
東風日産NX7、インフルエンサー5人が内装を一斉公開――AI座席・冷蔵庫・Momenta R7で若年層に訴求、焦点は15万元前後の価格設定
[メンバーシップ限定]中国の日産合弁会社、東風日産が新型SUV「NX7」の発売に向け、若年層を対象とした情報発信を本格化させている。
2026年10月26日、中国の自動車系インフルエンサー5人がNX7の内装や装備を紹介する動画を公開した。これに合わせ、東風日産の公式Weiboも内装の初公開を告知し、デザインや収納性、車内の快適性を強調した。
今回の動画で共通して紹介されたのは、乗員の体形に合わせて調整するAIシート、17.3インチの大型ディスプレイ、冷蔵庫(温冷庫)、広い収納空間などである。さらに、LiDAR搭載仕様やMomenta R7を採用した運転支援技術、40.9kWhの電池による320kmの電動航続距離も取り上げられた。
注目されるのは、東風日産が従来の合弁ブランドとしての品質や信頼性だけでなく、中国の新興新エネルギー車(NEV)メーカーが得意としてきたスマート装備や車内体験を、NX7の商品価値として前面に押し出していることである。
一方、正式な販売価格はまだ発表されていない。動画では15万元(約353万円)前後、あるいは15万~20万元(約353~470万円)という価格予想が示されており、今後の最大の焦点となっている。

10月26日、5人のインフルエンサーがNX7を一斉紹介
今回確認したのは、My车轱辘、張怯怯、姚昱、初暁敏、大沢科技SHOWによる5本の動画である。
いずれもNX7の実車を撮影し、外観、内装、座席、収納空間、車内AIなどを紹介している。
動画の構成や説明の仕方はそれぞれ異なる。
My车轱辘は、合弁ブランドの品質や信頼性を重視する消費者に向け、NX7が中国NEV市場で人気のスマート装備を取り込んでいる点を強調した。
張怯怯は、車体色や内装デザインを中心に、若い消費者が重視するデザイン性や車内AIの使い勝手を紹介した。
姚昱は、25~30歳の若年層を想定した商品設計を説明し、AIシートや荷室の収納能力を実演した。
初暁敏は、日産の電動化転換を評価しながら、NX7の装備を詳細に紹介したうえで、販売価格が今後の競争力を左右すると指摘した。
大沢科技SHOWは、若年層向けの快適性や実用性を中心に、AIシート、温冷庫、ディスプレイ、荷室などを紹介した。
5本の動画は、共通するハッシュタグを使用し、NX7の内装初公開という同じテーマを扱っている。
このため、メーカーが撮影機会や情報公開時期を調整した広報展開とみるのが自然である。
ただし、動画制作に対する報酬の有無や、メーカーによる内容の事前確認については、今回の資料からは確認できない。

東風日産も公式Weiboで内装初公開を告知
東風日産は10月26日14時46分、公式WeiboでNX7の内装に関する投稿を公開した。
投稿では、外観デザインに続き、ドアを開けた瞬間から感じられる車内の快適性を訴求している。
柔らかな曲線を取り入れた内装デザインや、使いやすさを考慮した収納空間を紹介し、若い消費者の移動を快適にする車としてNX7を位置付けた。
また、「30万元級を超える内装の質感」「NX7内装初公開」「NX7静的レビュー初公開」といった共通のハッシュタグを使用している。
ここで重要なのは、東風日産自身がNX7の訴求対象を明確に若年層へ向けていることである。
従来の日産車が持つ快適性や実用性を継承しながら、中国の若い消費者が重視するデザイン、スマート装備、車内体験を組み合わせる商品戦略が見えてくる。

日産のシート技術をAIで進化、12点マッサージも
今回の5本の動画で、特に繰り返し紹介されたのがAIシートである。
NX7の運転席には、乗員の体形や着座状態に合わせて調整するAIシートが採用されている。
動画では、乗員が座ると身体の接触状態を検知し、シートの支持状態を調整する様子が紹介された。
さらに、12点マッサージ、コーナリング時の身体支持、レッグレストなどの機能にも言及している。
前後席にはシートヒーターとベンチレーションを備えると説明されており、後席の快適性も重視されている。
ただし、これらの装備が全仕様に標準装備されるかどうかは、今回の動画だけでは確定できない。
また、AIシートそのものはNX7で初めて採用される技術ではない。姚昱の動画では、先行するN7やNX8にも同様の技術が採用されていると説明している。
つまり、東風日産は新しい装備を単発で追加しているのではなく、複数のNEVに共通する快適性技術として展開している。
日産が従来から強みとしてきたシートの快適性を、センサーやAIによる自動調整と組み合わせることで、中国NEV市場に対応した新たな商品価値へ発展させようとしている。

17.3インチ3K画面と6.33L温冷庫を搭載
車内のスマート装備も、今回の動画で重点的に紹介された。
中央には17.3インチの3Kディスプレイを配置する。
動画では、画面の視認性や操作の滑らかさに加え、車内AIアシスタントとの連携が取り上げられている。
温冷庫については、容量6.33Lと説明されている。
My车轱辘の動画では、温冷庫を開くと中央ディスプレイに関連する操作画面が表示され、冷却や保温などの設定を選べる様子が紹介された。
これは、車内装備を単に追加するのではなく、車載ソフトウェアと連動させて使いやすくする設計である。
温冷庫の設定温度については、動画によって説明に差があるため、正式な仕様の確認が必要である。
中国のNEV市場では、大型ディスプレイ、温冷庫、高機能なシートを組み合わせた商品が増えている。
NX7もこうした市場の流れに対応する一方、日産が得意とする快適性や室内空間の使いやすさを組み合わせて差別化を図る。

車内AIがデートプランを提案、若年層向けの使い方を実演
張怯怯の動画では、車内AIアシスタントを利用した具体的な操作も紹介された。
利用者が広州に住み、交際相手が深圳に住んでいるという設定で、双方が移動しやすい場所を探すよう依頼する。
これに対し、車内AIは両都市の中間に位置する東莞を提案し、食事をする場所も案内した。
従来の車載音声アシスタントでは、エアコンの温度調整、窓の開閉、ナビゲーションの目的地設定など、車両操作が中心だった。
今回の実演では、利用者の目的を理解し、移動先や過ごし方まで提案する機能を訴求している。
もっとも、これは撮影時に示された操作例であり、実際の利用環境でどこまで安定して機能するかは別途検証が必要である。
それでも、東風日産が車内AIを単なる音声操作機能ではなく、若年層の生活や移動を支援する機能として紹介していることは注目される。
