「病院事務のAI副業」 - 「わかってます」が、一番わかっていなかった【実録vol.25】
元病院事務のAI副業実録 — 第二部・見える化の実践
元病院事務がAIで副業に挑戦している実録です。
初めての方はこちら👇
次は、その経験が実際にどんな形になっていくのか。
vol24の最後にそう書いた。
病院事務をしていた頃、業務のやり方は、いつも頭の中にあった。メモは取らない。
頭の中の手順書
困った時、止まった時、頭の中のイメージを職場のPCに落とし込んだ。それが、最初だった。
業務を整理して、改善するためだった。自分にしか見えていない仕事を、客観的に見える形にするためでもあった。
少しずつ肉付けしていった。一つ一つの動作まで、手順として残すようになっていった。
気づいたら、これを読めば誰でもできる。そう思えるものを、目指すようになっていた。
判断は、自分に残したままでいい。実行だけを、任せられる人が増えていく。それとは別に、判断そのものを任せられる人が増えることもあった。
どちらも、結果として、引き継ぎにも使えるようになった。
わかってます
でも、面白いことがあった。
どんなに細かく丁寧に書いても、初見で一人でできる人は、ほとんどいなかった。
できないこと自体は、問題じゃなかった。
問題だったのは、できていないのに、できていると思ってしまうことだった。
新人は、できないことをできないと思っていた。だから一生懸命、書いてある通りにやろうとする。
ベテランは違う。
「わかってます」
そう言って、手順書を最後まで見ずに、自分の経験に置き換えて進めようとした。
中には、こう言う人もいた。
「これ、後輩にやらせとくわ」
自分の仕事として、受け取ろうとしなかった。
キャリアが長いほど、「できない」と言えなくなる。できて当然だと、思われているからだ。
もちろん、経験がある人ほど省略しても大丈夫な部分を見分けられる。それ自体は合理的な判断だ。
ただ、初めて見る業務では、その経験は使えない。勝手が違うのに、いつもの感覚で進めようとしてしまう。
教える側も気まずくて諦めてしまう、あの空気。
でもこちらから見れば、みんな同じだった。初めて見る業務という意味では、新人もベテランも変わらない。
「わかってます」の一言に、何が隠れているか。
そこに目を向ける人は、いなかった。
だから教え方は変えなかった。新人にもベテランにも、同じようにやった。何もわからない人に教えるように。
そうすれば、わかったふりをする必要がない。ふりをする機会すら、生まれない。
工程の違い
この視点を、手順書という形に落とし込んでみることにした。
実際にやっていた業務は、もっと専門的なものだった。わかりやすく違いをイメージしやすいように、ここでは新患受付業務を例にする。
※以下は、考え方を説明するための簡略化した例です。実際の業務内容とは異なります。
実際に、AIに投げてみることにした。
別々のスレッドで、それぞれに聞いた。同じ質問をしても、AIの答えは毎回同じにはならない。それでも、この時はこれだけの差が出た。
①何も渡さなかった
新患受付業務の手順書を作って。②観察を渡した
新患受付業務の手順書を作って。
以下の点を踏まえてほしい。
・新人もベテランも、初めてこの業務を見た時の反応は同じ
・ただしベテランほど「わかってます」と誤魔化して、自分の解釈でやろうとする傾向がある
・そういう相手には正面から指摘せず、書いてある通りに一度反復してもらう。すると、本人が気づかないまま解釈が修正されていく
・工程ごとに、理解度や習熟度を確認できるチェックポイントを入れたい
違いは、これだけだった。
でも返ってきたものは工程の書き方から、声のかけ方、記録の仕組みまで、まるで違った。
工程の書き方が、違った
①:
患者様が受付にお越しになったら、明るい声で挨拶し、「本日はどのようなご用件でしょうか」等、初診か再診かを確認します。
②:
患者様が受付に近づいたら、他の作業より先に顔を上げて挨拶する
→確認ポイント:名前・来院時間を記録できたか
①は「何をするか」を書いていた。
②は「どこで迷うか」まで書いていた。
それだけじゃなかった。
「わかってます」と言われた時、どう返せばいいか。そこまで、書かれていた。
指導のセリフまで、書かれていた
②(会話例):
そうですよね、経験があるので流れは掴んでいらっしゃると思います。念のため、今回は資料に書いてある通りの言葉で一度読み上げながら進めてみてもらえますか。
経験を否定しない。でも、書いてある通りにやることは、お願いする。
それだけでも、なかった。
仕組みごと、作られていた
②(抜粋):
| 工程 | 手順を再現できたか | 自分でズレに気づけたか |
| 来院・お声がけ | できた/できなかった | 気づけた/気づけなかった |
| 保険証・本人確認 | できた/できなかった | 気づけた/気づけなかった |
できたか、できなかったか。自分でズレに気づけたか、気づけなかったか。
聞いていないところまで、答えが返ってきていた。
①は手順書だった。
②は、手順書というより「人がつまずく場所まで含めた設計図」になっていた。
ここに載せているのは、要約版だ。
※簡略化した架空の例です。実際の業務内容とは異なります。


全文は、最後に置いておく。
渡していたもの
指示を長くしたわけじゃなかった。
渡したのは手順じゃない。人の癖だった。
AIに何かを頼む時、いつも同じことをしていた。
まず、経験を思い出す。
「わかってます」と言われた場面。「後輩にやらせとくわ」と言われた場面。反復させたら、本人が気づかないまま直っていった場面。
次に、観察する。
どの場面も、同じ動き方をしていた。誤魔化されても、指摘しない。書いてある通りにやってもらう。
いつも通用したわけじゃない。相手の性格やその場の余裕によっては、うまくいかないこともあった。
それでも正面からぶつかるよりは、ずっと多くの人に効いた。
そこから、選ぶ。
場面そのものは渡さなかった。そこにあった動き方だけを選んだ。
それを、AIに渡す。
新人もベテランも、初見の反応は同じ。ベテランほど誤魔化す。正面から指摘せず反復させる。工程ごとにチェックポイントを作る。
迷わなかったのは特別な判断をしたからじゃなかった。
現場でやっていたことをそのまま持ってきただけだった。
日常でやっていることと、AIに渡すこと。今まで別々のことだと思っていた。
でも、同じだった。
これは手順書の話じゃない。
誰かの「わかってます」に心当たりはないだろうか。それを指摘せずに済ませてきた経験も。
手順書もそうだった。自分にしか見えていなかった仕事を見える形にした。
今回渡したのもその延長だった。誤魔化しの見分け方も、同じように見える形にしていた。
見えない仕事は、なかったことになる。「これ、後輩にやらせとくわ」と言った人には、それが見えていなかった。
見えるようにすれば、誰かに渡せる。AIにも渡せる。
石ころが、働いていた
この視点は、いつも同じ場所から来ていた。
誤魔化しにも、反復すれば直ることにも気づいていた。
石ころを拾う目が、今回も働いていた。
ただ今回は少し違った。
拾った石ころを、見える形にできた。
そして、それをAIに渡すこともできた。
これが他の誰かの現場でも同じように効くのかまだわからない。
でも自分の中にあるものを、ただの経験で終わらせずに済む方法は少し見えてきた。
正直な現在地
----------
収益:1,700円
クラウドワークス:登録完了・案件待ち
ココナラ:サービスページ公開中・問い合わせ待ち
X:フォロワー430人・違和感接触装置として運用中
note:フォロワー1,250人・主戦場
有料記事:公開済み・全面アップデート済み
有料note:公開済み・記録用アプリ「石ころノート」も公開中
番外編・画像編:公開済み
AIとのやり取り:工程ごとに分けて管理中
noteシリーズ:vol.25まで公開完了
----------
「わかっているつもり」は、なくならない。
それでも、向き合い方は変わらない。
(vol26に続きます。)
ここまで読んでくれた方に、全文を置いておく。
※考え方を説明するための簡略化した架空の例です。実際の業務内容とは異なります。
①何も渡さなかった場合の全文
プロンプト:
「新患受付業務の手順書を作って。」


②観察を渡した場合の全文
プロンプト:
「新患受付業務の手順書を作って。以下の点を踏まえてほしい。新人もベテランも、初めてこの業務を見た時の反応は同じ。ただしベテランほど『わかってます』と誤魔化して、自分の解釈でやろうとする傾向がある。そういう相手には正面から指摘せず、書いてある通りに一度反復してもらう。すると、本人が気づかないまま解釈が修正されていく。工程ごとに、理解度や習熟度を確認できるチェックポイントを入れたい。」




「AIで副業」を考えてる人、一緒に試行錯誤しましょう。質問はXのDMへ。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします!!!!!いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!!