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理由のない選択は不安になる

ポチが隣にそっと座ってくれた。
しっぽが、ゆっくりと揺れる。

しばらく、ふたりで黙っていた。

でも、その沈黙が
不思議と嫌じゃなかった。


「……ねえ、ポチは
 どうしてそんなに明るいの?」

ぼくは、おそるおそる聞いてみた。

ポチが、一瞬だけ空を見て
ぼくに微笑みながら言う。

「色々あったんだけど・・・
 明るくしてた方が、楽しいから!」

なんとなく寂しそう・・・


色々あった。

その「色々」が何なのか
ぼくにはわからなかったけど・・・

一瞬だけ、寂しそうな顔をした
ポチの横顔に
少しだけ胸がチクッとした。



「ペンちゃんはさ
 どうしてここへ来たの??」

いつも通りの明るい声で
ポチが問いかけてくる。

なんで、来たんだろう。

「うーん・・・なんとなく居場所がほしくて。  
    旅に出て、気づいたらここに辿り着いて。」

ポチは、うんうんと
頷きながら静かに聞いてくれた。


言葉にしたら、 急に怖くなった。

なんとなくで決めた選択は
本当に正しかったのかな・・・

もっとちゃんと考えてから
旅に出るべきだったんじゃないかな。

理由もわからないまま動いた自分は、
これで、よかったのかな。


そんな不安が、
じわじわと広がっていった。


理由がない選択は、あとになって
『どうしてあの時こっちを選んだんだろう』
って思ってしまうんじゃないかって。



「んー・・・でもさ!
   来てよかったって思って欲しいな!
   だって今こうして、ペンちゃんと話せるの
   私は嬉しいもん♪」

ぼくはその言葉に
「そうだね!」とすぐには返せなかった。

ただ、もしかしたらポチも
色んな悩みを抱えてるのかな?
と思った。

そのポチが言う「来てよかった」は、
ただの慰めじゃない気がして。

ポチの過去はまだ知らないけど、
「色々」の中には悲しいことや辛いことも
あったんじゃないのかな。

そんなことを思いながら
「ペンちゃんと話せて嬉しい」
と言う言葉がぼくにとっては
すごく嬉しかった。


理由がわからない選択は怖い。

でも ──

理由がわからなくても、 ぼくはここに来た。
それだけは、本当のこと。

「……うん。
    ぼくもここに来れてよかったかも。」

「ぼくもポチと話せて嬉しいから。」

話せる相手がいるって嬉しいね。


ポチが、ぼくの言葉に
微笑んでくれた。

もっと、ポチのこと知りたいな。


── 第6話へ続く ──



理由がわからない選択は怖いと思う。
その選択が正解かだったかどうかなんて、
あとからしかわからない。

それでも動いた自分を、責めないでほしい。
あなたはもう、十分歩んできたんだから。

このお話を読んで、
どんな気持ちになりましたか?

「なんとなく」で選んで
あとから不安に思ったこと、ありますか?
よかったら、コメントで教えてください。

次のお話は、
「人はなぜ役に立たないと不安になるのか」です。
ペンちゃんが、村の中で新しい仲間に出会い
知識をつけていく物語です。


仲良し村の続きは、
毎週水曜日の18時に更新しています。

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前回のお話はこちら↓


はじめましての方はこちらの記事も
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