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卓馭、前方視界を遮って山岳路をAI走行――紅旗・天工07、30億km学習の大規模モデルを実演

    [メンバーシップ限定]中国の先進運転支援システム(ADAS)企業、卓馭科技(ZYT)は2026年10月10日、一汽紅旗の新型BEVセダン「天工07」の発売イベントで、新疆ウイグル自治区バインブルクの山岳道路を舞台に、運転支援システムの走行実演を行った。

    今回の実演で注目されるのは、車両のフロントガラスを遮り、運転者と同乗するナビゲーターが前方道路を直接見られない状態でも、AIによる走行支援を継続したという点である。

    卓馭によると、車両はLiDARとカメラを統合した認識システム、そして30億kmを超える実走行データで学習した「高悟性大規模モデル」を利用し、連続する急カーブを走行した。実演中、人間による運転操作への介入はなかったとしている。

    ただし、これは特定条件下で行われた運転支援の実演であり、天工07が完全無人運転に対応したことを意味するものではない。

    発売イベントを山岳道路へ、約70kmの難路を舞台に

    紅旗が天工07の発売イベントに選んだのは、新疆ウイグル自治区のバインブルクである。

    映画『飛馳人生』のロケ地として知られ、1462のカーブを持つと紹介される山岳ルートが舞台となった。

    卓馭の発表によると、走行ルートはハルモドゥン鎮からダレン峠までの約70km。標高1000m超から2600m超へ上昇し、約80のヘアピンカーブが存在するという。

    道路環境も通常の都市部や高速道路とは大きく異なる。

    砂利のある山道、連続する急カーブ、凹凸の激しい路面、崖に近い区間、明瞭な道路標示のない場所などが含まれる。さらに、横風や突然の雨、道路を横断する牛や羊などへの対応も想定される環境である。

    卓馭は、こうした条件では従来型の運転支援システムが機能しにくくなると説明している。

    特に重要なのは、車線や道路境界を明確に認識できない場面で、車両がどこを走るべきかを判断する能力である。

    都市NOAや高速NOAでは、比較的整備された道路構造を利用できる場合が多い。しかし山岳道路では、車線表示が不鮮明だったり、道路の形状が急激に変化したりする。

    卓馭は今回、こうした環境でも車載AIによる運転支援を継続できることを訴求した。

    フロントガラスを遮り、AIに走行を任せる

    今回の発売イベントでは、「ブラインド運転」と呼ぶ実演が行われた。

    卓馭によると、車両のフロントガラスを全面的に遮り、運転者とナビゲーターが前方の道路を直接確認できない状態にした。

    そのうえで、天工07に搭載された高度運転支援システム「紅旗司南智駕」が周囲の道路環境を認識し、ナビゲーションの経路に沿って走行を継続した。

    同社は、車両が連続する急カーブを安定して通過し、実演中の人間による運転操作への介入はゼロだったと説明している。

    ここで車両の認識を担ったのが、卓馭のLiDARと異種ステレオカメラを組み合わせたセンサーシステムである。

    天工07では、LiDARの点群情報とカメラ画像をE2Eモデルの内部で融合する方式を採用している。

    この技術構成自体は、9月21日の天工07予約販売開始に伴って明らかにされていたものであり、今回初めて発表されたものではない。

    今回新たに示されたのは、そのシステムを山岳道路という難しい環境で作動させ、さらに人間の前方視界を遮る演出によって、AIによる環境認識と走行判断の能力を訴求したことである。

    ただし、卓馭の発表文では、前方視界を遮った状態で走行した区間の長さや、走行中の交通規制、安全確保措置などは具体的に説明されていない。

    約70kmの全行程を前方遮蔽状態で走行したと判断することはできない。

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    急速に進む中国のCASE(Connected&Cabin,Autonomous,Shared&Service,Electric)やAIについての最新情報。2018年から1日1本以上のレポート配信。毎朝8:00日刊中国モビリティレポートと適時号外レポート

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