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ナナニジ3期生・22/7_the 3rdはいかにして“歌うま”グループとなったのか② 変革の始まり

アイドルグループ・22/7(ナナブンノニジュウニ)の3期生8人によるユニット・22/7_the 3rd(ナナブンノニジュウニ ザ・サード)が、今とにかく熱い。個々の力強い歌唱を押し出したスタイルは従来の22/7(通称・ナナニジ)のイメージを大きく覆し、新風どころか嵐を巻き起こしているのである。

前回の記事ではナナニジ3rdがどのような歩みを見せてきたのか、主にボーカルグループとしての面に焦点を当てて振り返ってみた。

ここからは、ナナニジ3rdのような歌に力を入れたグループが生まれた背景について考察していきたい。

ナナニジにおける“歌”というもの - 西條和の存在

まずは、そもそもナナニジにとって“歌”とはどういうものなのか。歌割りや歌唱力はどのようなものだったのかを考えてみたい。

結論から言うと、ナナニジは

歌唱力の高いメンバーを目立たせることをしない

そんなグループだった。そしてその理由を考察していると、西條和と彼女の担当キャラ・滝川みうの存在にどうしても辿り着く。

今でこそアイドル活動一辺倒となってしまっているナナニジだが、かつてはキャラクターを含めたコンテンツとして強く成り立っていた。そしてナナニジというグループ、コンテンツを象徴する存在として西條と滝川がいた。歌においても、ナナニジ独自の世界観を創るためには彼女(ら)を中心に据える必要があった。

彼女の繊細で内の内に火を灯したような声。それと調和が取れる声を配置しようとした結果、歌唱力よりも声質が重視され、上品に重ねられたユニゾンを多用するのが最適だという事になったのではないだろうか。

初期のこの方向性は、1期生が次々と卒業し、2期生が入ってきた後も大きく変わることなく続いた。

迫られた変革

2025年5月、西條の卒業が発表された。

ナナニジの象徴とも言える存在であり、人気面でも支え続けたメンバーだ。グループを今後どうしていくのかという岐路に立たされた状況で、運営は“存続”そして“前進”を選んだ。3期生オーディションの開催と共に。

大きな変革が不可欠という中、リリースされた15thシングルあなたでなくちゃ』で早速動きが感じられた。


表題曲「あなたでなくちゃ」はアニメのED曲ということで、かなり早い時期に作られたりレコーディングされたりした可能性が高い。西條が運営に卒業の意思を伝えたのは2024年末頃のようなので(本人の担当ラジオ番組での語りから推測)、そこの前後関係がはっきりしない。よって、この曲に関して語るのはパスさせてもらう。


カップリング曲のうちの一つは彼女のために作られた卒業曲「イングリッシュ・ゴールデンレトリバー」。ここで注目すべきは残りのカップリング3曲である。

あざす

各メンバーが自分とは別のキャラを降ろしてきたかのような、コミカルな歌唱が印象的な曲だが、ソロパートの多さはそれまでのナナニジ楽曲に類を見ない。特に、サビでここまでソロパートを取り入れた曲は無かった。“個”の力に焦点を当てた作りは、後のナナニジ3rdにも繋がるものがある。西條卒業後の未来を見据えた、まさに変革の第一歩と言えるような曲である。

歌割りで目立つ配置をされているのは望月りの天城サリー河瀬詩の3人。上演を控えていた歌劇『千本桜〜令和間引刻〜』の出演者トリオである。それを意識しての采配だと考えればさらに熱いものがある。

22/7

本格的なラップが導入されたというだけでも新しいが、注目すべきはそのラップのパート割りだ。月城咲舞天城サリー相川奈央というラップが得意とされるメンバーを冒頭に置いている。このような、スキルを重視したようなパート割りは、ナナニジにはほぼ存在しない概念であった。新たな未来を感じさせるポイントである。

舌打ち

河瀬詩のソロ歌唱をフィーチャーした楽曲。一人のメンバーに多くのソロを与えるという、非常に挑戦的で新しい試みだ。ライブにて、センターとして力強くパフォーマンスする河瀬の姿にも熱くさせられた。

また、間奏部で「Ah〜」と豊かな美声を響かせる望月りのも印象深い。外部に誇れるほどの圧倒的歌唱力を持つ望月のスキルが、「あざす」とともにここに来てようやく活かされ始めた、というところだ(あまりにも遅いが)。

これらの楽曲で見せた変革は、後のナナニジ3rdの路線ともリンクしているように見える。波は先輩メンバーから起こっていたのだった。

15人体制でいかに発展していけるか

15人体制となってからの楽曲にもこの流れは引き継がれている。16thシングル二つの道』のカップリングから2曲。「蝉は夏を知らない」では15人全員でポエトリーリーディングのリレーを繋ぎ、「乳酸菌たち」では先輩メンバーも3期生も入り乱れての軽快なソロ歌唱&ラップが採り入れられている。

筆者としては、3期生たちの力強い歌声を15人楽曲でも聴きたいという、その思いを強く抱いている。10月に発売が予定されている17thシングルではどのような構成の楽曲が待っているのか。“7と8”の融合に大きな発展はあるのか。見守っていきたい。

③ 2期生の辿ってきた道

④ 未来の主人公たち

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