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阿維塔、T09で50万元級旗艦SUVに参入――商品体系を二系列化、Huawei・CATL・長安の技術を集約

    [メンバーシップ限定]長安汽車傘下の高級スマートEVブランド、阿維塔(AVATR)は2026年10月11日、フランス・パリで新型旗艦SUV「阿維塔T09」のコンセプト版を世界初公開した。10月12~18日に開催されるパリモーターショーにも出展し、2026年内の正式発売を計画している。

    T09は50万元(約1150万円)級の高級SUV市場を狙う新型車である。ただし、50万元は現時点での市場ポジショニングであり、正式販売価格ではない。

    今回の発表で重要なのは、阿維塔がT09を単なる新型車ではなく、新たに設ける「旗艦系列」の第一弾と位置付けたことである。従来の阿維塔11、12、07、06などを中心とする「数字系列」と合わせ、商品体系を二系列へ再編する。

    同時に、華為(Huawei)のスマート運転・スマートキャビン、長安の車両制御技術、寧徳時代(CATL)の大容量電池を組み合わせ、ブランドとして過去最高水準の技術を投入する方針を明らかにした。

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    阿維塔を「数字系列」と「旗艦系列」に分ける

    阿維塔科技董事長の陳卓氏は、T09の投入によってブランドの商品体系を「数字系列」と「旗艦系列」の二つに分けると説明した。

    数字系列が掲げるのは「随性奢華」である。自由さや個性を重視した高級感であり、優雅さ、スポーティーさ、先進的なデザインを特徴とする。

    これに対して、T09から始まる旗艦系列は「尊崇奢華」を掲げる。重視するのは威厳、落ち着き、存在感である。

    阿維塔はこれまで、従来の高級車とは異なる未来的な造形やスマート技術を前面に出してきた。しかし、50万元級の大型高級SUV市場では、先進性だけでなく、車格にふさわしい存在感や乗員の快適性、走行時の上質さも問われる。

    そこで従来のデザイン思想を維持しながら、より格式や威厳を重視する新たな商品系列を設けたと捉えられる。

    重要なのは、阿維塔が従来の数字系列を旗艦系列へ置き換えるわけではないことである。異なる価値観を持つ二つの顧客層に向け、ブランド内で商品を展開していく。

    VISION XPECTRAを旗艦SUVへ具体化

    T09のデザインを主導したのは、阿維塔科技執行副総裁兼チーフデザイナーのNader Faghihzadeh氏である。

    同氏は、コンセプトカー「VISION XPECTRA」で表現した自由な世界観を、T09では落ち着きと自信を備えた高級感へ発展させたと説明している。

    フロントグリルには、立体的な高さが異なる362個の阿維塔ロゴ要素を配置した。光の当たり方によって陰影が変化する浮き彫り構造とし、建築物のような重厚感を表現する。

    前後の灯火には二層のダイヤモンドカット構造を採用。ボンネットは面積2.1平方メートルの大型クラムシェル式とし、左右に盛り上がりを設けた。

    側面では鋭いラインと曲面を組み合わせ、Dピラーにはアルミニウム製装飾を配置。ルーフが浮いているように見える造形を採用した。

    従来の阿維塔が持つ先進的なデザインを継承しながら、大型SUVとしての量感と威厳を強調している。

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    初公開の内装、Vortexを物理的なインターフェースに

    今回初めて公開された内装では、阿維塔独自の「Vortex情感渦流」が特徴的である。

    Vortexは、車両の機能や状態と連動して光や動きで情報を表現する装置である。360度の継ぎ目のない二段式曲面構造と昇降機構を組み合わせ、内部に118個のRGB LEDを配置する。

    車内のアンビエントライトと連動し、さまざまな発光パターンを表現する。昇降機構には静音モーターを使用し、挟み込み防止機能も設けた。

    阿維塔はこれを、デジタル空間と物理的な車室空間を結び付ける「感情的なインタラクション」と位置付けている。

    一般的な車載ディスプレーが画面上で情報を表示するのに対し、Vortexは光や物理的な動きを通じて、車両の状態を乗員に伝える仕組みである。

    ただし、今回公表された内容だけでは、乗員の感情をAIが認識し、それに応じてVortexが反応する機能まで確認できない。現時点では、車両機能・状態と連動する物理的な表現装置として捉えるのが適切である。

    10.25インチと17.2インチ2枚の三連ディスプレー

    ダッシュボードには、三つの画面を一体化したディスプレー構成を採用する。

    運転席前方に10.25インチのメーターディスプレー、中央と助手席側にそれぞれ17.2インチのディスプレーを配置する。

    両端のエアコン吹き出し口まで含めて一体的にデザインし、横方向に広がる大型の表示領域を形成した。NFCによる接続機能も備える。

    阿維塔が内装で重視するのは、単なるディスプレーの大型化ではない。Vortexのような物理的な装置とデジタル画面を組み合わせ、乗員が車両と接する方法そのものをデザインしようとしている。

    T09では、こうした仕組みを旗艦車の快適性や高級感と結び付けることが狙いとなる。

     
     
    急速に進む中国のCASE(Connected&Cabin,Autonomous,Shared&Service,Electric)やAIについての最新情報。2018年から1日1本以上のレポート配信。毎朝8:00日刊中国モビリティレポートと適時号外レポート

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