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実績がないなら、選ばれる理由を先に作る


以前の記事で、今月からクライアントワークに注力すると書きました。

その後、クラウドワークスでYouTube台本制作のトライアルを受け、継続でお仕事をいただけることになりました。

今回は、その結果を共有します。

ただし、単なる成功報告を書くつもりはありません。

案件を獲得できずに悩んでいる方。

ライターとして、ほかの応募者とどう差別化すればいいのか分からない方。

提案文やクライアント様へのメッセージで、何をアピールすればいいのか迷っている方。

そういう方へ向けて、

僕が募集文のどこを見て、何を考え、どのように逆算して提案したのか

を共有します。

先に結論を言います。

元も子もないことをいうと、自分で考えなければ意味がないです。←お前!

答えを知りたくて、面接の本読むとだいたい『自分で考えろ』って書いてあますよね。

昔3冊読んで出した結論です←もっとはやく気づけ

だからこの記事では、完成した答えではなく、僕は何を見て、どう考え、自分なりの答えを作ったのかを書きます。

「仕事をしながら成長する」が難しくなっている

なぜ、今回この考え方に焦点を当てるのか。

ぶっちゃけると、初心者が仕事をしながら成長するための入口が、かなり狭くなっていると感じるからです。

AIの台頭によって、以前なら初心者へ任されていたような簡単な仕事は減りました。

その一方で、コロナ禍以降の副業ブームもあり、「簡単な仕事ならできます」という人は増えました。

つまり、

初心者向けの案件は減ったのに、初心者は増えた

ということです。

当然、残った少数の案件は取り合いになります。

しかも、そこへ経験者まで応募してきます。

昔なら足がかりにできたはずの仕事で、最初から何十人もの候補者に勝たなければならない。

仕事を受けるには、実績が必要。

しかし、実績を作るには、仕事を受ける必要がある。

そのうえ、提案しても返事すら来ないことがザラにあります。

不採用の理由も分からないため、自分が正しい方向へ努力できているのかすら分からない。

これ、ほぼ詰んでませんか?

フィードバックすら、誰にでももらえるわけではない

今回受けたトライアルには、十人以上が参加していました。

同じスプレッドシート上で作業していたため、ほかの参加者の状況も、ある程度確認できる状態でした。

僕が確認できた範囲では、具体的な添削コメントを受け取っていたのは僕ともう一人だけでした。

採用人数が二人だからかな?と思いました。

そこで、僕は少しゾッとしました。

不採用になった場合、何が悪かったかすら教えてもらえない可能性が高い。

でも、考えてみれば当然です。

フィードバックには時間がかかります。

成果物を読み、問題点を見つけ、改善方法を考え、それを相手に伝わる言葉へ変えなければいけません。

今後仕事を依頼する予定のない人へ、その人の成長のためだけに時間を使う義理はありません。

つまり、

初心者歓迎
=初心者でも応募できる

のであって、

初心者歓迎
=一から育ててもらえる

ではないんです。

トライアルも講座ではありません。

すでに持っている能力が、今回の仕事に通用するかを確認する選考です。

仕事をしながら育ててもらうためにも、

育てれば戦力になる

と思ってもらえるだけの地力が、先に必要になります。

では、仕事を取る前の人間は、どこで現在地を知ればいいのか。

僕の場合は、先にお金を払い、添削やフィードバックを受けられる環境へ入りました。

クラウドワークスアカデミーの講座を受け、課題を作り、講師から評価してもらいました。

僕が買ったのは、知識だけではありません。

自分の能力が足りないのか
単に案件との相性やタイミングが悪かったのか

を切り分けるための判断材料です。

仕事をもらってから教えてもらうのではなく、仕事をもらう前に、評価を受けられる環境を作りました。

勉強したことは、クライアント様には関係がない

偉そうなこと言いますが、僕自身ライティングに関してはそこそこの域に成長したと思っています。

ただし、クライアント様からすれば、僕の事情なんて知らんがなという話です。

何十人もの応募者がいる中で、無名の新人から、

僕には能力があります。ポートフォリオを読めば分かります

と言われて、わざわざ長い文章を読んでくれるでしょうか?

能力があるかどうかを、相手が時間と集中力を使って確認する理由がないですよね。

実績のある人が、案件に合った提案文を書いている。

少し確認してみる。

案の定、問題なさそう。

では、この人に頼もう。

普通に考えれば、そちらのほうが早いです。

だから、ポートフォリオを読んでもらう前に、

この人は確認する価値がありそうだ

と思ってもらう理由が必要になります。

案件は、クライアント様の困りごとが書かれた一次資料

仕事獲得講座で、特に印象に残った考え方があります。

案件とは、クライアント様の最新ニーズが書かれた一次資料である

という考え方です。

言い換えると、募集文には、

クライアント様が、今まさに困っていること

が書かれています。

募集条件を、ただの応募要件として読むのではありません。

なぜ、この条件をわざわざ書いているのかを逆算するということです。

もちろん、募集文だけで相手の事情を断定することはできません。

ただし、仮説を立てることはできます。

僕が提案文を書くときは、次の順番で考えます。

  1. クライアント様は何に困っているのか

  2. 僕に、その困りごとを解決する能力があるか

  3. 解決できる人が複数いる中で、僕を選ぶ『明確な』メリットがあるか

  4. そのメリットを証明する材料があるか

「仕事ができます」は、応募する以上、当たり前です。最低条件です。

クライアント様が知りたいのは、

できる人が何人もいる中で、なぜあなたを選ぶのか

という理由です。

僕を選ぶ明確なメリットが見つからない場合、まず提案しません。

相手にとってメリットのない提案は、検討する価値がないからです。

ポートフォリオは、主張を裏づける証拠

提案文では、

僕は、こういう理由で今回の困りごとに貢献できます

と伝えます。

そのうえで、

なぜなら、僕にはこの能力があるからです

と説明します。

そして最後に、

その能力を確認できる証拠が、このポートフォリオです

と提示します。

順番が大事です。

「参考までにポートフォリオを添付します」

ではありません。

クライアント様に、作品と案件の共通点を探してもらうのでもありません。

一致してます。その根拠がこのポートフォリオです

と、こちらから接点を説明します。

提案文は主張です。

ポートフォリオは、その主張を裏づける証拠です。

証拠だけを置いても、それが何を証明しているのか伝わらなければ意味がありません。

「できます」ではなく、「すでにやりました」

今回の案件で、僕にはクライアントワークとしてYouTube台本を制作した実績がありませんでした。

そのことは正直に伝えたうえで、次の記事をポートフォリオとして提示しました。

台本作成から動画編集まで行った経験

「なんでこんなものがバズってるんだ?|ショート動画シナリオで掴んだ3つの本質」

ショート動画の台本を作成し、自分で動画編集まで行った記事です。記事内には、完成した動画も掲載しています。

違和感を短いツッコミに変える力

「ショートショート『ハードル高すぎるやろ!』」

店の貼り紙や言い回しなど、小さな違和感を拾い、短いツッコミに変えた記事です。

状況を分析し、ユーモアを交えて表現する力

「キティちゃんのポップコーンのハンドルって何の意味があるのか検証してみた。別にポップコーン好きじゃないけど」

状況のどこがよく、どこに違和感があるのかを分けて考え、ユーモアを交えて表現した記事です。

僕は、単にポートフォリオのリンクを並べたわけではありません。

今回の案件で求められている能力と、自分の能力がどこで一致しているのか。その能力を、どの記事で確認できるのかまで説明しました。

「できます」と主張するのではなく、

今回必要な能力を、すでに別の形で使った経験があります。その証拠がこちらです

と伝えたわけです。

完成した動画まで提示すれば、

本当に映像になることを想定して台本を書けるのか

という不安にも、言葉ではなく成果物で答えられます。

また、動画編集を経験しているため、映像とセリフの対応、音声やテロップの長さ、編集時に起きる認識のズレや手戻りも想像できます。

クライアント様にとっては、

教えることが前提条件だけでいい

というメリットになります。

僕が提案したのは、

「動画編集もできます」

というスキル一覧ではありません。

後工程を理解しているため、認識のズレや手戻りを減らせるライターです

という価値です。

提案で示した強みは、実際の仕事でも評価された

募集文には、短いセリフを考えるお題がありました。

僕が回答すると、言葉選びや着眼点のセンスを評価していただきました。

さらに、応募文全体から「仕事ができそうな人」という印象を受けた、という趣旨の言葉もいただき、トライアルへ進むことになりました。

少なくとも、僕の提案文がクライアント様にとって、

一度、実際に仕事を任せてみたい

と思える内容だった証拠ではないかと思います。

トライアル前には、参考動画を見せていただきました。

僕はいつもどおり、動画の構成やキャラクターの役割をかなり細かく分析し、

僕はこのように理解しました。認識にズレがあれば教えてください

と確認しました。

すると、

非常に鋭い言語化で驚いた
的確な分析だった

という趣旨の評価をいただきました。

僕としては、認識がズレたまま作業を始めないよう、バカ正直に分析しただけです。

なんかよく分からんけど、めちゃくちゃ喜んでいただけました。←分かれ

実際のトライアルでは、

  • 映像に合った自虐やツッコミ

  • 表面的な感想だけでなく、なぜそうなったのかという根拠まで考えている点

を評価していただきました。

特に、根拠の部分まで考えられるライターは多くない、という趣旨の言葉もいただいています。

さらに修正後には、

こちらの意図を的確に反映している
非常によくできた台本だった
語尾にもまったく違和感がない

と評価していただきました。

僕は普段、当たり判定のでかい地雷みたいな、めんどくさい性格をしています。←

言葉の意味や前後の説明に少しでも矛盾があると、すぐに違和感を検知します。

そして、内心で勝手にイライラします。

無駄に違和感検知能力が高いくせに、オフにできません。

いらねぇよ、こんな生きづらい能力。←

でも、この能力が、

このセリフは文脈に合っているか
前後の流れに違和感がないか
このキャラクターが本当に言いそうか

を確認し、成果物から違和感を取り除くために役立っています。

能力そのものが変わったわけではありません。

使い方を覚えたのだと思います。

ライティングはそこそこできる。

簡単な動画編集もできる。

一つずつ見ると、なんとも中途半端な組み合わせです。

でも今回、その組み合わせが、

後工程を理解しながら、映像に合った自然なセリフを書ける

という、かなりピンポイントな価値になりました。

自分では中途半端だと思っていたスキルや、生きづらいだけだと思っていた性格にも、必要としてもらえる場所があった。

そのことには、僕自身が一番驚いています。←

真面目な話、自分では価値がないと思っている能力でも、案件との接点を見つけて、相手にとってのメリットへ翻訳できれば、差別化点になる可能性があります。

「文章が書けます」と広く名乗るのではなく、

この案件で必要な能力を、僕はこの形で使えます

と伝え、その証拠となる成果物を添える。

そうすれば、何十人もの応募者の中から、能力を比較する土俵へ上げてもらえる可能性は少し高くなるのではないか。

僕は、今回の経験からそう考えました。

実績がないなら、証明する材料を先に作る

ここまでをまとめると、僕がやったことは単純です。

募集文から、クライアント様の困りごとを考える。

その困りごとを解決するには、何が必要なのかを考える。

そのうえで、自分を選ぶメリットを考える。

そして、その能力を証明する材料を、応募前に作る。

方法は何でもいいと思います。

YouTube台本の案件なら、自分で台本を書き、動画として投稿してもいい。

講座を受け、添削を受けたうえで、完成度の高いポートフォリオを作ってもいい。

クライアント様が求めている形式や工程に近い成果物を、自主制作してもいい。

必要なのは、

できます

という自己申告を、

すでに、ここまでできています

という証拠へ変えることです。

選ばれる理由は、提案文を書き始めてから、言葉だけでひねり出すものではありません。

応募する前に、能力と証拠として作っておくものです。

今の自分に、需要のある能力を一つ足す

僕の場合は、ライティングに動画編集を組み合わせました。

でも、僕と同じことをする必要はありません。

お金を使えと言いたいわけでもありません。

「動画編集には、そこまで興味ない。でも需要はありそうだな。よし、何十万円かけよう」

そんなことをするのは、たぶん僕ぐらいです←

自分の得意なことや好きなことを磨き、それがそのまま仕事として求められるなら、それが一番理想です。

ただ、現実には、

自分が好きなこと
自分が得意なこと
市場でお金が払われていること

が、きれいに一致しない場合もあります。

そんなときは、まず案件を見て、

今、何が求められているのか

を調べてみる。

そのうえで、

今の自分が持っているものに、需要のある能力を一つ足す

を考えてみる。

差別化とは、誰にもない特別な才能を、一から作ることだけではありません。

今の自分から、需要がある場所まで、どんな道なら現実的に進めるか。

そこから逆算してみるのも、一つの手ではないでしょうか。

ただし、順番を間違えてはいけない

副業をする以上、お金を稼ぎたいのは当然です。

それ自体は、何も悪くありません。

ただし、お金を払ってくれる相手がいます。

だから、順番を間違えてはいけません。

最初に考えるべきなのは、

どうすればお金が稼げるか

ではありません。

どうすれば、クライアント様の困りごとを解決出来るか

です。

まず、相手の困りごとを解決する。

依頼された仕事を、誠実に完了する。

その対価として、合意した報酬をいただく。

ここまでが、自分の仕事です。

信頼を目的にすると、人を手段として扱い始める

案件とは違いますが、優先順位の話をします。

悪い例です。

僕が昔勤めていた職場で、地震のあとに、次のような趣旨の回覧板を回していました。

「お客様がお困りです! 先日の地震で製品に破損があり、お客様から納期前倒しの申し出がありました。 社員一丸となって協力して、信頼獲得、受注拡大を目指しましょう!」

僕はこの回覧板を今まで生きてきたなかで最もレベルの低い文章だと思ってます。

・お客様のせいにしている

・納期前倒しを決めたのは会社なのに、負担をかける社員を一切労っていない

・震災対応を営業チャンスと捉えている証拠を紙ベースで残す浅はかさ

・この文章を誰も止められないくらい偉い人が書いた

今回の記事と共通する悪い例が

・「信頼獲得」と「受注拡大」に因果関係がない←狙うな

本来の順番は、

困ってるお客様を助ける→結果として信頼していただける可能性がある

だと思います。

しかし、この文章では、

信頼と受注を獲得するために、困っているお客様を利用する

という順番に見えました。

しかも、この文章の目的は、社員にやる気を出させる、お客様の信用を獲得することなのに、全く逆の効果しか見込めません。

本来、相手が結果として判断するものを先に目的化すると、人を手段として扱い始めます。

だから僕は、

信頼は、獲得しにいくものではない

と思っています。

相手の困りごとに誠実に向き合った結果として、

この人なら、次も任せても大丈夫かもしれない

と、相手から預けてもらうものです。

コレってクライアントワークの継続案件や単価アップにも繋がる考え方ではないかと思います。

希望するな、交渉するな、と言っているわけではありせん。

狙うのではなく、誠実に仕事をした結果として、起こる可能性がある。

この順番を、間違えてはいけないと思っています。

継続して依頼するか。

より広い仕事を任せるか。

条件を見直すか。

それを決めるのは、クライアント様です。

僕が信用を最も大切な資産だと思う理由

僕が信用を大切にしているのは、自分が誠実な人間だからではありません。

むしろ、信用がなくなって詰んだ経験があるからです。

僕は、相手の説明にある矛盾を見つけることが得意です。

別に、相手を言い負かしたいわけではありません。

ただ、

「以前はこう言っていましたよね」

「今の説明とは矛盾していませんか」

と、言葉どおりに受け取り、そのまま指摘していました。

本人としては事実確認のつもりでも、言われた側からすれば、かなり腹の立つ言い方だったと思います。

その結果、ブラック企業で死ぬ程嫌われました。

↑※内容エグいです

あとからそのレッテルを覆すために、自分なりに努力しました。

それでも、一度ついた評価は変わりませんでした。

最終的には、僕が何を言ったかではなく、

寺尾が言っている

というだけで、内容までまともに検討されない状態になりました。

ぶっちゃけると、↑の記事で僕が相談してもまともに聞いてもらえなかった最大の理由は、嫌われていたからです。

もちろん、嫌いだからと言って内容の精査すらしないのは間違ってると思いますが。 

結局にっちもさっちも行かなくなって退職しました。

その後、唯一僕の話を真剣に聞いてくれたのは、退職後に相談したハローワークの職員でした。

会社の中での僕の信用度は、初対面の他人以下だったんです。

だから僕は、この経験から

最初から誠実に努力することが、長期的には最も費用対効果の高い生き方なのではないか

と思っています。

最後に:大切な人へ送っても恥ずかしくない文章か

僕は、クライアント様とのコミュニケーションを考えるとき、

この文章を、自分にとって大切な人へ送っても恥ずかしくないか

を基準にしています。

初対面の相手を、本当に大切な人と同じように思え、という話ではありません。

相手が自分にとって大切な人だったと仮定すると、自然と分かることがあります。

  • 相手が人生における貴重な時間を僕に使ってくれたら、気にかけていただけたら、うれしいよね
    →お礼言うよね

  • 少しでもお心を煩わせたくないよね
    →内容を整理し、分かりやすくするよね

  • 誤解されたくないよね
    →自分がどう思うかではなく、相手がどう受け取るかを考えるよね

提案文を読んでくれた。

返事をくれた。

仕事を依頼してくれた。

そのたびに、相手は自分のために時間や集中力を使ってくれています。

だから僕は、そのコストにきちんと応えたいと思っています。

僕の場合、仕事をするときの優先順位の最上位は、

僕に任せてよかったと思っていただける仕事をする

に設定しています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

僕の経験が、あなたの仕事や人生に、ほんの少しでもよい影響を与えられたなら幸いです。

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