3月、ミモザの作家にまた出逢う
たくさんのミモザの花が
私をそこで待っていた。
目に入るのは
黄色、黄色、また黄色。
淡い花々が
黒地に浮かび
生成り色
水色
そんな色の上にも
浮かび上がっていた。
春のマルシェの
自分のブースの殆どを
ミモザが占める。
大胆で
信念のある
そんな人にしか、
こんなことは出来ない。
使い勝手の良さに
見覚えがあった。
針目の乱れのない
丁寧な縫製にも。
私のクローゼットの中に
少し前に現れた
あのバッグの作者だ。
思わず
財布と
バッグと
ティッシュケースを手に取って
首を傾げて考えた。
ああ、もう
一体どの子を
連れ帰ろう。
水色の地で、
かぱっと開く
ハーフウォレットは捨て難い。
肩がけができて
軽くて、
水筒と折りたたみ傘が程よく入る
そんな外ポケットがついている
生成りのバッグも捨て難い。
黒地にミモザが浮かび上がる
ティッシュケースも素晴らしい。
箱ではなくて
包装を捨てやすい、
コンパクトなティッシュが
すんなり入るに違いない。
まあ、なんて
分かる
人なのだろう。
足取りも軽やかに、
たくさんのミモザの花を
連れ帰ることにした。
ホクホクと
レジに並んで
言い渡されたお会計。
高すぎず
安すぎず
そんなところも丁度いい。
ショップカードを手に取った。
いつか必ず
この人に会う、と
そんな決意を胸にして、
春のマルシェから
出て行った。
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