
理想i6、96kWhで実走行811.4km――自社開発の電池・モーター・SiC電力制御を統合、市街地試験でCLTC達成率104%
[メンバーシップ限定]中国の理想汽車(Li Auto)は2026年10月23日、10月28日に正式発表する2026年型「理想i6」の航続距離試験結果を公表した。96kWhのバッテリーを搭載した後輪駆動モデルで、太湖周辺の市街地道路を811.4km走行し、平均電費11.8kWh/100kmを記録した。
同モデルのCLTC公称航続距離は780kmであり、今回の実走行距離は公称値を31.4km上回った。達成率は約104%となる。
試験は10月22日午前5時から、メーカーによる終日のライブ配信として実施された。乗員4人に機材50kgを加え、空調を前後席とも24℃に設定。外気温13~20℃、制限速度40~80km/hの市街地道路を中心に走行した。
理想汽車の創業者兼CEOである李想氏は、今回の結果について、バッテリー容量の拡大に加え、電池、モーター、電力制御システムを自社で統合開発したことによる効率改善を強調している。
10月22日、太湖周辺で終日の航続距離試験
理想汽車は10月22日、2026年型i6の航続距離を検証するため、江蘇省常州市を出発し、太湖周辺を周回する長距離走行試験を実施した。
走行ルートは常州、無錫、蘇州、浙江省湖州などを通るもので、太湖周辺の都市道路を中心に構成された。
李想CEOは同日午前5時、SNSで試験開始を発表。新型i6の実際の航続距離を確認するため、終日にわたってライブ配信を行うと説明した。
ライブ配信では、理想汽車の製品開発・研究開発担当者が交代で車両に乗り込み、バッテリー、電動駆動システム、シャシーなどについて解説した。
試験は満充電状態から開始し、途中で充電せず、バッテリーを使い切るまで走行する計画で実施された。
10月23日、李想CEOが最終結果を公表した。

実走行811.4km、CLTC公称780kmを31.4km上回る
今回の試験結果は次のとおりである。
試験車両:2026年型理想i6、後輪駆動モデル
バッテリー容量:96kWh
ホイール:20インチ
CLTC公称航続距離:780km
実走行距離:811.4km
CLTC達成率:約104%
平均電費:11.8kWh/100km
試験日:2026年10月22日
公称航続距離780kmに対して、実走行距離は811.4kmとなり、31.4km上回った。
平均電費11.8kWh/100kmから計算すると、811.4kmの走行に相当する消費電力量は約95.7kWhとなる。公表された96kWhというバッテリー容量とも、おおむね整合する。
ただし、これは公表数値に基づく計算であり、車両のバッテリー管理システムが記録した実際の放電量や、使用可能容量の内訳を確認したものではない。
今回の結果はメーカー主催の実走行試験によるものであり、第三者機関による独立した性能認証ではない。

乗員4人と機材50kg、空調24℃で実施
今回の試験では、日常的な市街地利用に近い条件を設定したという。
車内には成人4人が乗車し、合計体重は約300kg。さらに撮影機材など50kgを積載した。
理想汽車は、乗員と機材を合わせた約350kgの負荷について、5人乗り車両の満員乗車に近い条件だと説明している。
空調は前後席とも24℃の自動モードに設定し、走行中は継続して使用した。
外気温は13~20℃であり、極端な高温・低温条件ではないものの、空調を停止して消費電力を抑えた試験ではなかった。
走行速度については、市街地道路の制限速度40~80km/hに従ったとしている。
ライブ配信では、今回の試験を高速道路で実施しない理由についても説明された。
理想汽車によれば、i6のユーザーは都市部での通勤や日常移動を主な用途としており、まず利用頻度の高い市街地走行で航続距離を検証することを優先したという。
したがって、今回の811.4kmという結果は、主に市街地道路で得られたものである。高速道路を一定速度で長時間走行した場合や、冬季の低温環境でも同じ航続距離を達成できることを示すものではない。

バッテリーを96kWhに拡大、CLTC航続距離は60km延長
2026年型i6の主要な変更点の一つが、バッテリー容量の拡大である。
李想CEOによれば、2025年型のCLTC公称航続距離720kmに対し、2026年型では780kmへと60km延長した。
新型車には、自社開発の「連山」バッテリーを採用する。
同バッテリーは5C超急速充電に対応しており、理想汽車は航続距離の延長と充電時間の短縮を両立させる技術として位置付けている。
李想CEOは、今回の改良を単なる電池容量の拡大ではなく、車両全体の設計と電動駆動システムの最適化によって実現したと説明した。

連山バッテリー、車体床面に合わせた設計で容量を追加
李想CEOが示した技術的な説明の中で、注目されるのがバッテリーパックと車体の一体的な設計である。
2026年型i6では、連山バッテリーのパック上部を車体床面の形状に合わせて設計することで、車両の限られた搭載空間を有効活用したという。
李想CEOによれば、この設計によって、従来の構成と比較して約3kWh分のバッテリー容量を追加できた。
ここで重要なのは、電池セル単体の性能向上だけではなく、車体構造との組み合わせによって搭載容量を増やしていることである。
EVでは、電池容量を増やすほど車両重量や搭載スペースへの影響が大きくなる。
そのため、電池パックの形状や車体との取り合いを最適化することは、航続距離を延長するうえで重要な設計課題となる。
ただし、今回公表された情報だけでは、追加された約3kWhがどの部分の設計変更によって確保されたのか、その詳細な構造までは確認できない。