【本音と挫折】友人3人でアルバムを出す話 #002
いいねを押していただけると、発信のモチベーションにつながります!
前回のあらすじ
Ultra Japanに出演したい──。そんな夢を叶えるため、友人3人でアルバムをリリースする計画を立てました。どこかの誰かじゃなく、「自分たちが主役になる」ための第一歩。
まずは方向性を固め、BPM126〜135のメロディックテクノというジャンルの中で、自分たちなりの色を出すコンセプトを話し合いました。配信スケジュールも決め、リリースに向けた逆算スケジュールを作成。
■ 7月末までに曲作りとマスタリング
■ 8月上旬にジャケット制作と配信準備
■ 9月上旬に配信スタート
順調に進めば、Ultra Japanのタイミングで自分たちの曲を鳴らせる──。そんなワクワクを胸に、いよいよ曲作りに突入したところまでを前回お届けしました。
コンセプトを決めたので、曲のイメージを固めてみた
コンセプトが決まったら、次は**「自分たちがどんな音を鳴らしたいのか」**をもっと具体的に落とし込んでいく作業です。
今回のアルバムで大切にしたのは、曲の中にANYMAやMRAKのような空間を生むこと、美しい構成を作り出すこと、オリジナルの音作りで踊れる曲を作ること。この3つをどう一曲の中に溶け込ませるかが課題になりました。
もちろん言葉でイメージするのは簡単ですが、いざDAWの前に座ると、「さて、どこから手をつけようか……」と少し戸惑う自分がいました。やっぱり口で言うより、手を動かす方がずっと難しい。でも、だからこそやりがいがある。そんな気持ちで、音を積み重ねていきました。
レファレンスはこれ
イメージを固めるために、私の進む道しるべとして選んだのがこの3曲です。
MRAK – Never End
Anyma – Taratata
Cassian – Dun Dun
どの曲も、それぞれのアーティストの個性が詰まっていて、低音の力強さ、音の広がり、そして緻密な展開が見事でした。特に「Never End」の持つ美しくも切ない旋律、「Taratata」のヴォーカルのキャッチーさ、「Dun Dun」のグルーヴ感、そして構成は、まさに今回目指したい方向性と重なっていました。
聴いているだけで、「こんな曲を作りたい」という情熱が湧いてくる。でも同時に、「このレベルに近づくには何が足りない?」と冷静な自分が問いかけてくる。そんな気持ちで、制作のスタート地点に立ったのを覚えています。
実際に曲作りには自分のブログを参考にしている
曲作りを始めるとき、意外に頼りになったのが、自分自身が書いてきたこの「トリケラテクノ」のブログでした。
記事にする中で学んだこと、まとめたこと。それを自分が今まさに実践しているというのは、不思議な感覚でもあり、同時に「ちゃんと積み重ねてきたものがあったんだな」と思える瞬間でもありました。
例えば、アルペジオの作り方、ローエンドの処理、ミックスの段階で気をつけること──。頭ではわかっていても、実際に自分の曲で試してみると、また新たな気づきがありました。ブログを書いてきたことが、ここでようやく「生きた知識」になり始めた感覚です。
曲作りの挫折「メロディが思い浮かばない」
コンセプトも決まった。レファレンスも決めた。さあ作るぞ──と意気込んで鍵盤に向かったものの、まったくメロディが浮かんでこない。
音を出しては止め、また消しては考える。その繰り返しでした。頭の中にある「こんな感じの曲にしたい」というイメージと、実際に鳴らす音の間に、大きな溝があるように感じました。
そこでやったのが、過去に行ったフェスの動画をYouTubeでひたすら探して観ること。Ultra Japan、GMO Sonic、Neon Countdown, World DJ Festivalそして友人と一緒に踊ったあの夜の思い出のシーン……。画面越しに響いてくるビートに、あのときの高揚感が少しずつよみがえってきました。
「この空気、この熱、この感情を音にしたい。」そう思えたとき、ようやく少しずつフレーズの断片が浮かんできたのです。
ラフミックスを送って、いいねと言われた
なんとか形になったフレーズを軸に、ラフミックスを仕上げました。もちろん自分の中では「まだまだ荒削りだな」と思いながらも、勇気を出して友人たちに共有。
すると返ってきたのは、「いいね!」の一言。正直ホッとしました。ゼロから作ったものに対して、前向きな言葉をもらえるだけで、救われる気持ちになります。
ただ、モニター越しに聴き返す自分の耳には、やっぱり聞こえてくるんです。レファレンスとの“あの差”が。
低音の迫力、広がり、音の解像度、展開の緻密さ……。どこか「自分の音は薄いな」「平面的だな」と感じてしまう自分がいました。
でもこの「いいね」があったからこそ、次の一歩を踏み出そうと思えたのも事実です。
挫折「自分でもわかるくらいレファレンスとの差を感じた」
ラフミックスを作り終え、友人に送ったあと、自分でも何度も何度も聴き返しました。モニターの前に座り、目を閉じて耳を澄ませる。すると、最初は「これでいいかも」と思っていた音が、だんだんと粗が見えてくるんです。
低音がスカスカで、体に響いてこない。
空間の奥行きが浅く、音が前に張り付いているだけに感じる。
メロディや展開もどこか平坦で、心を揺さぶるものがない。
レファレンスで聴いた MRAK – Never End のあの広がり、Anyma – Taratata の攻めたビート、Cassian – Dun Dun のグルーヴ感──それと自分の音を聴き比べると、まるで別物でした。
悔しかったです。正直、ちょっと落ち込みました。頭では「一発でプロと同じレベルになるわけがない」とわかっていたけれど、「自分はもっとできると思っていたのに」というプライドが傷ついた瞬間でした。
でも、ここで立ち止まるわけにはいかない。むしろ、この差を冷静に認められたこと自体が、成長の一歩だったんだと今は思えます。このとき感じた悔しさと向き合えたからこそ、次に進む覚悟が決まりました。
うまくいったと自分では思ってマスタリング友人へ送ってみた
挫折を感じながらも、「じゃあどうすればいいのか」を自分なりに考え、EQを少し見直したり、リバーブの深さを調整したり、低音にコンプレッサーを軽くかけてみたりと、できる限りの手を打ちました。
夜遅くまでモニターの前で音を確かめ、スピーカーとヘッドホンを何度も切り替えながら「これなら今の自分のベストだ」と思えるところまで持っていきました。
一曲に何度もマスタリングしたのは、今回が初めてでした。それほどの気持ちがこもっていたんだと今でも感じます。
そして、思い切ってマスタリングしたデータを友人に送信。送った直後は、不安と期待が入り混じった妙な高揚感があったのを覚えています。「今回は少しは驚かせられるんじゃないか」──そんな淡い期待も、どこか心の片隅にありました。
なんか微妙な反応「気をつかってるんじゃないか?」
データを送ったその夜、友人から返信が届きました。
「いい感じやん!」
「だいぶまとまってきたな!」
──一見すると前向きな言葉。嬉しいはずなのに、画面を見つめる自分の心の中には、どこかモヤモヤが残っていました。
それは、本当にそう思ってくれているのか? それとも気をつかって言ってくれているだけなのか? という疑念。音楽仲間だからこそ、優しさの裏に「本音はもっと別にあるんじゃないか?」という空気を感じ取ってしまったんです。
このとき、「これ以上リモートでのやりとりだけでは進まない」と強く思ったんです。音も気持ちも、やっぱり直接顔を合わせてぶつけ合わないと見えないものがある。そう感じた瞬間でした。
実際に会ってみんなで意見を出し合い改善点が見えてきた
後日、音源を持ち寄って、直接会って話し合う場を作りました。モニターの前に並んで座り、スピーカーから音を流しながら、一つひとつのパートを確認していく。
すると、ようやく本音が出てきました。
「でも、ライドでもっとキラキラさせたいね」
「展開、もうひと工夫欲しいな」
こうやって、具体的な課題がどんどん明確になっていきました。やっぱり直接会って音を一緒に聴くと、リモートでは伝わらなかった微妙なニュアンスや熱量が見えてくる。
話し合いの中で「ここはこうしよう」「次はこう試してみよう」と自然と改善の道筋が立っていったのは、すごく有意義な時間でした。
それだけじゃありません。
話し合いが深まる中で、自然と会話の軸が**「音そのもの」から「その音で何を生み出したいのか」にシフト**していったんです。
この曲を通じて、自分たちは誰を、どんな表情にさせたいんだろう?
どんな感情を揺さぶりたいんだろう?
Ultra Japanのフロアで、自分たちの音で踊る人たちの顔を本気で想像しました。
歓声を上げる人、目を閉じてビートに身を任せる人、仲間と笑い合う人──その一人ひとりの表情が目に浮かぶようでした。
そして気づいたんです。
「自分たちがたどり着きたいゴールは、この光景なんだ。」
これがブレない軸になる。そこに向けて、音も構成も磨いていこうと、チームの意志が一つになった瞬間でした。
燃え尽き症候群になりそう
話し合いを終えたあと、部屋を出て夜風にあたったとき、ふと自分の心に芽生えていたものに気づきました。
「このまま全力でアルバムを作り上げたら、燃え尽きてしまうかもしれない。」
全力で駆け抜けるからこそ、その後にガクッと気持ちが切れてしまう危うさが、どこかにありました。
そこで、私は自分の中でいつもやっていることをあらためて試みました。
それは、**「アルバムを出した後のことを想像する」**ということ。
リリースしたとき、どんな人がどんな風にこの音を聴いてくれるのか。
Ultra Japanのフロアで、自分たちの音に歓声が上がるあの瞬間。
リリース後に「次はもっとこうしたい」と前を向く自分。
こうやってゴールのその先まで見据えることで、行き当たりばったりにならず、常に次の策を考え続けることができる。だから、途中でブレることも、迷うことも少なくなる。これまでの経験から、その大切さを知っていたんです。
結果として、ここで「まとめてアルバムを出す」というやり方を見直す決断に至りました。
アルバムのスケジュールを見直した
2か月ごとに1作品ずつリリースする。
そう決めた瞬間、不思議と心の中のプレッシャーがスッと軽くなったのを覚えています。
これなら1曲ずつしっかり作り込めるし、リリースごとに反応を確かめながら次につなげられる。何より、音楽を作り続ける喜びを失わずに済む。ゴールまでの道のりが、より明確になった瞬間でした。
実際にリリースに向けて楽曲を作ってみて感じたこと
今回、リリースに向けて実際に曲を作り、仲間と意見を交わし、試行錯誤を繰り返したことで強く感じたことがあります。
それは、「一度で傑作は作れない」という当たり前だけど大切な事実でした。
頭の中で思い描いていたイメージ、参考にしたレファレンスのような音。それをそのまま最初から形にできるはずがない。実際には、何度も何度も音を直し、仲間の意見を聞き、また直し…。その繰り返しでした。
でも、この「繰り返し」の中にこそ、音楽を作る楽しさがあり、成長のヒントがありました。
それを、自分自身の音楽作りを通じて実感できたのです。
大事なのは、常に「次はもっと良くする」という気持ちを持ち続けること。ゴールを見据え、そこに向けて一歩ずつ進んでいくこと。それさえ忘れなければ、必ず自分たちが思い描いた景色に近づける。そう信じられるようになりました。
これからもリリースまでの道のりをリアルに記録し、同じように挑戦する誰かの背中をそっと押せるような記事にしていきたいと思っています。
次回予告
今週の土日、World DJ Festival Japanで、あの2人の友人に会います。
そのとき、彼らを驚かせるために、私はもう一度ミキシングとマスタリングを見直し、「これが今の自分のベストだ」と胸を張れる形に仕上げました。
果たして今回の友人たちのフィードバックはどうなるのか。
私は、ようやく喜べるのか。
それともまた新たな挫折を味わうのか。
──それは、まだ誰にもわかりません。
その答えは、次回の記事でお伝えします。
最後に
いいねを押していただけると、次の解説をがんばれます!
次回の解説も見逃したくない方は、ぜひフォローをお願いします!
気になることや質問、解説してほしいアーティストなどいらっしゃれば、今後の記事で取り上げて解説するので、ぜひコメントしてください!
この記事のアップデートは私一人ではなく、メロディックテクノ愛にあふれた読者の皆様とともに行っていきたいと本気で考えています。
日本一の記事にするために、ぜひご意見宜しくお願いします!
頂いた意見を参考に随時追記していきますので、しばらくしたら見返しに来てください。
必ず記事が成長しています。
それでは、次回の記事でお会いできることを願っています。
今後の記事について
今後の記事では、アルバムの進捗だけでなく、
1フレーズを曲にする方法
マスタリングの方法…など
無料相談で読者から届いた内容を詳しく解説していきます。
関連note(おすすめ)
▶️ 自己紹介
▶️ 無料相談はこちらから
▶️ メロディックテクノとは?
▶️ DTMのテクニックはこちらから
プレイリストをチェック
それではまた!

