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小出楢重アトリエ ── 阪神間モダニズムが息づく、小さな建築

芦屋市立美術博物館の前庭、その木立の奥にひっそりと佇む小さな家。
ここが、洋画家・小出楢重のアトリエだ。

1926年に建てられ、1990年に移築・復元された

瓦屋根と白壁、そして柱の格子模様が印象的。
どこかヨーロッパの山小屋のようでもあり、和の静けさも感じさせる、不思議な佇まい。

設計は、阪神間モダニズムを代表する建築家・笹川慎一。和洋折衷のハーフティンバー様式に、当時の空気と感性がそのまま息づいている。

このアトリエが今もここにあるのは、弟子であり画家でもあった山崎隆夫のおかげだ。師の没後、山崎はこの建物を買い取り、自らのアトリエとして住み継いだ。もし彼がいなければ、この光に満ちた空間は、失われていたかもしれない。

吹き抜けの壁一面に広がる窓から、柔らかな光が差し込む。そこには、小出が使っていたテーブルや椅子、果物や花々のモチーフが並び、画家が絵筆を取っていた時間のぬくもりが、今も静かに残っている。

併設のカフェでコーヒーを飲みながら、その光をただ眺めていると、芸術を受け継ぐということが、どれほど静かで、尊い営みなのか──胸の奥でそっと、そんな思いが広がっていく。


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アトリエを受け継いだ弟子の足跡をたどるなら、こちらの記事をどうぞ。
特別展『山崎隆夫 その行路』を訪ねて。

芦屋に息づく“モダン文化”をもう一歩だけたどるなら、谷崎潤一郎記念館もどうぞ。





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