メインコンテンツへスキップ
見出し画像

中国一汽と広汽集団、共同作業部会を正式発足――トヨタとの3社協定に続き、乗用車・電池・知能化・海外事業で協力を具体化

    [メンバーシップ限定]中国第一汽車集団(中国一汽=一汽集団)と広州汽車集団(広汽集団)は2026年10月22日、広汽集団本社で共同作業部会の発足式を開催した。両社の董事長が出席し、これまでに締結した戦略協力枠組み協定を具体的な事業へ移すため、重点プロジェクトの推進や協力体制について協議した。

    今回の動きは、9月29日の広汽工業と中国一汽による協定、10月8日の中国一汽・トヨタ・広汽集団による3社協定に続くものである。

    中国一汽と広汽集団は、乗用車、商用車、電池、電動駆動、知能化、海外事業を重点協力領域に掲げている。今回の共同作業部会の設置によって、戦略的な合意を実際の事業へ落とし込む段階に入った。

    ただし、今回の発表で確認できるのは、中国一汽と広汽集団の2社による実行体制の整備である。トヨタを含む3社協定との関係は明示されているものの、具体的な合弁事業再編や出資比率の変更などは公表されていない。

    10月22日、両社トップが広汽集団本社で協議

    10月22日、中国一汽の党委員会書記・董事長である邱現東氏と、広汽集団の党委員会書記・董事長である馮興亜氏は、広汽集団本社で開催された共同作業部会の発足式に出席した。

    両氏は同日、今後の協力に関する会談も行った。

    中国一汽からは、党委員会常務委員・総会計師の方世力氏、総経理助理の柳長慶氏が参加した。

    広汽集団からは、党委員会副書記・総経理の閤先慶氏、党委員会副書記の曹暁軍氏、常務副総経理の高鋭氏など、経営幹部が出席した。

    両社は、中国の自動車産業強化という国家戦略を踏まえ、これまでに締結した戦略協力枠組み協定の実行を主要議題とした。

    具体的には、重点協力プロジェクトの事業化、南北の産業連携の深化、協力体制の整備などについて協議し、今後の進め方について認識を共有した。

    9月29日の2社協定、10月8日のトヨタを含む3社協定

    今回の発表で重要なのは、馮興亜氏が、これまでの協定締結から共同作業部会の発足に至る経緯を明確に説明している点である。

    まず、9月29日には広汽工業と中国一汽が戦略協力枠組み協定を締結した。

    続いて10月8日には、広州市党委員会・市政府の支援のもと、中国一汽、トヨタ、広汽集団が新たな戦略協力枠組み協定に署名した。

    馮氏によると、その後、中国一汽と広汽集団の実務チームは継続的に緊密な協議を重ねてきた。

    今回の会談と共同作業部会の発足は、これらの戦略協力枠組み協定を具体的に実行するための重要な措置と位置付けられている。

    つまり、9月末から10月上旬にかけて相次いだ協定締結を受け、10月22日には協力計画を管理・推進する組織の整備へ進んだことになる。

    一連の動きは、単発の提携発表ではなく、継続的な協議と実行体制の構築を伴うものとなっている。

    画像
    中国一汽の邱現東氏

    乗用車・商用車・電池・電動駆動・知能化・海外事業を重点領域に

    中国一汽の邱現東氏は、今回の協力が両社の事業発展に合致するとともに、中国の自動車産業に対しても先導的な役割を果たすとの認識を示した。

    そのうえで、協力を迅速に進める重点領域として、以下の6分野を挙げた。

    • 乗用車

    • 商用車

    • 電池

    • 電動駆動

    • 知能化

    • 海外事業

    今回の協力は、完成車事業に限定されていない。

    乗用車と商用車の双方を対象としながら、電池、電動駆動、知能化という技術領域、さらに海外事業までを含む幅広い協力構想となっている。

    邱氏は、両社が共通の目標と強い意思を持ち、相互の強みを組み合わせることで、単独で取り組む以上の成果を生み出す必要があると強調した。

    ただし、今回の発表では、6分野それぞれについて、具体的な共同開発案件、投資金額、事業主体、製品計画、実施時期などは明らかにされていない。

    現段階では、協力対象となる事業領域が示されたものと位置付けられる。

    中国一汽、中央企業と地方国有企業の新たな協力モデルを目指す

    邱現東氏は、自動車産業を中国経済の戦略的な基幹産業と位置付け、今回の協力の意義を国家の産業政策とも結び付けて説明した。

    中国では、インテリジェントコネクテッド新エネルギー車(NEV)産業に関する第15次5カ年計画(十五五、2026~2030年)期の発展方針や、先進製造業に関する政策議論などを通じて、実体経済の持続的で質の高い発展が重視されている。

    邱氏は、中国一汽と広汽集団の協力が、国有企業に求められる国家戦略への貢献、産業発展の先導、公共的役割の遂行を具体化するものだと説明した。

    中国一汽は中央政府直属の国有企業であり、広汽集団は地方政府系の国有企業である。

    両社の協力は、企業間の事業提携であると同時に、中央国有企業と地方国有企業の連携を強化する取り組みとして位置付けられている。

    邱氏は、中国共産党中央の指導と、広東省・広州市の支援のもと、両社が経営上層部による調整、協力体制の整備、意思疎通の強化を進め、協力構想を具体的な事業成果へ転換する考えを示した。

    中国一汽としても、最大限の誠意と実務的な行動によって協力を推進し、中央企業と地方国有企業による新たな協力モデルの構築を目指すとしている。

    画像
    広汽集団の馮興亜氏

    この記事はnoteマネーにピックアップされました

    noteマネーのバナー
     
     
    急速に進む中国のCASE(Connected&Cabin,Autonomous,Shared&Service,Electric)やAIについての最新情報。2018年から1日1本以上のレポート配信。毎朝8:00日刊中国モビリティレポートと適時号外レポート

    あなたへのおすすめ