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花を飾る── 季節をほんの少し先取りする

正月飾りを片づけたばかりだというのに、
花屋の店先にはもう、春の花が並び始めている。

チューリップ、ラナンキュラス、スイートピー。

私は、この時期の花屋がいちばん好きだ。
コートの襟元をきゅっと閉じたくなるほど寒いのに、花屋の前だけ、ふわっと明るくて暖かい。
春はまだまだ先、と頭ではわかっているのに、ついわくわくしてしまう。

気に入った花を一輪、二輪。
小さな束にしてもらう。
ほんの少しだけ早く、春を持ち帰るように。
その感じが、なんだかいい。

花瓶に挿してテーブルに置けば、窓の外は冬のままなのに、部屋の中だけ季節が進む。

朝、花瓶の水を替える。
少しずつ開いていく蕾を眺める。
昨日より花びらが開いているだけで、ちょっとうれしい。

外はまだ寒い。
天気予報にも、雪だるまのマークが出ていたりする。

それでもテーブルの上には、春。

季節は、待っているだけではなく、
ときどきこちらから迎えにいってもいいのかもしれない。



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