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【薬剤師が解説】美容液でヒリヒリ・赤みが出たら?最初の対応と相談の目安

「美容液を塗ったら、肌がヒリヒリする……」

「赤くなったけれど、効いている証拠?使い続けていいの?」

肌のために始めたスキンケアで違和感が出ると、何をすればいいのか迷いますよね。

そんなときは、異常が出た製品を中止し、症状の経過を確認することから始めましょう。

今回は、ドラッグストアで働く薬剤師の視点から、最初の対応、保湿の考え方、「好転反応」「A反応」との向き合い方、皮膚科へ相談したい目安をまとめます。

※一般的なスキンケア情報です。個別の症状の診断や治療を行うものではありません。

息苦しさ、舌・喉の腫れ、意識が遠のく感じがある場合は、記事を読み進めず119番へ。 重いアレルギー反応の可能性があります。参考:NHS「Anaphylaxis」

1.まずは、異常が出た美容液を中止する

ヒリヒリ、赤み、かゆみ、腫れなどが出たら、その美容液を中止しましょう。

塗った直後で肌に残っている場合は、こすらず、やさしく洗い流します。

「落としきらなければ」と何度も洗ったり、スクラブでこすったりする必要はありません。

ほてりやかゆみが気になる場合は、冷たい水でぬらして絞った清潔なタオルを、軽く当てる方法があります。症状が強い場合や悪化している場合は、受診を優先してください。参考:米国皮膚科学会のセルフケア解説

別の美容液を重ねて様子を見る前に、まず使うのを止めることが大切です。 使用後の皮膚反応への対応は、米国皮膚科学会の解説でも案内されています。

2.「今まで平気だったもの」でも原因になる?

肌のトラブルには、物質による刺激や、特定の物質へのアレルギーなどが関係することがあります。

物質が触れて起こる皮膚の炎症を「接触皮膚炎」といい、一般に「かぶれ」と呼ばれます。ただし、赤みやヒリつきがすべて接触皮膚炎とは限りません。 参考:NHS「Contact dermatitis」

振り返りたいのは、次の点です。

* 新しい製品を使い始めたか
* 使用量や使用頻度を増やしたか
* 美容液や角質ケアを追加したか
* 洗顔やクレンジングで強くこすっていないか
* 顔以外にも、かゆみや発疹がないか

また、長く使っていた製品でも、後からアレルギーが起こることがあります。

反応が数時間〜数日後に出ることもあるため、最後に塗った製品だけが原因とは限りません
参考:米国皮膚科学会の接触皮膚炎解説

「この成分が入っているから原因はこれ」と、成分表だけで決めつけないようにしましょう。

3.保湿はしていい?何を塗ればいい?

乾燥への保湿は大切ですが、今の肌に刺激なく使えるかを確認する必要があります。

これまで問題なく使えていた保湿剤があり、塗ってもしみない場合は、製品の説明に従ってやさしく使う方法があります。

一方で、保湿剤でも刺激が起こることはあります。塗るとしみる、赤みが増す場合は使用を中止し、医師や薬剤師へ相談してください。参考:NHS「Contact dermatitis — Treatment」

このとき、化粧水・美容液・乳液・クリームをすべて重ねることを目標にしなくて大丈夫です。

「CICA」「植物由来」なら使ってよい?

「肌によさそう」というイメージだけで、新しい製品を追加するのは控えましょう。

植物由来の成分を含む製品でも、肌に反応が出る可能性があります。成分のイメージだけで、赤みがある肌にも使えるとは判断できません。
参考:米国皮膚科学会のスキンケア製品解説

保湿成分を詳しく知ることと、今の症状への対応は分けて考えましょう。

4.「好転反応」「A反応」なら我慢する?

ネット上では、使用後の赤みや皮むけを「好転反応」「A反応」と説明することがあります。

それぞれの言葉について、この記事では次のように整理します。

「好転反応」とは?

美容情報では、「よくなる途中に一時的に調子が悪くなる」という意味合いで使われることがあります。

ただし、美容液を使ったあとの赤みやヒリつきを、「肌がよくなるために必要な反応」と決めつけることはできません。

「好転反応だから続けて大丈夫」という説明だけで、使用を続けないようにしましょう。

「A反応」とは?

レチノールなどのビタミンA関連成分を使った際の、乾燥、赤み、ヒリつき、皮むけなどを指して使われる呼び名です。

レチノールを含む製品で刺激が起こることはありますが、「A反応」という言葉だけでは、症状の原因や程度はわかりません。 レチノイドによる刺激や使用上の注意は、米国皮膚科学会の解説でも取り上げられています。

使用後の症状には、刺激やアレルギーなどが関係する場合もあり、自分で見分けようとしすぎないことが大切です。

赤みや皮むけを、効果が出ている証拠として我慢する必要はありません。

使用後に異常が出た化粧品は中止し、症状が続く場合は皮膚科で相談しましょう。
参考:米国皮膚科学会の皮膚反応への対応

なお、処方されたニキビ治療薬などは、化粧品とは使い方や対応が異なります。薬の使用中に刺激が出た場合は、処方時の説明を確認し、処方医や薬剤師へ相談してください。

5.どんなときに皮膚科へ相談する?

次のような場合は、化粧品を変えて対処し続けず、皮膚科へ相談しましょう。

使用を中止しても、赤みやヒリつきが続く
同じような症状を繰り返す
症状が強い、または悪化している
原因がわからず、何を使えばよいか困っている

接触皮膚炎では、原因を確認して避けることに加え、治療が必要になる場合もあります。
参考:NHS「Contact dermatitis」

強い腫れ、水ぶくれ、ただれ、強い痛みがある場合は、早めに受診してください。

冷やして一時的に軽くなっても、症状を繰り返す場合は相談が必要です。
参考:米国皮膚科学会の接触皮膚炎解説

6.薬剤師・医師に伝えると役立つメモ

相談するときは「美容液が合わなかった」だけでなく、何を使い、いつ、どこに症状が出たかを伝えると、状況を整理しやすくなります。

メモしておきたいのは、次の項目です。

* 製品名と、使い始めた日
* 塗った場所・量・頻度
* 同じ日に使った化粧品
* 使用中の塗り薬や飲み薬
* 塗ってから症状が出るまでの時間
* 赤み・かゆみ・ヒリつき・腫れの有無
* 使用を中止したあとの変化

容器や成分表示の写真、症状が出たときの写真も、相談時の情報になります。

皮膚科では、診察に加え、使用製品や生活状況などを聞き取り、原因を調べていきます。参考:米国皮膚科学会の診断・治療解説

薬剤師には、使用中の薬との関係や製品の注意事項について相談できます。原因の診断が必要な場合は、皮膚科で相談しましょう。

パッチテストは、かぶれの原因を調べる検査

医療機関で行うパッチテストは、アレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)の原因となる物質を調べるための検査です。

症状や使用製品の聞き取り、診察の結果を踏まえ、医師が必要と判断した場合に行います。

すべての人に必要な検査ではなく、検査をしても原因が特定できない場合があります。
参考:米国皮膚科学会のパッチテスト解説

家庭で化粧品を少量試すことは、この検査とは異なります。

少量で反応が出なくても、顔全体への使用や継続使用の安全性を保証するものではありません。

7.落ち着いたら、同じ美容液を再開していい?

赤みが引いたことだけで、その製品が使えると判断しないようにしましょう。

異常が出た製品を、自分で何度も塗り直して確認することは避けてください。

米国皮膚科学会は、新しいスキンケア製品で皮膚反応が出た場合、やさしく洗い流し、その製品を再使用しないよう案内しています。
参考:米国皮膚科学会「How to test skin care products」

再使用を考える場合は、製品名と症状の経過を皮膚科で伝えて相談しましょう。

今後、新しい製品を取り入れるときは、一度にいくつも変えず、一つずつ確認すると経過を整理しやすくなります。

まとめ

美容液でヒリヒリや赤みが出たときは、まず次の3つを意識しましょう。

・異常が出た製品を中止する
・新しい製品を追加する前に、今の肌の状態を確認する
・症状が続く・強い・繰り返す場合は、皮膚科へ相談する


「好転反応」「A反応」という言葉だけで、使い続けてよいと判断しないことも大切です。

肌のためのスキンケアで、つらさを我慢する必要はありません。

「何を足せばよくなるか」と考える前に、使っているものと症状の経過を整理してみましょう。相談するときも、その情報が役立ちます。

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参考文献・参考資料

1.新しいスキンケア製品と皮膚反応への対応

American Academy of Dermatology(米国皮膚科学会)

https://www.aad.org/public/everyday-care/skin-care-secrets/prevent-skin-problems/test-skin-care-products

使用後に異常が出た場合の対応、植物由来成分への注意、新しい製品を試す際の考え方を参照しました。

2.接触皮膚炎の概要

NHS(英国国民保健サービス)

https://www.nhs.uk/conditions/contact-dermatitis/

刺激やアレルギーによる皮膚炎、症状、相談の目安について参照しました。

3.接触皮膚炎のセルフケア

American Academy of Dermatology

https://www.aad.org/contact-dermatitis-tips

冷たいタオルの使用、保湿、遅れて起こる反応、長く使っていた製品でも反応が出る可能性について参照しました。

4.接触皮膚炎の治療と保湿

NHS

https://www.nhs.uk/conditions/contact-dermatitis/treatment/

原因を避けること、保湿剤の使用と刺激が出た場合の対応について参照しました。

5.レチノイド・レチノールの使用上の注意

American Academy of Dermatology

https://www.aad.org/public/everyday-care/skin-care-secrets/anti-aging/retinoid-retinol

レチノールを含む製品の刺激や、肌の状態に応じた使用上の注意を参照しました。

※「好転反応」「A反応」という日本語の呼び名を定義する資料ではありません。

6.接触皮膚炎の診断と治療

American Academy of Dermatology

https://www.aad.org/public/diseases/eczema/types/contact-dermatitis/treatment

使用製品・生活状況の聞き取り、原因の確認、必要に応じた検査について参照しました。

7.医療機関で行うパッチテスト

American Academy of Dermatology

https://www.aad.org/public/diseases/eczema/types/contact-dermatitis/patch-testing-rash

パッチテストの目的、方法、検査が必要となる場合や、原因を特定できない場合があることについて参照しました。

8.重いアレルギー反応の症状

NHS

https://www.nhs.uk/conditions/anaphylaxis/

呼吸困難や舌・喉の腫れなど、緊急対応が必要な症状について参照しました。本文の救急番号は日本の119番に置き換えています。



※海外資料の医薬品の扱いや医療制度は、日本と異なる場合があります。

※特定の商品・成分の効果や安全性を保証するものではありません。製品の使用方法・注意事項に従い、異常が出た場合は使用を中止してください。

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