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吉利、欧州3ブランドで月販1万台突破――現地開発を共通基盤に、PHEVから高級車まで市場を拡大

    [メンバーシップ限定]吉利汽車集団(GEELY Auto Group)は2026年10月12日、パリモーターショーにグループとして初めて出展し、吉利(GEELY)、領克(Lynk & Co)、極氪(ZEEKR)の3ブランドによる欧州事業戦略を発表した。

    3ブランドの欧州販売台数は2026年9月、合計で初めて月間1万台を突破した。欧州での研究開発、販売、サービス体制を拡大しながら、大衆市場からプレミアム、高級車市場までを複数ブランドでカバーする。

    今回の発表で重要なのは、吉利が欧州へ輸出する車種を増やしたことだけではない。

    吉利ブランドはPHEVを中心に主流市場を開拓し、領克は独自のデザインと電動化技術でプレミアム市場を担う。そして極氪は、欧州で開発された高級車と高度運転支援技術を武器に、さらに上の価格帯へ進出する。

    それぞれのブランドは独自に商品や販売戦略を展開する一方、グループとしては欧州の研究開発、デザイン、技術基盤を活用する。

    中国の自動車メーカーが海外市場へ車両を輸出する段階から、現地に開発機能を持ち、複数のブランドを運営する自動車グループへ移行しつつある。その変化を象徴する発表となった。

    吉利・領克・極氪、欧州月販が初めて1万台を突破

    吉利汽車集団によれば、2026年9月の欧州販売台数は、吉利、領克、極氪の3ブランド合計で初めて1万台を超えた。

    欧州事業の拡大を示す節目となる数字である。

    ただし、今回の公式発表では、1万台を超えた具体的な販売台数や、ブランド別の内訳は示されていない。

    また、販売台数の定義についても、各国の新車登録台数なのか、顧客への納車台数なのか、その他の販売指標なのかは明確にされていない。

    したがって、この数字だけから欧州の国別シェアや各ブランドの実際の販売規模を判断することはできない。

    それでも、欧州で異なる市場セグメントを担当する3ブランドの合計が月間1万台規模に達したことには意味がある。

    吉利は、欧州において単一ブランド、単一商品で市場を開拓するのではなく、価格帯、車種、技術、顧客層の異なるブランドを並行して展開している。

    今回のパリモーターショーでは、その事業構造をグループ全体として初めて前面に打ち出した。

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    世界販売223万台、中国本土以外は79.8万台

    今回の公式発表では、グループ全体の販売実績も紹介された。

    吉利汽車集団の2026年1~9月の世界販売台数は223万5,481台となった。

    また、中国本土以外の累計販売台数は79万7,670台で、前年同期比169%増だった。

    前年同期の約2.69倍に相当する伸びである。

    単純計算では、中国本土以外の販売台数は世界販売全体の約35.7%に相当する。

    ただし、これは欧州だけの販売台数ではない。

    中国本土以外の世界市場を対象とした実績であり、欧州以外の販売地域も含まれる。

    また、この数字を中国からの完成車輸出台数と同一視することもできない。海外現地生産や集計範囲について、今回の発表だけでは詳細を確認できないためである。

    重要なのは、吉利の販売拡大が中国国内だけでなく、海外市場でも進んでいることである。

    欧州での3ブランド展開は、そうした海外事業拡大の一部に位置付けられる。

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    吉利ブランドはMonjaro EM-iで欧州の主流PHEV市場へ

    今回、吉利ブランドの中心商品として欧州初公開されたのが「Monjaro EM-i」である。

    同車はDセグメントのPHEV SUVであり、吉利はグローバル市場向けの主力商品として位置付けている。

    Monjaro EM-iは、吉利のGEA Evoアーキテクチャを採用し、EM-i Super Hybridシステムを搭載する。

    今回の欧州向け発表では、単に燃費や電動走行性能を訴求するのではなく、長距離移動、高速道路、山道、日常利用など、さまざまな走行条件での性能を重視した。

    欧州向けのシャシーチューニングやインテリジェント四輪駆動も紹介している。

    パワートレインには高効率の1.5Lターボエンジンを組み合わせ、走行条件に応じたエネルギー管理を行う。

    四輪駆動仕様では、前後の駆動力配分を電子制御し、加速時や高速道路での追い越し、長い上り坂などに対応する。

    吉利が欧州で狙うのは、BEVだけではない。

    長距離移動や充電環境に対する要求が残る欧州のファミリーSUV市場で、PHEVを有力な選択肢として提供する。

    これは、欧州の電動化市場をBEVだけで捉えない商品戦略でもある。

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    E2、E5、Starray EM-iを加え、複数の電動化方式を展開

    吉利ブランドは今回、Monjaro EM-iに加え、GEELY E2、GEELY E5、STARRAY EM-iも欧州市場向けの商品として紹介した。

    小型・中型のBEVからPHEV SUVまで、異なる車格と動力方式を揃える構成である。

    Monjaro EM-iがDセグメントの上位SUVを担う一方、E2やE5はBEV市場、Starray EM-iはPHEV SUV市場を担当する。

    この商品構成からは、吉利ブランドが欧州で特定の技術や価格帯だけに依存しない方針が見えてくる。

    欧州では各国の充電環境、所得水準、税制、電動車への補助制度などが異なる。

    そのため、BEVだけで欧州全域の需要を取り込むことは容易ではない。

    吉利は、複数の電動化方式を用意することで、異なる市場環境に対応しようとしている。

    今回の発表は、吉利ブランドが欧州の主流市場で商品ラインアップを拡大する段階に入ったことを示している。

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    領克は07GTを欧州初公開、PHEVのスポーツツーリングを投入

    領克は今回、「Lynk & Co 07GT」を欧州で初公開した。

    同車はPHEVを採用したスポーツツーリングモデルである。

    領克のデザイン思想「The Next Day」を採用し、シューティングブレークの実用性と、ファストバックのスポーティーなスタイルを組み合わせている。

    今回の07GTは、吉利ブランドのMonjaro EM-iとは異なる市場を狙う。

    Monjaro EM-iがファミリー向けの主流SUV市場を担うのに対し、07GTはデザインや走行性能、ライフスタイルを重視する顧客に向けた商品となる。

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    ここにも、吉利グループの複数ブランド戦略が表れている。

    同じPHEVでも、吉利ブランドでは実用性や効率を重視し、領克ではデザインとプレミアム性を前面に出す。

    技術的な基盤を活用しながら、異なる商品価値を提供する考え方である。

    ただし、今回のグループ公式発表では、07GTの欧州価格、発売時期、具体的な販売目標などは明らかにされていない。

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    急速に進む中国のCASE(Connected&Cabin,Autonomous,Shared&Service,Electric)やAIについての最新情報。2018年から1日1本以上のレポート配信。毎朝8:00日刊中国モビリティレポートと適時号外レポート

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