『Beep21』真・セガハード列伝 ─ マルコン開発物語・第4話─試作されたサンプルコントローラーの数々─
まえがき
動き始めたセガ初のアナログコントローラー開発プロジェクト。
第1話はプロジェクトスタートの話。第2話は、部品メーカーにアナログ入力デバイスの打診を開始しました。第3話では、ソフト開発部門からどのようなアナログコントローラーが望ましいのか、考えを示してもらいました。
今回の第4話では、我々設計側から様々なサンプルを作って、実際に触ってもらいます。サンプルを触ってイメージを膨らませ、操作性などを確認してもらうことで、アナログコントローラーの企画をまとめていきます。形がないものを空想であれこれ語っていても、みんなの意見は合いません。できるだけ多くのサンプルを作成して、触って、体験して、意見の真意を考えていきます。

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◆第3話までの史実の整理◆
1995年7月21日
任天堂バーチャルボーイ発売
1995年11月24日
ファミコンスペースワールド'95でNINTENDO64発表
アナログコントローラーとプレイアブルなスーパーマリオ64を初公開
1995年11月24日
セガサターン版バーチャコップ、バーチャガン発売
1995年12月5日
NiGHTS開発チームを中心にソフト開発部門でアナログコントローラーの企画が話し合われ、アナログコントローラー「C-01」の開発がスタート。(第1話)
1995年12月中旬
アナログ入力デバイスの提案を各部品会社に依頼。(第2話)
1995年12月中旬
ソフト開発部門からのアナログコントローラーのアイデア収集(第3話)
1995年12月14日
任天堂本社にて、NINTENDO64の説明会を開催
1996年3月8日
NINTENDO64発売延期発表。※4月21日から6月23日へ
1996年6月23日
NINTENDO64発売。マリオ64発売
1996年7月5日
セガサターン「NiGHTS」発売
アナログコントローラー「マルチコントローラー」発売
とにかくサンプルを作ろう(1995年12月下旬)
アナログコントローラーの企画を具体的に進めるにあたって、持ってみた感覚、触ってみた感覚、操作した感覚がないとイメージが固まらず、意見がまとまりません。スケッチや、頭の中の空想だけでは、誰も結論が出せないと思います。
ですが、サンプルやアイデアをいちいち設計して、試作屋に制作を依頼していたら、時間もお金も掛かって大変です。年末年始で試作屋も稼働が鈍ります。外注している場合ではないのです。自分たちで作るしかありません。
市販のコントローラをベースにしたり、発泡スチロールなどで形を作る。アナログ入力デバイスも、有り物の市販の部品を手に入れる。それらを使って、無理やりセガサターンのコントローラーやミッションスティック(アナログスティック)に配線加工して、ゲームが動くようにする。そういった手作りサンプルを作ってソフト開発部門に渡して、評価してもらうことにしました。
ハード開発部門では何が正解なのか、何が最適なのか、判断ができません。ゲームを作るのはゲーム開発者。ゲーム開発者が望むモノは何か。ゲーム開発者から答えを引き出す必要があります。
1995年12月5日のキックオフ会議があってから、2~3週間でサンプルを作り、資料を作り、12月末にはソフト開発部門にサンプルを渡しはじめていました。
早い! この年のクリスマスは猛烈に仕事をしていました。
どのようなサンプルを作ったのか、いくつか思い出して羅列していきましょう。読み進めていくと、何か方向性が見えてくるかもしれません。
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