松本・滞在する旅~半日旅行(③南へ、木曽路・奈良井宿)
松本から南へ30分ちょっと走ると木曽谷に入り、どんどん山の景色に変わります。木曽谷は狭い谷。日が射すのも遅ければ、日が暮れるのも早いです。開けたところには、田畑があり、町があり、人びとが住んでいます。
中山道・木曽路は約80km。贄川宿から馬籠宿まで11宿が置かれました(宿場間の平均距離は8km)。主に外国人ですが、歩き旅の人を見かけます。
松本から奈良井宿までは、車で1時間。家々が見事に保存・修復され、古風を残す夏祭りが行われています。(ヘッダーは奈良井の隣り・平沢)
本連載は、通過する旅に物足りなさを感じ、“滞在する旅” を試した私の体験談と、その結論としての “2年間限定移住のすすめ” です。
信州ファンや滞在型の旅が好きな方の参考になれば、さいわいです。
私のライフワーク「昔の人びとの楽しみ方」の名残りも探っています。
1.奈良井の街並み
江戸時代の中山道のおもむきを伝える宿場町。日本最長(1km)だそうです。かつては峠を前に泊まる人が多く、今は人気観光地です。
宿場町を麓から峠へと向かいましょう!




上問屋史料館(下)に到着。江戸時代、問屋は宿場の物流を担っていました。木曽11宿では、人足25人と伝馬25疋を準備していたとのことです。





2.鳥居峠へ
*奈良井宿からは徒歩1時間強。藪原宿まで通じています。




上の写真を見ると、鳥居の周辺に木はなく、御嶽山の眺望が良かったと思われます。道は広く、これなら大名行列も通れます。
通行がなくなるにつれ、道も鳥居も木々に覆われていったのですね。
3.奈良井の祭り
鎮神社の例大祭は、毎年8月11日に「宵祭り」、8月12日に「本祭り」を催行する夏祭り。
参加者が増える土日に祭りを行うようにしている社寺が多い中、曜日にかかわらず昔からの日程で催行している祭りは古風を守っているといえます。京都の祇園祭の山鉾巡行は7月17日が前祭り。松本では四柱神社の神道祭(10月1~3日)、安曇野では穂高神社の御船祭(9月27日)などが日を決めている祭りです。

(朝8時に出発し、神社へ向かいました。)

13時に鎮神社を出発した御神輿は、1kmの道のりを5時間かけて宿場の端まで進みます。行列には休憩を取りながら進み、参加者は椅子に座って休みます。
というか、動く時間より休憩時間の方が長いのです。
御神輿の前後には裃を纏った囃子方がいます。暑いので扇子であおぐ役がつきます。


「〇〇くん、久しぶり。いま何してるの?」などの会話が聞こえてきましたよ。


みなさんは裃を脱いで、法被に着替え、食事をする時間です。
20時ごろに集合場所の道端にうずくまっていた若者が、「歩けるか? 吐け! 楽なるぞー」、と叱咤激励?されていました。
ここからが若者たちの見せ所。御神輿をかついで、一気に神社まで上っていきます。

「わっしょい、わっしょい」の熱狂とともに神さまを神社へ送ります。
街道の建物のぶつかりそうになりながらも、休憩なしで神社の階段に到着。


21時、多くの人に見守られて本殿前に到着。
このあと、御神体は無事に遷宮されました。
続いて、「バンザイ! バンザイ!」や「奈良井! 奈良井!」のコール。強く、かつ、長く続く地元愛を感じますね。いいなあ。

奈良井宿の松本側には、漆器の街・平沢(漆器祭りの記事)、関所があった贄川宿、そば切り発祥の地といわれる本山宿、諏訪方面の塩尻宿があり、何れも塩尻市内。いいところです。
また、ぶどう・ワインの生産地・桔梗が原や古代遺跡・平出遺跡もありますが、本記事では割愛し、何度も行った奈良井宿にフォーカスしました。
奈良井から足を延ばす一日旅なら、木曽福島、寝覚の床、阿寺渓谷。
日帰りではちょっと時間不足だけど妻籠・馬籠までOK。栗で人気の中津川・すやさんもOK。
木曽路から西へ向かうと御嶽山の麓に広がる開田高原などがあります。景色だけでなく、蕎麦よし、温泉よし、です。
木曽谷、はまりますよ。
■次の記事 松本・滞在する旅~半日旅行(④東へ、美ヶ原高原)
■前の記事 松本・滞在する旅~半日旅行(②西へ、乗鞍高原)
■連載最初の記事 松本暮らし、2年半(①松本へのあこがれ)
■私の書籍 2025年出版。江戸・明治時代の村人たちの楽しみ方と現代生活への応用について書いています。

■昔の楽しみ方の記事
■私のブログ つたない英語に日本語を併記しています。
