芦屋でよみがえる、モダン文化の記憶 ── 谷崎潤一郎記念館
文と絵が出会った街で、静かなモダンの余韻をたどる
関東大震災をきっかけに関西へ移った谷崎潤一郎は、この地の空気と人々にすっかり魅せられたという。

門をくぐると、等身大の谷崎パネルが穏やかに迎えてくれる。
思っていたよりも小柄で、優しい笑み。教科書で見たあの肖像とは、ずいぶん印象が違う。
再現された四畳半の書斎には、硯箱や原稿のレプリカが静かに置かれ、まるで筆を休めて席を立ったばかりのよう。
無駄のない整った空間に、彼の美意識の芯が感じられる。
庭に出ると、池の錦鯉がゆったりと泳いでいた。
時代の移ろいを、どこ吹く風と受け流すように。
すぐ隣には、洋画家・小出楢重のアトリエ。
谷崎作品『蓼喰ふ蟲』の挿絵を手がけた彼もまた、阪神間モダニズムを象徴する存在。
文と絵、和と洋──異なる感性がこの街で静かに交わり、今の芦屋らしい洗練が育まれていったのだと思う。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
少しでも響くものがあれば、“スキ”で教えていただけるとうれしいです。
この街のもうひとつの“静かなモダン”をたどってみませんか。
同じ芦屋の地で、美と時代の記憶を受け継ぐふたりの芸術家を訪ねました。
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