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開発はできなくてもPC持参は大正解!TOKIZA初のハッカソン潜入記。

TOKIZA運営・M田です。
先日、「TOKIZA」にて1DAYハッカソンが開催されました。テーマは「大津市のリアルな課題解決」。AI技術を使い、市民の暮らしに役立つプロダクトを、なんと約5時間ほどで作る!という挑戦です。

「解決せよ!」と命令形なわりに優しそうな面々

大手IT企業のSEから工学部の学生まで、経歴も年齢も実に個性的な16名の参加者に見学者も含め、約30名が集まりました。M田も、「もしかしたら何かしら生み出せるかも?」と無謀にもノートPCを持参(笑)。

ハッカソンって何?
ハック(Hack)とマラソン(Marathon)から成る造語。ITエンジニアやデザイナーが、決められた期間内でプロダクトを開発、成果物をプレゼンテーションし競い合う。

タイムスケジュール

10:00 オープニングアクト
10:10 トークセッション(大津市のDXの取り組み・課題紹介)
10:30 AWS登壇(Kiro紹介)
10:40 開発開始
13:00 プロトタイプピッチ(中間発表)
13:30 開発再開 ※フォーム入力を16:00までに完了
17:00 最終ピッチ・最終選考
18:00 結果発表・授賞式

10:00 オープニングアクト(自己紹介)

主催の澤(株式会社リーフワークス代表)の挨拶を皮きりに、1人30秒にて参加者の自己紹介。

「自分も開発したい!」という想いがこもった、エンジニア魂を感じる澤の挨拶

10:10 トークセッションにて課題を提示

続いて、大津市DX推進室 室長・大嶋 健太郎さんと澤、進行の中野さん(co.shiga代表)による質疑応答形式で市の現状や課題が示されました。

澤(左)と大嶋室長

「職員たちも新しい取り組みを始めたいが、目先の業務に追われ進まない」という、一般企業でもよく耳にする内容含め、申請時の手間の多さから始まり、高齢者への情報提供の難しさに至るまで課題はさまざま…。
行政専用ネットワークの環境内という制約上、民間のように自由に外部のAIサービスを使えないという事情も…。

ここで紹介されたのが、大津市の公式アプリ「ポケットおおつ」です。

大嶋「DX推進に注力しているが伝わっていない。『ポケットおおつ』もDXの一環だが、毎日開きたくなるようなものがなく…。どうやって普及させていくか、などのアイデアも出るとありがたい。」

ポケットおおつに寄せなくともよいとのことですが、ミニアプリとして実装・リリースされる可能性も。「作って終り」になるのはもったいないですもんね。

ちなみに澤からは、「住民票や印鑑証明がコンビニで出せるのはラク!スマホで完結でき、そもそも市役所に行く必要がないってなると嬉しい」という要望や、「中小企業向けの給付金・助成金の申請時、添付書類の多さが面倒で申請を諦めさせてしまうケースもある」といった法人ならではの意見も。

10:30 AWSのAIエージェント「Kiro」紹介

続いて登壇したのは、AWSのソリューションアーキテクト・古屋 楓さん。AWSが開発したエージェティックAIコーディングツール「Kiro」の紹介です。

Kiroは仕様や設計を固めてから開発する「仕様駆動開発(スペック開発)」のAIエージェント。M田的には「先に設計図を描き、現場に赴き指示・完成させていく建築士っぽいな。」というイメージを持ちました。

オバケのエージェントがカワイイ♡

10:40 プロトタイプ開発開始

2Fに移動し画面に向かい開発に没頭しだした参加者たち。さすがに声をかけづらい…。ふと横を見ると、LWGのグループ会社「クリーヴァ」代表の宮﨑さん発見!

本社出張がてら「面白そうだから」と参加したそう

宮﨑「使っているのはClaude Code。僕は最初に指示しただけ(笑)。あとはホラ、こんな感じにやってくれるから、たまに調整するくらい。」
簡単そうに言ってますが、AIに注ぐ“原液”の質や濃度、動かすための設計クオリティの高さが伝わってきます。

3つのエージェントに作業を分担させすすめる宮﨑さん

ここで、見学者の皆さんにお話を聞いてみることに――。

「来ようと思ったきっかけは?」
「ふだんはどんなお仕事をしてはるんですか?」
「どんな課題感をお持ちなんですか?」

日頃から地域と深く関わっている自治会長さん、民間の病院関係者さん、市の交通インフラ改善に関わる鉄道会社の社員さんなど、多彩な顔触れ。人材不足問題に、デジタル弱者への情報伝達、担当者の熱量の差による改善の難しさなどの課題が飛び出しました。

「問題解決の糸口が何かしら得られるんちゃうかな、と思ってね。」

開発者に負けず劣らずの熱量と高い関心をもって見学・交流されていた姿がとても印象的でした。

澤、大嶋さんも皆と交流し意見交換

13:00 中間報告→審査→上位6名確定

ここで、開発の進捗と方向性を確認すべく、1人1分の持ち時間にて発表。その後、さらに開発を進め16時までに内容をフォーム入力。それを受け、大嶋さんはじめ、行政・企業・地域支援団体・クラウド事業者という異なる視点から厳正な審査がすすめられ――。

技術力だけでなく、実際に大津市民の暮らしに役立つかどうかという視点含め、多角的な評価のもと上位6名が選出されました。その内容をザックリですが紹介します↓

17:00 最終ピッチ

上位6名が1人5分にて成果物を発表。ここでは審査員や見学者から質問も飛び、疑問点も解決、解像度があがっていきました。

この最終ピッチを受け、1~3位までの選考に突入――。

審査する方もなかなかにハードです

待つ間に他の10名の成果発表が行われたんですが、保育ナビや大災害支援など、会社の仲間や最近のニュース映像、身内の顔などが浮かぶ開発内容が続き…。自分ごととして考えさせられる時間にもなりました。

18:00 結果発表

さあ、遂に受賞者が決定!授賞式が行われました。みごと選ばれた3名の声をお届けします。

3位「おおつ・こえのき」村尾 直哉さん

▶地図上の「つぶやき」が育ち、地域経済も潤す声の見える化アプリ。

古屋さんより、AWSのグッズ進呈

初ハッカソン挑戦、Kiroも初めて触ったそうですが、最初の指示文を送るだけで自動で開発が進んでいく様子に大きな刺激を受けたとのこと。一方で、他の参加者の完成度高い成果物に、AIの活用習熟度によって差が出ることを痛感、自身の力不足と皆様の経験の深さを感じたそうです。

受賞しての感想
素直に嬉しく思っております。非エンジニアでありながらこのような場で受賞できたことは、大きな励みになりました。「こういうものを作りたい」という前段階の想いをプレゼンで強く押し出したことが、受賞に繋がったと感じています。

この先、大津市や地域にどのように還元していきたいか
もともと研究の実証実験で行っていた取り組みを、より利用しやすくするためのアプリとして開発しました。精度を高めて実用的なものにし、地域社会や学術的な場において価値のあるサービスへと仕上げていきたいです。

誰もが地域課題を自分事としてポジティブに捉えられるきっかけをつくりたい――。そんな展望も語ってくださいました(村尾さんご自身のnoteでもこの日のようすを発信されていますので、ぜひご覧ください!)。

2位「おおつAIコンシェルジュ」瀬戸 泰斗さん

▶行政情報への「たらい回し」をなくす、次世代AIチャット窓口。

大嶋室長より、AWSグッズ&Amazonギフト券5千円分進呈

ハッカソンは初参加。何を作るか悩み、最後まで形にできるか不安なままのスタートだったそうですが、結果的に「ふだんの業務の進め方が役立った」という瀬戸さん。

受賞しての感想
まず大嶋室長に、直接課題と要望等をヒアリング、そこで作るべきものが明確になり、迷いなく開発に入れました。AWSのKiroを使い課題を入力、要件を壁打ちしながら進めましたが、イメージが驚くほど効率的に形に。
皆さん本当に面白いアプリを作られていたので、その中で2位をいただけたことには驚き、同時に、大きな自信にもなりました。

この経験をこの先、どのように活かしていきたいか
ものづくり欲が再燃しました。
これからもどんどん何かを形にしていきたいです!

1位「オオツライド」大西 義人さん

▶通勤車の空き座席活用、渋滞と交通の空白地帯を解消するライドシェア。

澤社長より、AWSグッズ&Amazonギフト券1万円分進呈

会場に着いた瞬間、周りの方々から「できる」オーラが漂っており、近郊にこれだけベテランの方々がいるのかと驚いたそうです。

参加しての感想
大津市でハッカソンが開かれるのは珍しいですが、こういった企画に意欲的な人が実はたくさんいるのだと知れました。今後も大津市のDXが盛り上がってほしいです。

優勝を受けて
どの参加者の方もクオリティが高かったので、まさか自分が選ばれるとは思いませんでした。結果的に良かったのは、日頃から感じていた大津市の課題を題材にしたこと、スライドやアプリに表示するデータを全て実際のデータで裏取りしたこと、それから柔軟なアイディアを出せたことかなと思っています。今後は実際に大津市の課題を技術面で解決していきたいです。

リーフワークス本社勤務のリードエンジニア・大西さん。しかし、そこはもちろん厳正に審査され、高い支持を受けての堂々の優勝です。後に「めっちゃ疲れました…」と本音を漏らしてくれました(笑)。やはり、制限時間ありきで成果物までもっていくハッカソンて過酷なんですね…。

次は若手エンジニア諸君もぜひ!

最後に、審査員としてお越しいただいたAWSのお二人、前述の古屋さん、営業担当の今井 彩渚さんのコメントを紹介します。

古屋さん(左)と今井さん

古屋 どの開発も素晴らしかったため審査員間でも議論が尽きず、順位をつけるのが心苦しかったです。
皆さんと一緒にあの空間にいられたことがとても楽しく、多くの刺激をもらいました。ぜひあの日の熱量そのままに、つくり続けてもらえたら嬉しいです。私もAWSの立場から、皆さんの挑戦を一緒に応援していきたいと思っています!

今井 AIは進化しておりハードルは今後も下がっていきます。だからこそ、アイデアを頭の中に置いたままにせず、まず動くものにしてみるということを、今後も続けていただければと思います。
TOKIZAには挑戦できる環境と、あたたかい人のつながりがある。AWSとしても、引き続き皆さんの挑戦に関わっていけたら嬉しいです。

リアルな課題を、実際に動くプロダクトへと落とし込む――。
その過程を目の当たりにし感じたのは、AIを駆使する人間のスキルと、AIエージェントの処理能力の高さ。「なぜこれを作るのか」明確な核をもち、解像度高い開発をされていたことが素晴らしかったです。

また、見学者の皆さんの熱量も高く、「暮らしに役立つプロダクトを、行政・企業・地域で共創していきたい!」という思いやエネルギーの強さにも心動かされました。

「な…なんか、これは本当に実現しそう!」

そう思えたこの日のハッカソン。今後どう展開し、私たちの生活に根付いていくのか、期待を込め見守っていきたいと思います!

みんなー!近くにすごい人たちいるで~っ!

ちなみに、持参したノートPC、結局コードは1ミリも書けず…。ただ、画面には、聞き慣れない技術用語をググった複数のタブとメモ書きが残されており――。
結果的にPC持参は大正解でした(笑)。