刀剣・日本刀は、単なる武器としてだけでなく、邪気といった物から身を守る神聖な存在として、古くから愛され、独自の言葉が多く存在します。ここでは、刀剣・日本刀に関する用語をイラスト付きで解説します。
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刀剣・日本刀は特徴や作風、産地により5つの分類に分けることができます。 安土桃山時代以前の日本は、62の国に分かれており、刀剣・日本刀の作刀で代表的な5つの国の刀剣の特徴を「五箇伝」と呼び、それぞれが古刀の時代を代表とする作風となっています。
「五箇伝」の分類は、刀剣・日本刀の作刀を行っていた刀工達自身が称していたわけではなく、あくまでも後世に刀剣・日本刀研究が進められていく中で作り出されたもの。しかし、師匠から弟子、さらにその弟子へと地域独自の作風が伝えられただけではなく、それらを習得した刀工が別の地域へ移住することで、各伝法に様々な流派が生まれて発展を遂げ、高い技量を持つ名工が世に送り出されていったのです。五箇伝それぞれの成り立ちや特徴を知ることは、刀剣・日本刀の歴史のみならず、刀剣・日本刀そのものへの理解を深める第1歩となります。
刀剣・日本刀の作刀において欠かせないのは、刀工の存在です。ここでは、刀剣・日本刀の作刀において代表的な刀工や、有名な作品を多く輩出した一派についてご紹介します。
長い刀剣・日本刀の歴史には、著名な刀工が数多くいました。彼らがその高い作刀技術を弟子達に伝えていったことで、現代にまで残る刀剣・日本刀の名品が生まれたのです。その刀工一人ひとりが持っていた作風を見極めることが、刀剣・日本刀鑑賞の面白さのひとつだと言えます。
粟田口吉光
あわたぐちよしみつ江戸三作
えどさんさく長船三作
おさふねさんさく長船四天王
おさふねしてんのう尾張三作・三傑
おわりさんさく・ さんけつ景光
かげみつ郷義弘
ごうのよしひろ後藤家
ごとうけ五郎入道正宗
ごろうにゅうどうまさむね貞宗
さだむね貞宗三哲
さだむねさんてつ真長
さねなが左安吉
さのやすよし三条宗近
さんじょうむねちか志津三郎兼氏
しづさぶろうかねうじ天下三作
てんがさんさく長曾祢興里虎徹
ながそねおきさとこてつ長光
ながみつ日本三名匠
にほんさんめいしょう長谷部国重
はせべくにしげ本阿弥家
ほんあみけ孫六兼元
まごろくかねもと正宗十哲
まさむねじってつ村正
むらまさ

刀剣・日本刀は、「国宝」や「重要文化財」といった国から指定される鑑定区分だけでなく、公益財団法人「日本美術刀剣保存協会」によって定められる鑑定区分が存在します。ここでは、刀剣・日本刀に付けられる鑑定区分についてご紹介します。
刀剣・日本刀の鑑定区分に使われる用語の中には、耳慣れない言葉もあるかもしれません。しかし、これらは、膨大な数の刀剣・日本刀について審査を行ってきた実績に基づいて作成された、資料などによって認定されている区分。刀剣・日本刀におけるランク付けとしての単なる用語であるだけでなく、刀剣・日本刀初心者の方にとって、その価値を判断する手助けとなる役割も果たします。
刀剣・日本刀は、刀自身の美しさもさることながら、外装である刀装に用いられている品々も数々の趣向が凝らされています。ここでは、刀装のポイントごとに用いられている名称をはじめとした用語についてご紹介します。
「拵」(こしらえ)とも呼ばれる刀剣・日本刀の「刀装」は、刀身を携帯するのはもちろん、保管や保護のために必要不可欠な物。ひとくちに「刀装」と言っても、様々な技法や部品が用いられ、それらは、刀剣・日本刀を所有したり佩用(はいよう:体に付けて用いること)したりする人の身分や好み、そして時代ごとの流行に合わせて変化しているのです。刀装具(とうそうぐ:拵に附属する部品)それぞれの詳細が分かれば、刀装の各部位の見どころについても着目できるようになります。
青貝微塵塗
あおがいみじんぬり足・根
あし・ね足金物
あしかなもの足間
あしま沃懸地塗
いかけじぬり厳物造太刀
いかものづくりのたち・いかのあたま石突金物
いしづきかなもの石目地塗
いしめじぬり一の足
いちのあし糸巻太刀
いとまきたち打鮫
うちざめ腕貫緒(手抜緒)
うでぬきお(てぬきお)漆柄
うるしづか応仁鍔
おうにんつば大切羽
おおせっぱ帯執
おびどり返角
かえりづの掛巻
かけまき頭
かしら肩
かた片手巻
かたてまき頭椎大刀
かぶつちのたち冑金
かぶとがね唐鍔
からつば革先金物
かわさきかなもの瓦金
かわらがね環
かん栗形
くりがた鯉口
こいくち笄
こうがい笄櫃孔
こうがいびつあな黒漆白金物太刀
こくしつしろかなもの たち黒漆太刀
こくしつたち拵
こしらえ鐺
こじり小柄
こづか小柄櫃孔
こづかびつあな棹
さお下緒
さげお鮫皮
さめかわ鞘
さや鞘尻
さやじり猿手
さるで地板
じいた鵐目
しとどめ蛇腹巻
じゃばらまき責金
せきがね切羽
せっぱ反り柄
そりづか太鼓金(文金)
たいこがね(もんがね/ぶんきん)太鼓革
たいこがわ太刀緒(佩緒)
たちお(はきお)太刀鎺
たちはばき俵鋲
たわらびょう力金
ちからがね柄
つか柄下地
つかしたじ柄巻
つかまき鍔
つば摘巻
つまみまき露先金(雫金)
つゆさきがね(しずくがね)長金物
ながかなもの茎櫃
なかごびつ梨子地塗
なしじぬり七ツ金
ななつがね錦地
にしきじ二重鎺
にじゅうはばき二の足
にのあし抜穴
ぬけあな鎺
はばき菱巻
ひしまき捻巻
ひねりまき平巻
ひらまき蛭巻塗
ひるまきぬり笛巻塗
ふえまきぬり覆輪
ふくりん縁
ふち縁頭
ふちがしら蒔絵
まきえ三所物
みところもの耳
みみ耳掻
みみかき目釘
めくぎ目貫
めぬき文金
もんがね櫓金
やぐらがね山形金物
やまがたかなもの寄鏨
よせたがね螺鈿
らでん蝋色塗
ろいろぬり渡巻
わたりまき割笄
わりこうがい・さきこうがい

刃中の働きとは、刃文に加えて刀剣・日本刀の刃に見られる文様であり、刃文と同じく刀匠の特徴や技量を示すポイントです。ここでは、代表的な刃中の働きについてご紹介します。
刃中の働きは、刀剣・日本刀の作刀における焼き入れの際、その温度や刀身に乗せられた「焼刃土」(やきばつち)の調節具合などの影響を多分に受けます。そのため、刀工の技量に大きく左右されるところであり、また、刃中に生じる働きが多彩であればあるほど、刀剣・日本刀の材料である「鋼」(はがね)が、よく精錬されていることを示しているのです。刃中の働きを表すには独特の表現が用いられますが、これらを十分に理解することが、より豊かな刀剣・日本刀鑑賞に繋がります。
刃文は、時代や流派、個々の刀匠の特徴や技量の高さを示しており、様々な文様が種類としてあります。ここでは、代表的な刃文の種類についてご紹介します。
刀身を鑑賞するとき、いちばんに目に付く箇所である「刃文」。その形状は各刀工によって異なるため、刀剣・日本刀の鑑賞や鑑定において最も優先され、見どころにもなる部分です。刃文は「直刃」(すぐは)と「乱刃」(みだれば)の2種類に大別され、まずはこの違いを知ることが、刃文について知る入口。特に乱刃と言われる刃文は種類が豊富にあり、その名称は、様々な物の形になぞらえて付けられています。
足長丁子
あしながちょうじ虻の目
あぶのめ大乱れ刃
おおみだれば片落ち互の目風
かたおちぐのめふう蛙子丁子
かわずこちょうじ蛙子丁子乱れ
かわずこちょうじみだれ互の目
ぐのめ互の目丁子
ぐのめちょうじ互の目乱れ
ぐのめみだれ腰
こし腰刃
こしば腰開互の目
こしひらきぐのめ小乱れ刃
こみだれば三本杉
さんぼんすぎ重花丁子
じゅうかちょうじ重花丁子乱れ
じゅうかちょうじみだれ数珠刃風
じゅずばふう直崩れ刃
すぐくずれば直刃
すぐは簾刃
すだれば玉
たま丁子
ちょうじ丁子足
ちょうじあし丁子乱れ
ちょうじみだれ濤瀾刃
とうらんば尖り刃
とがりば沸出来
にえでき沸本位
にえほんい匂口
においぐち匂出来
においでき匂本位
においほんい鋸刃
のこぎりば湾れ
のたれ箱乱刃
はこみだれば刃区焼込み
はまちやきこみ刃文
はもん皆焼
ひたつら広直刃
ひろすぐは袋丁子
ふくろちょうじ細直刃
ほそすぐは乱刃/乱れ刃
みだれば棟焼
むねやき焼き落とし
やきおとし焼き出し
やきだし焼きの頭
やきのかしら焼きの谷
やきのたに焼刃
やきば矢筈刃
やはずば

地鉄とは、刀剣・日本刀における鉄そのものの材質や文様を総合した言葉であり、木目のような見た目を示します。ここでは、地鉄に現れる種類や特徴についてご紹介します。
「地鉄」に見られる美しい文様は、刀剣・日本刀の作刀において最も重要な工程のひとつである「折り返し鍛錬」(おりかえしたんれん)によって現れ、「地肌」(じはだ)と呼ばれます。地肌には、刃文同様に数多くの種類があり、それらが複数組み合わさって現れるのが通常。この地肌の現れ方は、鍛錬の際に行う折り返しの方法で決まり、その方法は、伝法によって異なっているのです。そのため刀剣・日本刀鑑賞の際には、地鉄に注目することも、伝法や流派を推測する糸口になります。
刀工の個性が表れやすい場所としても知られている「帽子」。刀剣・日本刀の見どころや華のひとつと言われている、帽子の用語をご紹介します。
「帽子」は、刀工の個性が表れる部位であると同時に、その技量の良し悪しが顕著になる部位でもあります。帽子が入れられる部位である「鋒/切先」(きっさき)が、刀身の中で最も範囲が狭い箇所であり、その焼き入れには高い技術が求められることがその理由。また、帽子における乱込(みだれこみ)の具合や形状は、「古刀」(ことう)や「新刀」(しんとう)など、大まかな時代を判別する指標にもなります。
刀剣・日本刀は、数百年というときを経て現代に受け継がれている作品が数多くあります。次代に刀剣・日本刀を受け継ぐために必要な手入れの道具などについてご紹介します。
一見難しいように思われる刀剣・日本刀の手入れ方法。しかし、こちらで取り上げる道具をきちんと揃えれば、誰でも簡単に行うことが可能。刀剣・日本刀の手入れを定期的に行えば、研磨したばかりのような刀身の美しさを長きに亘って維持することができるのです。また、錆の有無を確認する目的もあり、同時に鑑賞も多く行われます。すなわち、刀剣・日本刀の手入れは、実際に刀剣・日本刀を手に取り、刀剣・日本刀の細部にまで及ぶ美しさを実感できる機会にもなるのです。
刀剣・日本刀に関連する出来事や刀剣・日本刀を称する独自の表現は数多くあります。ここでは、刀剣・日本刀に関する用語についてご紹介します。
刀剣・日本刀関連の用語は非常に多く、そのすべてを正しく理解するのは難しく思われるかもしれません。しかし、これらの用語は、刀剣・日本刀そのものやその情報に触れる機会を増やせば増やすほど、少しずつ覚えていくことができます。刀剣・日本刀の持つ魅力を表現するのに、そして知るために欠かせないこれらの用語を知り、刀剣・日本刀鑑賞の持つ醍醐味をぜひ堪能してみましょう。
赤羽刀
あかばねとう荒沸
あらにえ打刀
うちがたな内反り
うちぞり映り
うつり裏銘
うらめい大磨上げ無銘
おおすりあげむめい大太刀
おおだち大薙刀
おおなぎなた大業物
おおわざものおそらく造
おそらくづくり表銘
おもてめい折返し銘
おりかえしめい折紙
おりがみ懐剣・懐刀
かいけん・ふところがたな海部刀
かいふとう額銘
がくめい片切刃造
かたきりはづくり片手打ち
かたてうち片手剣
かたてけん刀狩り
かたながり刀銘
かたなめい鎌槍
かまやり環頭大刀
かんとうのたち冠落造
かんむりおとしづくり菊池槍
きくちやり偽銘
ぎめい切刃造り
きりはづくり極め
きわめ金象嵌銘
きんぞうがんめい銀象嵌銘
ぎんぞうがんめい金粉銘
きんぷんめい慶長新刀
けいちょうしんとう毛抜太刀
けぬきだち剣
けん・つるぎ現代刀
げんだいとう腰刀
こしがたな腰反り
こしぞり小太刀
こだち古刀
ことう小沸
こにえ最上大業物
さいじょうおおわざもの截断銘
さいだんめい冴える
さえる先反り
さきぞり差裏
さしうら差表
さしおもて刺刀
さすが可然物
しかるべきもの地中の働き
じちゅうのはたらき地沸
じにえ鎬造り
しのぎづくり銃砲刀剣類登録証
じゅうほうとうけんるいとうろくしょう朱銘
しゅめい上古刀
じょうことう菖蒲造
しょうぶづくり所持銘
しょじめい新々刀
しんしんとう新刀
しんとう新刀七上作
しんとうななじょうさく新刀四作
しんとうよんさく直槍
すやり寸延短刀
すんのびたんとう全長
ぜんちょう底銘
そこめい反り
そり帯刀
たいとう筍反り
たけのこぞり竹光
たけみつ太刀
たち太刀銘
たちめい試し銘
ためしめい短刀
たんとう直刀
ちょくとう疲れ
つかれ詰む
つむ天下五剣
てんがごけん刀剣復古論
とうけんふっころん中反り
なかぞり長銘
ながめい薙刀
なぎなた薙刀直造
なぎなたなおしづくりなまくら
なまくら沸
にえ匂
におい二字銘
にじめい寝刃
ねたば鋸造り
のこづくり野太刀
のだち佩刀
はいとう廃刀令
はいとうれい踏張り
ふんばり鉾
ほこ真砂沸
まさごにえ乱映り
みだれうつり峰打ち
みねうち無反り
むぞり棟を卸す
むねをおろす無銘
むめい銘
めい名物
めいぶつ槍
やり良業物
よきわざもの鎧通し
よろいどおし両手剣
りょうてけん脇差
わきざし業物
わざもの湾刀
わんとう

刀剣・日本刀は作刀過程において、様々な過程を経ることが他国の一般的な刀剣類と比較して異なるポイントです。ここでは、刀剣・日本刀がどのような過程を経て作刀されるかの工程と、その工程が必要な理由について説明いたします。
刀剣・日本刀を作刀する過程は、先人の刀工達が試行錯誤を重ねて発展させた言わば努力の結晶。そしてその一つひとつに、刀剣・日本刀を強靭で美しくするための役割があります。また、刀剣・日本刀の作刀には、刀身を作る刀工のみならず様々な職人が、かかわっているのです。作刀の用語を知れば、武具である刀剣・日本刀が、日本の伝統工芸の技術を結集した「鉄の芸術作品」でもあることが分かります。
刀剣・日本刀は、その姿かたちの中に、様々な部位が存在し、独特の名称が与えられています。ここでは、各部位の名称についてご紹介します。
刀剣・日本刀の部位の名称を知ることは、刀剣・日本刀鑑賞の出発点です。また、同じ部位であっても、その形状などによって細かな違いがあり、それぞれに異なる名称が付けられています。このような刀剣・日本刀の各部位に、作刀の時代や流派、そして作者となる刀工などを窺い知るヒントが詰まっているため、刀剣・日本刀鑑賞における最も重要なポイントであると言えます。
庵棟
いおりむね猪首切先
いくびきっさき入山形
いりやまがた生ぶ茎
うぶなかご大筋違
おおすじかい大磨上げ/大摺上げ茎
おおすりあげ/おおすりあげなかご角棟
かくむね重ね
かさね片筋違
かたすじかい勝手下り
かってさがりかます切先
かますきっさき上身
かみ雉子股形
きじももがた鋒/切先
きっさき切先両刃造
きっさきもろはづくり切り(茎尻)
きり切り(鑢目)
きり口金物
くちかなもの倶利伽羅
くりから栗尻
くりじり化粧
けしょう剣形
けんぎょう小鎬筋
こしのぎすじ腰樋
こしび御幣形
ごへいがた鵐目金具
しとどめかなぐ鎬・鎬筋
しのぎ・しのぎすじ鎬地
しのぎじ筋違
すじかい磨上げ/摺上げ茎
すりあげ/すりあげなかごせんすき
せんすき添樋
そえび鷹ノ羽
たかのはたなご腹形
たなごはらがた中鋒/中切先
ちゅうきっさき散
ちり連樋
つれひ刀身
とうしん茎
なかご茎先
なかごさき茎尻
なかごじり刃長
はちょう鎺下
はばきした刃縁
はぶち刃区
はまち刃渡り
はわたり樋
ひ平地
ひらじ平造り
ひらづくり平肉
ひらにくふくら
ふくら二筋樋
ふたすじひ船形
ふながた振袖形
ふりそでがた棒樋
ぼうひ彫物
ほりもの梵字
ぼんじ区
まち区送り
まちおくり丸棟
まるむね三つ頭
みつがしら三ツ角
みつかど三つ棟
みつむね身幅
みはば棟
むね棟区
むねまち目釘穴
めくぎあな物打
ものうち鑢目
やすりめ横手・横手筋
よこて・よこてすじ

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