シューマン「森の情景:予言の鳥」リズムは揺れすぎると怖いけど良い曲はあるよね:ヴィルヘルム・ケンプ
作曲者:シューマン
曲名 :森の情景 Op.82 第7曲「予言の鳥」
演奏者:ヴィルヘルム・ケンプ
紹介記事でこの曲を語るだけでも自爆しそうで怖い難しい曲だけども、
なんとかこの曲を頑張って紹介してみようと思う。
Schumann: Waldszenen, Op. 82: VII. Vogel als Prophet
この曲は曲自体がリズムというものをぼやかしている。その作られた不安定さが不思議なんだけども曲に妙に合っていて聴いていて気持ちがいい。
だから聴く方もリズムを正確に取ろうとせずに、そのリズムの揺れ動きを楽しむといいのかもしれない。
この曲は最初は変な曲に聴こえるかもしれないけども、何度か聴くうちにハマってしまうシューマンの中でもお勧めできる曲の一つだ。
他の人の演奏も聴いてみたけど、リズムをどこまで崩すかはそれぞれ微妙に違っているけども解釈が大きく違うものも見当たらなかった。
そうなるとどの演奏がいいものかの判断も中々つかないんじゃないかと思う。内田光子の演奏だと出来る限りリズムを揃えようと頑張っていた。この演奏のケンプだとせっかくだからリズムを限界までズラしてしまえという解釈じゃないかと思う。
たまにケンプの演奏が聴きたくなるとこの曲を聴いたりしている。
今にして思うとこの演奏でのケンプはリズムよりも旋律を重要視していたんじゃないかと思う。なぜならやけにピアノの音がいいからだ。
それだけ旋律を繊細に大事に演奏してたんだと思う。
ケンプのこの音も昔はそう個性的だとは思って居なかったけども、他の人の演奏なんかを聴いてると十分に個性があったんだなと思う。
ケンプはオルガンをやっていたせいか優しく押し込む打鍵だ。
ソフトすぎる音じゃないかと昔は思ったけども、この曲みたいにピタリと音がハマると流石ケンプだなと思う。
この曲の演奏を聴いていて結局何を思い浮かべたかと言うとブラームスの良い演奏を聴いた後のような満足感だ。
つまりケンプがこの曲で狙ったのはブラームス的な複雑な曲の収束していく満足感だったのではないだろうか。そう考えるとシューマンの作り自体が上手いなと思えるのだ。
