を出し合い、図がどんどん進化していくことで、議論が活性化しました。

このように、たたき台+板書=共創の場をつくることができます。営業が一方的に説明するのではなく、相手と一緒に考え、作り上げる姿勢が信頼につながります。

4. 目的を明確にすれば、目標は自然と具体化する

営業の場では、「何を達成したいか」という目標だけでなく、「なぜそれを達成したいのか」という目的を明確にすることが重要です。

目的がはっきりしていれば、目標は具体的な行動に落とし込みやすくなります。たとえば、「業務効率化」という目標も、「現場の負担を減らして離職率を下げたい」という目的が明確になれば、RPA導入や帳票のデジタル化といった具体的な施策に結びつきます。

この目的と目標の関係を板書で図示することで、参加者の理解が深まり、議論が前進します。PowerPointを使って「目的→目標→アクション」の流れを可視化するのは、非常に効果的な手法です。

最後に、営業は“描く力”で信頼をつくる

エンタープライズ営業において、言葉だけでなく「描く力」が成果を左右します。ファシリテーション・グラフィックの考え方を取り入れることで、商談は単なる説明の場から、共創の場へと進化します。

  • 発言を復唱しながら書き込む

  • 心的イメージを読み取る

  • たたき台を用意して議論を加速させる

  • 目的を明確にして目標を具体化する

  • PowerPointや共有するツールにリアルタイムで書き込むことで“見える化”を実現する

これらの技術は、営業の信頼構築に直結します。営業は話すだけではなく、描くことで相手の心に届く。そんな営業スタイルが、これからの時代に求められているのではないでしょうか。板書の極意、現代にも通じるコミュニケーションツールとしてご理解いただけますと幸いです。

おまけ. ポンチ絵

モヤモヤが不思議と晴れる

営業の先輩より「こーち(私のあだ名)ポンチ絵をかいてみて」
ポンチ絵とは、概念や構造、仕組みなどを簡潔に図解したイメージ図のことです。特にビジネスや技術の現場で、複雑な内容をわかりやすく伝えるために使われます。複雑な言葉を回す前にイメージで伝えることは今でも使っています。また自分のモヤモヤを晴らすのにも役立ちます。皆さんもトライしてはいかがでしょうか?


次はこちらの記事へどうぞ

エンタープライズ営業の道は深いな 😉


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