兄弟間でも呼び捨て禁止。目上の人への敬意は、家の中から始まります
はじめに
うちでは、年下の子が年上の子を呼び捨てにすることを、絶対に許していません。
二男は長男のことを「○○くん」と名前に「くん」をつけて呼びます。長女は長男のことを「○○くん」、二男のことは「お兄ちゃん」と呼びます。どんなに仲が悪い日も、どんなにケンカをしていても、呼び捨ては禁止です。
「たかが呼び方のことで」と思われるかもしれません。でも私は、この習慣が子どもたちの「目上の人への敬意」という感覚の土台になっていると感じています。
特別なことは教えていない
正直に言うと、敬語の使い方を体系的に教えたことはありません。「先生にはこう話しなさい」「目上の人にはこういう言葉を使いなさい」という授業のようなことはしていない。
ただひとつだけ、ずっと言い続けてきたことがあります。
「年上の人、目上の人には敬意を持って接しなさい」
この一言だけです。兄弟間で呼び捨てを使いそうになったら「お兄ちゃん(○○くん)でしょ」と言い直させる。それを毎日の生活の中でくり返してきました。
言葉の習慣は、毎日の積み重ねです。特別に教えなくても、日常の中でくり返されることが、自然と身についていく。兄弟間の呼び方を大切にすることで、「目上の人には敬意を持つ」という感覚が、言葉より先に体に染みついていったのだと思います。
二男が先生に褒められた
先日、二男の担任の先生から、こんな話を聞きました。
「○○くんは、先生への話し方がとても丁寧ですね」
特に教えてもいないのに、先生に対して敬語で丁寧に話しているというのです。思春期まっただ中で、家では口を開けば否定文の二男が、学校では先生に丁寧に話している。
正直、少し驚きました。でも同時に、「あ、ちゃんと伝わっていたんだ」と嬉しくなりました。
家の中での習慣が、外の世界でも自然と出てくる。「目上の人には敬意を持つ」というメッセージが、ちゃんと二男の中に根付いていたのだと気づきました。
呼び捨てを禁止する理由
なぜ兄弟間でも呼び捨てを禁止しているのか。理由はシンプルです。
家の中で年上を呼び捨てにする習慣がついてしまうと、外でも同じ感覚になりやすいからです。家族だから呼び捨てでいい、でも他の人には敬語を使う——この切り替えを子どもに求めるのは、実は難しい。
家の中での言葉遣いが、その子の「普通」になります。家でお兄ちゃんを「お兄ちゃん」と呼んでいる子は、年上の人に対して自然と丁寧な言葉が出やすくなる。それが、外の世界での振る舞いにも影響すると感じています。
小学校受験の面接や行動観察でも、言葉遣いや大人への接し方は必ず見られます。「家庭での習慣がそのまま出る」と言われる受験の場で、日常の言葉遣いがどれだけ大切かを、改めて実感してきました。
敬意は言葉から始まる
「敬意を持ちなさい」と言葉で言い聞かせるだけでは、子どもには伝わりにくい。でも「お兄ちゃんと呼びなさい」という具体的な行動として示すことで、敬意の形が体に入っていきます。
言葉は思考を作ります。年上の人を丁寧に呼ぶ習慣が、その人への敬意につながる。逆に、年上を呼び捨てにする習慣がつくと、その人を対等以下に見る感覚が生まれやすくなる。
これは兄弟に限った話ではありません。学校の先生、近所の大人、習い事の先生——すべての目上の人への接し方は、家の中での習慣から始まると思っています。
余談:挨拶は「おはようございます」より「おはよう」でいい
ひとつ余談を。
私自身、子どものころ両親への挨拶は「おはようございます」と言うようにしつけられていました。親に対しても敬語、丁寧語が当たり前という家庭で育ちました。
でもうちの子どもたちには、私に対して「おはよう」と言わせています。
目上の人への敬意は大切にしながら、家族との間には温かい距離感も大切にしたい。「おはようございます」より「おはよう」のほうが、朝の空気が柔らかくなる気がするのです。敬意と親しみは、両立できると思っています。
自分が育てられた方法が、必ずしも正解ではない。良いと思ったことは取り入れて、違うと思ったことは変えていい。子育てって、そういうものだと感じています。
まとめ
うちが徹底しているのは、たったひとつのことです。
年下は年上を呼び捨てにしない。いかなるときも。
これだけを毎日の生活の中で続けてきました。特別な教育も、難しい言葉の授業もしていません。でも二男が先生から「話し方が丁寧」と褒められたとき、日常の積み重ねがちゃんと形になっていたことを実感しました。
目上の人への敬意は、家の中の小さな習慣から育ちます。「お兄ちゃん(○○くん)と呼びなさい」という一言が、その第一歩になると思っています。
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