踏切オーディション【毎週ショートショート】
目を開けると、目の前に踏切があった。
カン、カン、カン。
遮断機の向こうには光が見える。
どうやら死んだらしい。
踏切の横には制服姿の男が座っていた。
「はい、次の方。オーディション番号二三八番」
オーディション?
男が書類を見て顔をしかめる。
「おや、あなた、受験資格ないですね。」
え?資格すらない?
「スタンプラリー未達成が多すぎます。」
差し出された紙には、
『50歳までにしたい100のこと』
と書いてある。
⸻
□ 絵本を作る
□ 絵を描く
□ ウクレレを弾く
□ 部屋を片付ける
□……
⸻
え、それ、友達と盛り上がって書いたやつ、、。
「そうですが。登録されてますよ?」
係員は不思議そうな顔をして、パラパラと書類をめくる。
「ウクレレ、、1回しか弾いてないじゃないですか。弾いたうちに入りませんね。」
「絵本、、これ、AIに作らせた広告じゃないですか。」
「部屋を片付ける、、床しか片付いてないじゃないですか。」
「そもそも、まだ50歳まで生きてませんね。」
「現世でやり直してきてください。」
⸻
ガンっ
遮断機が下がった。
まだ、死ねないらしい。
*このお話はフィクションです。
が、伏線は過去の記事で回収できます🤣
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