組織労働が向いてない
僕は性格的に無駄が嫌いだから、会社員だったころ上司に「こうしたら生産性が上がるんじゃないか」と提案したことがある。
そりゃ、仕事が減るならこっちも得をすると思ったわけだけど、入社して数か月の若造の意見なんて通るわけがない。気分屋の上司からはスルーされるか否定されるのがオチで、しかも日によって態度が違うからこっちのほうが神経すり減らしてた。
お客さん対応はまだいいとして、社内営業がやたらキツかった。人に気に入られるのが苦手で、ああ、やっぱり僕は組織向きじゃないんだな、と思った。
そんなとき、転売ヤーのアメブロを見て衝撃を受けた。「会社員をしなくても生活できるんだ」と。
モラルとかは一旦置いておいて「アリ」なんだと。
15年くらい前だからまだ珍しい方だったけど、その人はヤフオクで中古品を仕入れてAmazonで売ったり、次に売れそうなCDやDVDを新品で買っては販売するようなスタイル。驚くことに従業員まで雇っていた。
そこから他に似たような情報はないのかと探してて、今は懐かしい雑誌『BIG tomorrow(ビッグトゥモロー)』をみつけた。
副業特集を読んだりして、「ネット=自由」という漠然としたイメージにどっぷり浸かった。
表紙からして(失礼だけど)ちょっと短絡的な人向けの大衆雑誌て感じだ。
さらに『BIG tomorrow』なのに表紙のコピーは、「自由に使えるお金が月30万円を超える人たちの凄い仕組み」。
今見ると『MINI tomorrow』がちょうどいい気がする。
けどとにかく、僕のいまの働き方の原型は、たぶんそこにあったんだと思う。しょぼいなりに、ネットとパソコンだけで自分の城を築くその姿勢に感銘を受けたんだろう。
だからなのか、それから数年後の30歳でストレッチ専門店を独立開業することになったときには、小さな達成感があった。
それに会社では人間関係に疲弊していたけれど、自己完結型のビジネスなので一気に気持ちはラクになった。
来る人は僕と感覚が近いからお互い楽でリピートしてくれるし、合わない人は自然に離れるというシンプルさと気楽さ。上司のために、数字を気にし過ぎなくていい快適感。
この快適性はいまのオンライン事業にも受け継がれている。誰とでも程よい距離を保てるし、細かいルールや人間関係に縛られなくて済む。
結局、組織労働って組織の中で「どうやって給料をもらうか」を競うゲームに近いし、それが得意な人もいれば僕みたいに苦手な人もいる。
だったら、ひとり社長としてやっていくほうがストレスが少ないし、自分のスキルを伸ばすだけでいい。もちろん慣れるまでは大変な部分もあるけど、煩わしい社内営業で疲弊するよりは、よっぽどラクだ。
15年前はネットビジネスの本を読んで「こんなことできるんだ」とワクワクした。けど実際にやり方を確立するまでには時間も体力も使った。
ただ、そのあいだに「僕が向いてないのは組織での労働だ」ということをはっきり知れたのは大きい。もし組織に最初からフィットしてたら、こんなふうに起業しようなんて思わなかっただろうから。
思えば失敗だらけだったけど、結果的にいまが一番自分らしくやれてる気がする。
最終的に「こっちのほうが向いてたんだな」って落ち着けるのは、いろんな遠回りのおかげかもしれない。
まぁこれからどうなるかはわからないけど、AIは賢くなってるし、これからは人型AIロボのヒューマノイドだって量産される。
僕のことだ、きっと1体くらい使ってみるだろう。
実は今更になって、いい感じにテクノロジーの恩恵を受けつつ、ちょうどいい感じでやれてるのかもしれない。
体調は悪いままだけど、絶望していた新社会人の頃よりはこれからが少しだけ楽しみだ。
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