午前は動けるのに、午後に仕事が止まる管理職が変えた予定の組み方
会議が3つ続いた日の午後、席に戻って画面を開いても、何から手をつければいいのか分からなくなることがあります
その合間に部下から相談が入り、メールの返信もたまっていく
気づけば、資料を開いたまま何十分も進んでいない、そんな時間がありました
「今日も午後がダメだった」と思いながら、また明日も同じことを繰り返す
気合が足りない、体力がない、集中力が続かない
世間ではよくこう言われます。自分も最初はそう思っていました
午後に崩れるのは、自分の意志の弱さだと
でも、違いました
崩れていたのは意志ではなく、午後の時間の区切り方でした
今日は、この午後崩れの原因を、自分の記録から見えた3つに分解して書きます
午後だけ、なぜか動けなくなる
午前中は、思ったより仕事が進みます。頭が動くし、判断も速い
でも昼を過ぎたあたりから、同じ仕事のはずなのに、進み方が変わります
会議のあとは特にひどくて、席に戻っても数分ぼーっとしてから、ようやく手が動き始める
気づけば夕方になっていて、結局やるべきことは翌日に持ち越し
眠いわけでも、やる気がないわけでもありません。ただ、頭の中の何かが、午後だけ急に重くなる感覚です
これ、けっこう多くの人が経験しています。同じ相談を、部下からも何度も受けてきました
「午前は普通に動けるのに、午後だけダメです」と
正直、自分もかつては同じ悩みを、毎日のように抱えていました
午前中に片付いた仕事を見て「今日はいける」と思った日ほど、午後に崩れる。そんな逆説めいたことも起きていました
「気合が足りない」で片付けていた頃
毎日22時まで働いて、自分は仕事が遅いんだとずっと思い込んでいました。能力の問題だと思っていたからです
午後に崩れるのも、同じように片付けていました。「体力がないだけ」「集中力が続かないのは甘え」。そう思って、コーヒーを増やしたり、気合で乗り切ろうとしたりしていました
でも、気合で乗り切れる日は月に数日で、ほとんどの日は同じところで崩れました
原因を自分の性格のせいにしている間は、対処のしようがありませんでした
1万時間分の記録を取り始めて、はじめて分かったことがあります
午後に崩れていた日と、崩れていなかった日を比べると、体力や気分の差ではなく、時間の使い方の差がありました
「たまたま調子が良かった日」だと最初は思っていました。でも記録をつけて月単位で見直すと、崩れない日には共通する形があって、たまたまではありませんでした
崩れる原因は3つに分解できる
記録を見返して、午後崩れが起きる日に共通する原因を3つに分けました
原因① 予定が「点」で入っている
午後の予定を見ると、会議や作業が時刻だけで並んでいて、休憩がどこにも入っていません
予定と予定の間が、そのまま「なんとなく続ける時間」になっています。休憩は「疲れたら取るもの」という扱いのまま、結局後回しになります
原因② タスクの単位が大きすぎる
「資料作成」と1個だけ書かれたタスクは、始める前も、始めてからも、終わりが見えません
終わりが見えない仕事は、途中で気力が切れやすくなります。45分で終わる作業なのか、3時間かかる作業なのか、分からないまま手を動かしている状態です
原因③ 午前の勢いのまま突っ込む
午前中に調子が良いと、そのまま休憩なしで午後まで走り続けてしまいます
1日のタスクを、割り込みや想定外のための余白なしで詰めていて、そのズレが午後にまとめて出てきます。午前の貯金を、午後の最初の1時間で使い切ってしまうイメージです

言葉だけだと伝わりにくいので、並べてみます
崩れる午後は、会議のあとそのまま次の作業に入り、タスクが「資料作成」のように大きいまま並んでいて、休憩は「疲れたら取る」という扱いになっています
崩れない午後は、会議のあとに5分だけ何もしない時間を置き、タスクを小さく割ってから始め、休憩は予定として先に入れてあります
崩れる午後と崩れない午後の違いは、根性ではなく、予定にどれだけ余白を先に置いたか、それだけです

3つの原因を並べてみると、共通しているのは「後回し」です。休憩も、タスクの分解も、余白も、全部やろうと思えばできることばかりです。ただ、午前中に手をつけていないので、午後になって一気に不足分が表に出ます
自分の場合、区切りを試して崩れ方が変わりました
参考までに、人の集中には90分前後で波があるとも言われています
これは意志の強さとは関係のない、体のリズムの話です。自分の場合、会議や声かけで集中が途切れるたびに、元の集中に戻るまで15分から20分くらいかかっていました
崩れてから戻すより、崩れる前に自分から止める方が、結局は早いと気づきました
自分が実際に試した形はこうです。午後の予定を90分のブロックで見て、その中の45分を1セットの作業に充て、90分が終わったら内容の途中でも一度手を止める。続きは次のブロックでやればいい、と決めておくだけです
特別な道具は要りません。スマホのタイマーで十分です
これはあくまで、自分が記録を見ながら試して合っていたやり方です。90分や45分という数字が誰にでも正解というわけではなく、自分の記録と体感で見つけた区切り方でした

休憩は「後で」ではなく「先に」入れる
「仕事が終わったら休む」では、永遠に休めません
休憩を、仕事と同じように予定に入れる。順番を変えるだけで、午後の崩れ方はかなり変わります
全部やる必要はありません。まずは午後の予定のうち、1か所だけでいいです
会議の直後や、大きなタスクの前後に、5分だけ休憩の枠を先に置いてみてください

正直、最初は「休憩を先に決めるなんてサボりに見えないか」と思っていました
でも実際にやってみると、休憩を先に確保した日のほうが、夕方まで動けている日が多かったです。削っているのではなく、後半のための余力を先に確保しているだけでした
部下から同じ相談を受けたとき、まずこの1点だけ試してほしいと伝えています
午後に崩れるのは、能力の問題ではありません
午後に集中が切れるのは、意志が弱いからではなく、予定に余白を先に置いていなかっただけです
予定が点で入っている、タスクが大きすぎる、午前の勢いのまま突っ込む。この3つのどれかに当てはまっていたら、まずは1つだけ直せば十分です
とはいえ、いきなり全部を変える必要はありません
今日は、明日の午後の予定に、休憩を1つだけ先に書き込む。それだけでいいです
会議が続いた午後、部下からの相談、たまったメール。全部を同時に抱えたまま突っ込むから、崩れます。先に5分だけ、余白を置いておくだけで、同じ午後でも進み方が変わります
午前は動けるのに午後だけ崩れるというのは、能力の話ではなく、予定の設計に休憩の枠がなかっただけです
似た場面で、こんなことも書いています。
自分がどうやって仕事の渡し方を変えてきたかはこちらにまとめています。
「自分でやった方が早い」その一言が、今のあなたの残業を作っています。
