

日本刀は武家の表道具として、生活の一部であったことから、長い間大切にされてきました。普段何気なく使っている言葉の中にも、日本刀が由来になっている四字熟語は数多くあります。刀剣にまつわる四字熟語をイラスト付きでご紹介します。
あ三種の神器に数えられる刀剣のこと。天皇家が受け継いできた皇位継承の証。
い仏像を彫る際に、一度彫るごとに三度礼をしたことから、深い敬意を持って仕事をすることを意味する。
一太刀で真っ二つに切り裂くことから、物事をためらわず、すみやかに処理することを意味する。
一刀両段とは、「一刀両断」の異形で、刀を一度振り下ろし、真っ二つに切断するという意味から「一刀両段」とも書く。ためらうことなく、物事をすぐさま決断すること。または、思い切り良く物事を解決することを意味する。
※一刀両断と一刀両段は同じ意味になります。
え切れ味の悪い鉛の刀でも、一回なら何かを断ち切ることができるように、
凡人にも一度くらいは力を発揮する機会があることを意味する。
か絡み合った麻をあっさりと断ち切るように、複雑な問題を華麗に解決することを意味する。
割鶏牛刀とは、取るに足りない小さなことを処理するのに、大げさな方法や人を用いることの例え。鶏をさばく際に、牛を切る大きな包丁を用いる意から付けられた。
名剣の名で、「干将」が呉の刀鍛冶、「莫邪」がその妻の名前。
き牛刀割鶏とは、「割鶏牛刀」(かっけいぎゅうとう)とも言い、小さな物事を裁くのに、大物や大げさな方法・手段などは必要ないということを意味する。
弓馬槍剣とは、武芸一般を指示した言葉。「弓」とは弓術、「馬」とは馬術、「槍」とは槍術、「剣」とは剣術のことを表している。
琴の心得も、武道の心得もあることから、
風流な心と強さをかね備えた人のことを意味する。
け剣酢漿草とは、家紋の名前で「かたばみ紋」の一種。3枚のかたばみの葉の間に剣先が配置されている。
剣や槍といった武器が立ち並んでいるような、激しい性格のことを意味する。
剣光帽影とは、「剣光」は剣の光、「帽影」は帽子の影を指し、整然と並ぶ軍隊の様子を示す。
地獄にあるとされる、無数の剣が上を向いて刺さっている山や、刀の林のこと。
剣璽渡御とは、譲位の際に歴代天皇が伝世している「剣璽」(けんじ)が先帝から新帝に渡ることを意味している。なお、剣璽とは草薙剣と八尺瓊勾玉、また、三種の神器の総称を指す。
剣樹地獄とは、地獄にある小地獄のひとつ。枝・葉・花などがすべて剣でできた木が林のように並んでいる場所で、全身を切られる。
剣樹刀山とは、剣でできた木、刀でできた山の上にいるかのような苦しみを表す。
剣付鉄砲とは、先端に剣を付ける小銃のこと。「銃剣」(じゅうけん)、「銃創」(じゅうそう)とも言う。
剣抜弩張とは、「弩張剣抜」(どちょうけんばつ)とも言い、戦いの前のような緊張した情勢のこと。
また、書道において筆の勢いが激しく、気迫があることも示す。
※剣抜弩張と弩張剣抜は同じ意味になります。
こ口では良いことを言いながらも、心の中では悪意があることを意味する。
小刀を用いて細工を施すように、小手先の策略を講じることを意味する。
刻舟求剣とは、「舟に刻みて剣を求む」とも読み、時代の移り変わりを知らず、古い慣習・方法・考え方にこだわり、融通が利かないことを言う。
し「紫電」とは、刀剣を一振りするときの光のことであり、事態の急激な変化を意味する。
「秋霜」とは、秋の霜が鋭く光る様子を表している。研ぎ澄まされた美しい刀剣の例え。
長期間、剣の技術をはじめとする武道の訓練をし、力を発揮できる機を待つことを意味する。
武道の腕を長期間磨き、活躍する好機を待つことを意味する。
偽りがなく本物であることを意味する。「正銘」はもともと、刀に正しい銘が刻まれていることを指す言葉。
笑顔の裏に刀を隠し持っている意から、見た目は柔和であるが、心の底はとても陰険なことを意味する。
「真剣」とは本物の刀のことであり、本気で勝ち負けを争うことを意味する。
す「錐刀」と呼ばれる小さな刀のように、わずかばかりの利益を意味する。
せ清くさわやかで、刀の材料である鋼のように強靭なさまを意味する。
そ熟練していない者が刀で錦を切ろうとすると、失敗して錦を傷つけてしまうことから、未熟な人に大切な仕事は任せられないことを意味する。
た短褐孤剣とは、「短褐」は身分の低い者が着る、丈の短い粗末な着物を指し、「孤剣」は1振の剣のことを示す。簡素な武装をした孤独な武士の例え。
単刀を持って一人で切り込むことから、物事の要点を突くこと。まわり道をしないですぐさま本題に入ることを意味する。
「湛盧」とは、中国の呉の王が持っていたとされる美しい剣のことであり、黒く澄んだ宝剣のこと。
ち智慧の剣とは、「智剣」(ちけん)とも言われ、煩悩を断つ「智慧の力」を剣と表現している。また文殊菩薩(もんじゅぼさつ)が持っている剣。
刀などで、音を立てて打ち合う様子のこと。転じて、激しい議論を行なうことを意味する。
て伝家宝刀とは、代々伝わっている家宝の名刀の意味が転じ、大切な場面でのみ用いられる物・手段のこと。大切な切り札を示す。
と山林を伐採し、草木を焼き払ったあとに種を蒔く農耕手段のこと。
刀が光り、剣の影が見える程、いつ争いが起こってもおかしくない切迫した状況のことを意味する。
刀山剣樹とは、無慈悲で残酷な刑罰のこと。「刀山」は刃部分を上にして立てられた刀の山、「研樹」は逆さの剣が林のように並んでいることを意味する。
刀、槍、矛、戟などの武器のこと。
刀や槍を通さない程の甲冑の兵士のことを指し、きわめて勇猛であることを意味する。
刀筆之吏とは、記録のための小官吏、また、下級役人のこと。古代中国では、書写の材料として使われた竹簡(ちくかん)に文字を記し、誤ると小刀を用いて削っていた。
弩張剣抜とは、「剣抜弩張」(けんばつどちょう)とも言い、戦いの前のような緊張した情勢のこと。
また、書道において筆の勢いが激しく、気迫があること。
※弩張剣抜と剣抜弩張は同じ意味になります。
刀を飲み込んで悪い部分を身体から削り取るように、心を入れ替えて善人になることを意味する。
な長刀で敵を払うように、相手に対してずさんな対応をすることを意味する。
は戦で使った武器を売って牛を買い、農業に精を出すこと。また、争いから離れて平和に暮らすこと。
買牛売剣とは、戦争をやめて農業を盛んにすること。また、武器を捨てて農業に取り組むことも表す。
※売剣買牛と買牛売剣は同じ意味になります。
ほ砲刃矢石とは、武力で戦う戦争を意味する言葉。「砲」は大砲、「刃」は刀、「矢」は弓矢、「石」は弩(ど、いしゆみ)に用いられる矢を意味し、すべての漢字が武器を表している。
み名字を名乗り、日本刀を持つという武士特有の権利が、功績などによって平民にも許されたこと。
も両刃之剣とは、相手に打撃を与えると同時に自分も損害を受けてしまう恐れがあること。また、使い方によっては有益な物も危険になってしまう可能性があることの例え。
諸刃之剣とは、「両刃之剣」に同じ。意味は、「両方に刃の付いている剣は、相手を切ろうと振り上げると自分も傷つく危険がある」ということに由来する。
※両刃之剣と諸刃之剣は同じ意味になります。
ゆ遊刃余地とは、物事に対し、余裕を持って処理するという例え。梁(6世紀前半の中国南朝の王朝)の料理人「庖丁」が、「巧みに肉と骨の間をさばけるので、余裕を持って牛を解体することができる」と話した故事に由来する。
り日本刀を振り下ろす閃光を、流星に例えたことから、一瞬のきらめきを意味する。
大小二つの刀のように、相反する二つの選択肢のうち、どちらを選んでも不利益が生じることを意味する。