読書感想文「スーツの東海道五十三次 自転車の旅」
読書感想文シリーズ
「古都再見」葉室麟
「京の離宮と御所」JTBのムック
「まんがで読む徒然草・おくのほそ道」
「京都伝統文化の英語表現事典」
「京都ぎらい」井上章一
「京都地名の由来を歩く」谷川彰英
「FACTFULNESS」
「スーツの東海道五十三次 自転車の旅」
「京都写真館 なつかしの昭和20年~40年代」
「庭(にわ)を読み解く」白幡洋三郎
最初にページをめくった時ただの「ファンブック」なのかなぁと正直思ってしまいました。
家に持って帰ってちゃんと読んでみたところ情報量がスゴいのなんの。写真のスペースが六割強あるので地名に疎くても問題ないし、ユーチューブ動画をいい感じに文章化されていたので大変読みやすかったです。あえて難点を申すならば60ヶ所弱の宿場町を142ページでまとめたので文字量が少なめ。読書好きの人は若干物足りなさを感じるかもしれません。
大人だけでなく東海道のことを何も知らない小学校高学年から中高学生にもオススメしたい旅の入門書です。
え?ちょっと待って?
私が入手したのは2022年のクリスマスに出版された初版本なのですでに修正されているかもしれませんが、違和感を覚えた箇所が一つだけあったので皆様も是非ご覧になっていただきたいと思います。

石清水八幡宮って
こんなに低い場所にあったっけ?
釣られクマー
トラベルミステリーでおなじみの西村京太郎先生が『型番を間違えるとミステリー小説なのに電車オタクから苦情が来て本が売れる』とテレビ番組でお話されたことがあります。
典型的な【釣られクマー】というやつですね。私もあえて見え見えのエサに釣られてみようじゃありませんか。
屋根って青色だったっけ?

本とユーチューブ動画を参考にGoogleストリートビューを使って撮影ポイントを特定して同じ構図の画像を貼ってみました。
石清水八幡宮と矢印で差されている入母屋造の建物っておそらく『絲杉山 神應寺』だと思うんですよ。そもそも石清水八幡宮の屋根は桧皮葺。青色ではありません。だいたいこんな低い場所に鎮座しているなら石段で十分。ケーブルカーは不要です。
京都・石清水八幡宮周辺を歩く早春旅「絲杉山神應寺」
|ヤマダナガヲ / 観光記
仁和寺の和尚=スーツさん?
仁和寺の法師が参拝に来たが、勘違いして見事な本殿を見ずに帰ってしまったという『徒然草』のエピソードでも有名。
もしかしたら「仁和寺の法師=スーツさん」という高度なギャグを披露したくてあえて間違ったのではないでしょうか。
とまぁ皮肉はさておいて、スーツさんってミスしたまま動画を投稿することがままあるんですよね。今はどういう方針かわかりませんが「修正はコスパが悪いからしない」「正確な情報ではない場合もある」みたいなことを一昔前に発言されたことがあります。枚方宿の場面では関西医科大学を関西学院大学と言い間違いをしていますし関西の情報は特に苦手みたい。
私はアンチではないので一応フォローすると、スーツさんの動画ってテレビやドラマと違ってアドリブを多用されていると思うんですよ。カンニングペーパーを読みながら旅をしているわけではないのでそりゃ言い間違いや勘違いすることはあります。っていうか普通の人はここまで雄弁に語れません。スーツさんの手法はマネできても自転車に乗りながら地域の特色を解説する芸当はマネできないんじゃないかなぁ。
『河童の川流れ』『弘法も筆の誤り』ということわざがあるくらいですので大目にみるべきですよね。辛坊治郎さんが太平洋横断の本を出した時に間違いが山ほど出てきたというエピソードを辛坊さん自身がラジオで話されたことがあります。たくさん本を出している人でさえミスするわけですからこればかりはどうしようもありません。(こういうときこそAIの出番かもしれませんね。AIなら完璧に校正してくれそうな気がします。)
結び
何かとアンチから揚げ足を取られるスーツさん。
アンチのほとんどは鉄道で大儲けする姿勢が許せないという嫉妬の感情によるモノでしょう。ただスーツさんって全知全能の神ではないので今回指摘したようなミスをすることはもちろんあります。どうしても許せないのであれば彼の苦手とする分野で勝負すればいいだけのこと。足を引っ張るとか悪口を言うだけではなんの向上もしません。
スーツさんの本や動画を見て旅行の楽しさを学び、東海道五十三次についてもっと深く知ろうといろんな本を読む。繰り返し申しますが『スーツの東海道五十三次 自転車の旅』は旅行初心者向けの本であって私みたいな旅好きが重箱の隅をつつくために存在する本ではありません。動画や本をキッカケにして旅を楽しむ。それがスーツさんの望む一番の形ではないでしょうか。
カラー写真がふんだんに使われているんので本の価格はかなりお安いほうだと思いますよ。感想文は以上です。ご精読ありがとうございました。
追伸
東海道五十三次のレポートをnoteで書いている方はたくさんいらっしゃいます。良かったらそちらのほうもご覧になってみてください。面白いですよ!!
《了》
