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北汽集団・CATL、電池交換対応車100万台へ戦略協力を拡大――販売店網を交換拠点に、車両・電池・インフラを一体展開

    [メンバーシップ限定]北京汽車集団(北汽集団)と寧徳時代(CATL)は2026年10月22日、北京で、電池交換対応車100万台規模の普及を目指す戦略協力協定を締結した。北汽集団の複数ブランドをCATLの電池交換サービス「チョコレート電池交換」に対応させるとともに、北汽集団の販売店網を活用して交換ステーションを整備する。

    今回の協定は、新規の協力関係を構築するものではない。両社は2026年4月25日に電池交換・エネルギー分野の戦略協力協定を締結し、5月には共同開発した極狐ベータS3の電池交換版を発売している。

    今回新たに明確になったのは、100万台という車両規模の目標と、販売店を電池交換インフラの拠点として活用する事業方針である。

    CATLは9月末時点で全国2,520カ所の交換ステーションを整備しており、10月19日にはHuawei系の引望との協力も発表した。電池交換事業は、個別車種への技術採用から、複数メーカーの車両と全国の交換インフラを結び付ける段階へ進みつつある。

    10月22日、両社トップ立ち会いで新協定

    10月22日、北汽集団とCATLは北京で、100万台規模の電池交換事業を目指す戦略協力協定を締結した。

    署名したのは、北汽集団の党委員会常務委員・副総経理である張国富氏と、CATLの市場部門共同総裁である楊峻氏である。

    北汽集団の党委員会書記・董事長である張建勇氏、CATLの董事長兼CEOである曾毓群氏らが出席し、署名に立ち会った。

    今回の協力は、北汽集団とCATLの経営トップが関与するグループ単位の取り組みとして位置付けられている。

    協力対象は、完成車開発、交換式電池の供給、交換ステーション網、電池の保有・運用事業、ビジネスモデルの開発という五つの領域である。

    両社は、電池交換技術の標準化と事業規模の拡大を進め、複数ブランドで利用できる公共の電池交換インフラを構築する方針を示した。

    100万台は販売実績ではなく、今後の普及目標

    今回の発表で最も目を引くのは、100万台という数字である。

    北汽集団は、傘下の複数ブランドについて、電池交換に適した車種をCATLのチョコレート電池交換サービスへ順次対応させる。

    これによって、両社は電池交換対応車100万台規模の普及を目指す。

    ただし、100万台は現時点の販売実績でも、確定受注台数でもない。今回の発表には、目標達成期限、対象ブランドの一覧、車種別の投入計画、年間販売台数の内訳などは示されていない。

    また、北汽集団が単独で100万台を販売するという確約とも区別する必要がある。

    今回の協定は、両社が共同で目指す電池交換車両の普及規模を示したものであり、実際の事業進捗は今後の車種投入と販売実績によって検証する必要がある。

    4月25日に電池交換・エネルギー協力を開始

    北汽集団とCATLの関係は、今回始まったものではない。

    両社の協力は2009年の部品供給にさかのぼり、2018年、2024年には戦略協力協定を締結している。

    2026年4月25日には、CATL傘下で電池交換サービスを展開する時代電服を加えた3社が、電池交換・エネルギー分野の戦略協力枠組み協定に署名した。

    この時点で、電池交換対応車の開発、充電と電池交換を組み合わせたエネルギー供給網、電池のライフサイクル管理を協力対象としていた。

    また、車両開発から販売、利用者向けサービスまでを連携させる方針も示していた。

    したがって、10月22日の協定は、4月の基本的な協力方針をさらに具体化し、車両の普及規模とインフラ整備の方法を明確にしたものと捉えられる。

    極狐ベータS3、5月に電池交換版を発売

    4月の協定に先立つ北京モーターショーでは、北汽集団傘下の極狐が、CATLのチョコレート電池交換に対応するベータS3の予約受付を開始した。

    5月22日には正式発売され、充電版と電池交換版を合わせて8仕様が設定された。

    電池交換版はCATLの25号交換式電池を採用し、CLTC航続距離は535km。交換時間は最短99秒とされる。

    電池を購入せず、車両と電池の所有を分離する方式では、車両価格は5万9,800元(約140万円)からとなった。

    電池を保有する事業者が電池資産を管理し、利用者は電池を借りて使用することで、車両購入時の初期負担を抑える仕組みである。

    電池交換サービスには、月額399元(約9,360円)の走行距離付きプランや、月額599元(約14,050円)の走行距離制限のないプランなどが用意された。

    ただし、電池を借りる場合には継続的な利用料金が発生するため、車両本体価格だけで充電版との経済性を比較することはできない。

    極狐ベータS3は、北汽集団とCATLの電池交換協力が、実際の量産車と消費者向けサービスに結び付いた最初の重要な事例である。

    電池交換版の需要を示す先行指標も

    2026年6月の業界報道では、極狐ベータS3の予約段階で、約2万3,000台の注文のうち75%が電池交換版を選択したと紹介されている。

    この数字は、少なくとも予約段階では、電池交換方式に一定の消費者需要が存在したことを示している。

    一方、予約時の選択比率と実際の納車台数、継続的な利用率は異なる。

    また、電池交換版が選ばれた理由についても、交換時間の短さだけでなく、電池を購入しない場合の車両価格や月額料金、地域のステーション整備状況などが関係する。

    100万台という目標の実現可能性を判断するには、今後の販売実績に加え、電池交換版の購入比率とサービス継続率を確認する必要がある。

    北汽集団の販売店を電池交換ステーションの拠点に

    今回の協定で新たに強調されたのが、北汽集団の販売店網の活用である。

    北汽集団は、傘下の販売店ネットワークをCATLの電池交換事業に開放する。

    CATLは販売店の立地や既存施設を活用しながら、交換ステーションの整備を加速する。

    両社は共同運営モデルも検討し、販売店とエネルギー供給インフラを組み合わせた事業を進める。

    従来の自動車販売店は、車両販売、整備、アフターサービスを主な事業としてきた。

    今回の構想では、そこに電池交換という継続的なサービスが加わる。

    販売店にとっては、車両販売後も利用者との接点を維持し、電池交換サービスを通じた収益機会を確保できる可能性がある。

    CATLにとっては、全国に存在する販売店網を利用することで、新規ステーションの立地確保や利用者への認知拡大を進めやすくなる。

    ただし、すべての販売店に交換ステーションが設置されるわけではない。必要な敷地、電力設備、安全条件、周辺需要などを踏まえた選定が必要となる。

    今回の発表でも、対象店舗数や投資負担の分担、共同運営事業の収益配分は明らかにされていない。

    「10分圏内」の電池交換インフラを目指す

    両社は、販売店網を活用した交換ステーションの整備によって、利用者が身近な場所で電池を交換できる環境を目指す。

    今回の発表では、10分圏内でエネルギー補給を受けられるネットワークの構築を掲げた。

    ここでいう10分は、電池交換作業そのものの時間ではなく、交換拠点へのアクセスのしやすさを表す構想である。

    実際の電池交換作業については、極狐ベータS3などで最短99秒が訴求されている。

    ただし、10分圏内のサービスが全国一律に実現しているわけではない。利用可能なステーションの密度や対応車種、混雑状況によって、利用体験は異なる。

    今回の協定は、既存の交換ネットワークをさらに高密度化するため、北汽集団の販売店を新たな拠点候補として組み込むものと位置付けられる。

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