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「得意な人に任せる」が、いつも正解とは限らない ─ 比較優位とAI時代のデザイン分業①

最近、Akiさんの「比較優位のデザイン」という興味深い記事に出会って、これからのキャリアやスキル形成を考える上で大事な視点かもしれない、と悶々と考えていました。

そんなときに、もう一つ、ベイジ社の記事「デザイン案をAIで300個作ったライターからの学び」をたまたま読みました。
この2つの記事、関連性があるのでは…?と、チャッピーと会話してみたところ、結構面白い考察が出てきたのでnoteに書いてみます。

これは「AI時代、デザイナーの価値は判断力になる」といった話から、もう一歩考え方を進められるかもしれません。

【8/19追記】思ったよりも長くなってテーマが散ってしまったので、改めて記事を分割して整理することにしました🙏
まずは、そもそも比較優位について、デザイナーさんでもわかりやすように書き出してみます。


「比較優位」とは?

比較優位は、ざっくり言えば、「誰が一番上手にできるか」ではなく、「その人がそれをやることで、代わりに何を諦めることになるか?」から分担を考える考え方です。

比較優位を理解するうえでは、もう一つ「絶対優位」という考え方との違いを見るとわかりやすいです。例を挙げながらこの違いを見ていきましょう。

<前提>
AさんとBさんがいて、2人とも、「デザイン案を作る仕事」と「文章を書く仕事」ができるとします。

絶対優位で考える「誰が得意か?」

1時間でこなせる仕事量が、それぞれ
・Aさん:4案+2本
・Bさん:1案+1本
だとします。

Aさんは、どちらの仕事もBさんより速くこなせますね。

このように、ある仕事を他の人より効率よくこなせる状態を「絶対優位」といいます。この例では、Aさんは両方の仕事で絶対優位を持ってるということになります。

一見すると、「だったら全部Aさんがやればいいのでは?」と思えます。
ここで出てくるのが「比較優位」です。

比較優位で考える「何を諦めるか?」

比較優位では、誰が得意か?だけではなく、ある仕事をすることで、代わりに何を諦めることになるか?を考えます。

例では、Aさんが文章を1本書くには30分かかります。その30分をデザイン案の制作に使えば、Aさんは2案作ることができます。
つまり、Aさんは、文章を1本書くために、デザイン案2案を作る機会を諦めていることになる。

一方、Bさんが文章を1本書くには1時間。その1時間をデザイン案に使った場合、作れるのは1案です。

まとめると、
・Aさん:文章1本を書くために、デザイン案2案を諦める
・Bさん:文章1本を書くために、デザイン案1案を諦める
となります。

文章を書くこと自体はAさんのほうが速いですが、比較優位で考えると文章を書くことで失うものはAさんのほうが大きいということです。

チームで仕事するなら、絶対優位だけで考えると効率が落ちる場面が出てくる

そのため、例えば「文章は1本必要で、そのうえでできるだけ多くデザイン案も欲しい」という状況なら、
・Aさん:デザイン案を担当
・Bさん:文章を担当
と分担したほうが合理的となってきます。

Aさんのほうが文章を書くのも得意なのに、です。ここが絶対優位だけでは出てこない考え方ですね。

ただし、ここで少し注意点もあって、比較優位と「仕事の優先順位」は別の話です。

例えば、今日は何よりも文章を2本完成させることが最重要という状況なら、その場合はBさんではなくAさんに文章を書いてもらったほうがいいですよね。

このような感じで、実際の仕事では、締切や必要な成果物の量、品質、ボトルネックなども含めて考える必要があります。

比較優位は「必ずこの分担にすれば正解」というルールではなく、限られた人や時間をどう回すと効率的なのかを考える一つの視点ということなのは、念頭に置いておきたいです。

これからは、「AI」もチームの一員と捉えて比較優位で考えていく可能性

上記で取り上げたのはあくまでも人同士でしたが、これはAIでも当てはまるのではと思っています。

次回に続けていくのですが、まさに冒頭で取り上げたベイジの記事「デザイン案をAIで300個作ったライターからの学び」の話がそれを示唆しているのではと感じています。

これまでは、あえてざっくり書くのですが
・非デザイナー
・デザイナー
だったのが、AIの登場で、

・非デザイナー+AI
・デザイナー+AI
・AI単体
というパターンを想定した上で分担し、業務フローの設計をしていくべきではないのか?ここで「比較優位」の考え方が有効そうと感じたのが、この記事を書き始めたキッカケです。

書きながら考えているので、またちょいちょい改変していくかもしれませんが、少しでもヒントになれば幸いです。(つづく)

・・・

<余談>
この比較優位の考え方、「私がやった方が早い!」とついタスクを自ら抱え込みがちな人にも有効そうですよね。今もその片鱗が残っていますが、かつての私もそうだったので…🥹

つづき:


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