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読書感想文「FACTFULNESS」


読書感想文シリーズ
「古都再見」葉室麟
「京の離宮と御所」JTBのムック
「まんがで読む徒然草・おくのほそ道」
「京都伝統文化の英語表現事典」
「京都ぎらい」井上章一
「京都地名の由来を歩く」谷川彰英
「FACTFULNESS」
「スーツの東海道五十三次 自転車の旅」
「京都写真館 なつかしの昭和20年~40年代」
「庭(にわ)を読み解く」白幡洋三郎



はじめに

「FACTFULNESS」は京都の現状やオーバーツーリズムを考える上で大変役に立つ本です。

京都は他府県から何かと「イヤミ」「イケズ」「高慢ちき」と言われがち。彼らの言っていることって私に言わせれば全て「エアプ」です。二ヶ月に一回ペースで京都観光してますけれど京都のお店や寺社仏閣でステレオタイプな対応をされたことは一度もありません。『FACTFULNESS』はこのようなヒドい偏見を見直すために書かれた本になります。

政治的に中道の人や10代&20代の若者向けで、極端に偏っている政治思想の人とか何らかの宗教に依存している人、あと偏屈で頑固な高齢者は読んでも頭の中に入らないでしょう。というかそもそも本を手に取らないような気がします。

反体制派の人たちはきっと『FACTFULNESS』を権力者に媚びた本だと思っているでしょうね。だって「世の中いいこともあれば悪いこともある」なんて理屈。権力を打倒する上でスゴく不都合ですもの。例えるなら「総理大臣を降ろしたところでどうにもならない。日本の社会システムが時代に合わなくなってきている。それが一番の問題なんだ」と主張したところで彼らは聞く耳を持ちません。全責任をリーダーに押し付ないと自分の番が回ってきませんからね。凝り固まった思想の人や権力闘争に明け暮れている人がこの本を読まないのは真実よりも大切なモノがあるからです。

《補足》

そんなわけで内容が内容だけに大変クセの強い感想文になっています。

もし以下の文章を読んで不快になった方はごめんなさい。悪意も考えを押し付ける意図も全くございません。「そういう考え方もあるんだなぁ」と思っていただければ幸いです。



統計データから社会を考える

私は高橋洋一さんのXポストやYouTubeをいつも観ています。左派大嫌い人間でおかしな右派の擁護をすることもありますが、統計&データに基づいた話や官僚時代の裏ネタを包み隠さず喋ってくださるので日本の政治機構を知る上で大変役に立っています。

FACTFULNESSの副題は「10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」ということで、社会のアプローチは高橋洋一氏の手法と酷似しています。数多ある高橋氏の実績で特筆すべきは獲得議席予測でしょうか。先の参院選では地上波最速で「自公過半数割れ」を予言しました。アメリカ大統領選挙では大手マスコミがハリス推しをする中、高橋氏は賭け市場を参考にしてアメリカ大統領選挙トランプ圧勝を予想し見事的中させました。

多くの日本人は「ギャンブル=ダメなもの」だと思い込んでいます。確かにギャンブルは身の破滅の原因になるし不法のオンラインカジノに多くの有名人がハマりました。皆様のご想像どおり大変危険なものです。ただギャンブラーは常日頃真剣にデータを集めています。倍率が低いということはそれだけ可能性が高くなるということを意味します。世論調査では隠れトランプというアンケートにウソをつく人が大量に発生しました。一方、賭け市場はお金を儲けるという欲望がありますので負ける側に賭けることは絶対にありません。世論調査よりも信憑性が高い賭け市場。これは現実なんです。

『FACTFULNESS』では統計データに基に真実に迫るという本ですが、多くの人が忌避するギャンブルを逆手に取ってトランプ大統領当選を予言した高橋氏。彼もまた思い込みを乗り越えてデータを基に正しく世界を見ようとしてます。



ネットメディアのウソ

最近陰謀論というのが流行っているそうですね。

実際はネットメディアが煽っているだけで本当に陰謀論にハマっている人は全人口の数パーセントほどしかないと私は思っています。仮に日本で一万人の陰謀論者がいるとしたらその1割がSNSで騒げば大流行しているように見えるでしょうね。

斎藤元彦氏が再当選した兵庫県知事選挙では40人規模のSNS部隊が活躍したという話がありました。たった40人で選挙結果を大きく変えることができると聞いてビックリしましたよ。参院選における参政党の大躍進もSNS戦術が上手くハマったと多くの専門家が見ています。保守派は石破総理の居座りを民主主義の崩壊だと訴えていますが、少人数によって情報操作される世界こそが民主主義の崩壊ではないでしょうか。

石破総理を擁護しているような文言ですが私は石破内閣を支持していませんよ。だって選挙期間中に突然不法外国人問題に取り組んだり外国免許切替の厳格化をしたんでしょ?やるべきことをこれまでまったくやってこなかったんだから首相不適格と言われて当然です。
ついでに申すと日本は議院内閣制だから石破氏の進退問題については自民党が決めることであって野党支持者の「石破辞めるな運動」は違和感しかありません。我々にできることは選挙で候補者と政党に投票をするだけです。内閣総理大臣は直接選挙で選ばれたヒトではありませんので制度的に「総理を辞めるべきか続けるべきか」を問う世論調査はチャンチャラおかしいと私は考えます。

《補足》



日本の歳出と80・20ルール

著書の中で一番「へえ」と思ったのは80・20ルールです。

参院選で争点になった財政問題もいい感じに80・20ルールを適用できるんですよね。国債と地方交付税交付金を除いた一般会計歳出の内訳を見てみると社会保障は80に該当します。国民の負担を減らすために一番すべきことは社会保障の見直しをする。これしかないんですよね。ただ『FACTFULNESS』によると日本の少子化は必然であって負担を減らせば子どもが増えるという考えは幻想に過ぎません。ネットでもそのことを指摘している人たちがいて先進国に限らず世界中で少子化になっているようなんです。

そもそも社会保障を大幅に減らせと叫んでいる国民の中で「自分は病気になっても手助け不要」と言える人は一体どれだけいるのでしょうか。成田悠輔氏が数年前に「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」と発言をされました。こういう過激発言をする人はだいたいアタマにブーメランが突き刺さっています。姨捨山を推し進めるのであれば言い出しっぺが最初に見本を示さなければなりません。それを実行できる肝のすわった政治家&評論家は現在どこにも見当たりませんけどね。



被災者のリアル

東日本大震災では多くの人が震災に遭いました。

しかし話題になるのはいつも福島第一原発事故と大津波被害の爪痕だけ。被災者一人ひとりの思いが知られることはありません。2018年大阪で台風第21号による戦後最大の暴風と最大震度6弱の地震が発生しました。私の家も被害が出ましたがもちろん他の人たちは知りません。真実はニュースで報道されているものだけではないのに世間はそれがすべてだと思い込んでいます。

メディアは新旧どちらも氷山の一角を映しているだけに過ぎません。何もないよりはマシという程度の存在です。じゃあ我々はどうすればいいのか。防災・減災対策で一番いい方法は近所の人達に出会ったら挨拶をする。行政の助けはもちろん必要ですけれども緊急時に寄り添ってくれるとは限りません。阪神大震災では近所の人たちや知人友人の手により多くの命が助かりました。いざという時のために笑顔で挨拶。それだけを心がけていれば割となんとかなります。近所の人に自分の存在を知ってもらうことで生存率はグッと上昇。共感してもらうことで心はかなり安らぎます。

手に届く範囲にあるものが一番真実に近いんです。



さいごに

『FACTFULNESS』はニーチェの思想と同じで正義を他人に押し付ける本ではありません。自己啓発を促すモノであって自分以外の誰かに真実はこうだと言いふらす聖書や経典ではないのです。

だってそうでしょ?

例えば独裁国家、カルト宗教、大手マスコミが「我々の言っていることは真実だ。だから我々に従うべきである。」と主張したらそりゃもう大変ですよ。世界を知る上で根本となる統計データが権力者によって捏造されたら真実は雲散霧消してしまいます。中国が発表している経済指標が実にわかりやすい例で「2025年上半期プラス5.3%は絶対にありえない」と専門家たちが警鐘を鳴らしています。


『FACTFULNESS』はかなり分厚い本ですが読みやすい文章になっているので中高生でも夏休み中に読み切れると思います。英語版も平易なので長文を学びたい受験生にもオススメ。この感想文を読んで興味を持った方はぜひ手にとってみてください。もちろん強制しませんよ。

以上です。ご精読ありがとうございました。



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追記

2025/08/04

『推薦図書』応募作品の中で、スキの週間一位を獲得しました。皆様ありがとうございます。感謝!!



《了》

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