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ある日、一番弟子がいなくなった(第六話:独り立ち)

第五話はこちら。

📌第六話:独り立ち📌

🔶ナカノ、出稼ぎへ

大規模開発が一段落し、予算の都合でチーム松田はいったん解散することになった。発達障害かつ境界知能の新卒は契約終了、ブラック企業くんは転職してホワイト企業くんとなった。彼との思い出もいろいろあるので、気が向いたら書く。

なお、筆者は数ヶ月後に立ち上げ予定の新規開発案件に現場監督として就任することが内定していた。しかし、それまでの期間、2人分の工数を確保するには至らなかった。要は、ナカノの仕事がないのである。

顧客には評価されていたし、筆者の右腕としてまだまだ活躍してもらいたかったこともあり、方々に掛け合って残留の道を探った。すると、保守要員の枠をひとつ空けてくれるという。よーしよし。松田の威光パネェ。ちなみに「保守」というのは、稼働中の業務システムのおもりをする仕事である。

ただ、問題は勤務地だった。ナカノは人里離れた山奥に住んでおり、保守の職場まで通勤に軽く2時間はかかる。ちょっと厳しいかな…と思ったが、何度聞いても「問題ありません」と返答し、文句ひとつ言わずに旅立っていった。昭和か!(ほめ言葉)

🔶ナカノの口添えをする

保守のボスは筆者と同時期に参画した旧知の仲で、彼の行きつけのスナックでよくボトルキープの酒を飲ませてもらった。選曲はブルーハーツ一本鎗。ママにご執心で、可処分所得の多くを費やしている様子だった。ぎょうさんお金落としてくれるから厚遇されてるだけやで!勘違いしたらあかんよ!

そんな縁もあり、「ナカノは見た目かなりアレな感じですが、実力はピカイチです。仕事を見てもらえればご理解いただけると思いますので、なにとぞよろしくお願いいたします!」と口添えしておいた。ゴマすりで便宜を図ってもらえるなら安いものだ。わかりやすい処世術のひとつである。

そうした筆者の根回しが効いたのかは定かではなくはなく明らかに定かで、ナカノは保守担当としてスムーズなスタートを切った。保守の仕事は多岐にわたるが、技術的な難易度はさほどでもない。それよりも業務の深い理解と問題解決能力が問われる。ナカノの特徴に鑑みて、適性は抜群だろう。

🔶ナカノ、理想郷でスパークする

保守の職場は発注元の事業会社のオフィスで、女性社員がかなり多い。筆者も諸事情で1年ほど通っていたことがあり、その時期は毎日が輝いていた。もっと若い独身の時に来たかった…そして聡明な女性にスピード&チャージ(feat. 長嶋茂雄)でチョメチョメしたかった…と運命を呪ったものだ。

彼女いない歴=年齢のチェリーボーイ🍒で、女性という存在への興味が大気圏を突破しているナカノにとって、職場環境はこれ以上ないユートピアだっただろう。人生最高のモチベーションで職務を遂行し、現場での評価はうなぎ上りとなった。

保守チームには毎朝ラノベを読みふけり、気難しさにおいて並ぶ者がないと言われた生き字引の仙人がいた。彼に認められなかったが最後、職を追われるのは必然だった。そんな中、ナカノは自身の能力を遺憾なく発揮し、まもなく仙人にスーパーヒト…もとい、ナカノ君として認められた。excellent!!

第七話へ続く。

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