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“安定した仕事の彼”を信じた結果、全部嘘でした。第三話

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第三話 見覚え

大きな喧嘩もなく、わたし達は仲良く過ごしていた。

ちなみに、私が専業主婦になる際にたてた目標は妊娠出産を目指すことだった。
「次の目標をたてて生活するように」
彼がだした提案だった。
しかし、この目標は一向に達成されることはなく毎年目標だけが更新されていった。

彼から生活費足りなくなったら言って
と言われていたが、私は申し訳なさをもっていたのでその中でやりくりをしていた。
やりくりをしていたはずなのに、“財布からお金が消えた”ときもあり
私は落としたのではないかと気を引き締めていたこともあった。

しかし最近は彼の方が少し使い過ぎたのか彼自身も節約傾向にあった。
そして、結婚生活が4年半を過ぎた頃その話は唐突に出てきた。

嘘が嫌いで、なんでも正直に話す彼。
彼はなぜか私には直接話してこず、「妻には内緒にしてくれ」と
私は人づてに聞いたのであった。

その内容は現実味がなくて、すぐには理解できなかった。

「通勤中に文句をつけられ、最初は無視をしていたが、相手がしつこくつきまとってきたため、軽く突き飛ばしてしまった。」
という内容だった。
そして__________
示談書を書かされ、お金が必要になった。
という話だった。

そんな事が本当に起こるなんて、頭が追いつかず
信じたい気持ちと不安が入り混じる。

「なんでそんな大事な話私に言ってくれなかったの」
「だから最近は節約傾向だったの」

今思えば、お金の辻褄が合わなくなり
彼は一つの理由を持ってきたのかもしれない。

「示談書をみせて」
「会社にある」

翌日彼はあっさりと示談書を持ってきた。
その紙を見た瞬間胸の奥がざわついた。
__________どこかで見たことある。

何度も見てきた字。
日常の中で当たり前のように目にした字。

ゆっくりと視線をおとす。
気づいてしまった。
これは_________________
彼の字だ。


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#創作大賞2026 #ホラー小説部門

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