【童話】ことばのもり
「おかあさーん」
おかあさんの へんじは ありません
「おとうさ-ん」
いくら まっても おとうさんは きてくれません
「クロちゃーん」
ねこの クロちゃんは いつも きません
ゆうくんは まいごに なってしまいました
ゆうくんは なみだが とまりません
こわくて かなしくて なみだが とまりません
それでも だれも きてくれませんでした
ゆうくんは ゆうきをだして おかあさんを さがすことにしました
おかあさんを さがして あるいていると
いつのまにか もりのなかに いました
「ここは いったい どこなの?」
あたりを みても ぜんぜん しらないばしょです
ゆうくんは かなしく なってしまいました
あきらめないで あたりを みると かんばんが ありました
ゆうくんは なみだを ふいて かんばんのもじを よみました
ことばのもり
ことばのもりは いったことが げんじつに なるよ
げんじつに ならないことも あるかもね
いつ げんじつに なるかは だれにも わからないよ
いったことは ???
よごれていて とちゅうまでしか よめませんでした
「いったことが げんじつに なるって なんだろう」
ゆうくんは よくわかりませんでした
「つめたい!」
ゆうくんの ほっぺに あめのつぶが あたりました
「あめが ふってきた どうしよう ぬれちゃうよ」
ゆうくんは かさも レインコート も もっていません
「あーあ おきにいりの きいろいレインコート が あったら ぬれないのに」
すると ゆうくんの ふくが ひかりはじめました
「なに なに なんで ひかっているの?」
ゆうくんは びっくりしてしまいました
ゆうくんは すっぽりと ひかりに つつまれました
やがて ひかりは きえました
「びっくりしたー あれ きいろいレインコート だ」
いつのまにか ゆうくんは おきにいりの きいろいレインコート を きていました
「なんで きいろいレインコート が あるんだろう?」
あめのひは いつも おかあさんが きいろいレインコート を きせてくれました
「おかあさんが いないのに とっても ふしぎだね」
ゆうくんは すこしだけ たのしくなりました
「ぴょん ぴょん ぴょん」
ゆうくんは たのしく はねるように あるきます
「あっ」
ゆうくんは きのねっこに あしを ひっかけて ころんでしまいました
「いたい いたいよー」
ゆうくんは よくころびます
すると いつも おかあさんが おまじないを してくれました
「いたいの いたいの とんでいけー」
しかし おかあさんは いません
「ひとりは こわいよ ひとりは いやだよ」
ゆうくんの めから がまんしていた なみだが あふれます
「おかあさーん おとうさーん クロちゃーん だれか いないのー?」
だれもいないもりに ゆうくんの なくこえが ひびきました
つづく
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