【Lステップ×Make×AI】非エンジニアでも開発可能!LINEで完結する就活支援チャットボット構築秘話
深夜2時、書きかけのES、送信ボタンの押せないメール。AIは就活の「孤独」を救えるか?
「面接のお礼メール、これで失礼じゃないかな…」
「エントリーシート、何回書き直しても不安が消えない…」
「誰か、この気持ち分かってくれる…?」

就職活動という未知への挑戦。
深夜、PCの前で頭を抱える学生たち。
期待と同じくらい、いや、それ以上に大きな不安と隣り合わせの日々を送る就活生のその「困った!」に、私たちは真正面から向き合いたいと思いました。
就職活動という未知への挑戦の中で、学生たちが抱えるこのような不安や孤独感。私たちはこれを、単なる学生個人の問題ではなく、企業と学生のミスマッチを生む大きな壁だと考えました。
就職活動における学生の「不安」は、裏を返せば、学生が本来持つ個性や能力を発揮する機会を奪う企業にとっての「機会損失」に他なりません。
学生が安心して本来の自分を表現できる環境を整えることこそ、企業が未来の才能と出会うための第一歩ではないか。その「困った!」に、企業としてどう向き合い、支えることができるだろうか。

この記事では、私たち自身が企業の採用支援に携わる中で見出した課題を原動力に開発した、就活生のリアルな悩みに特化したAIチャットボットについてご紹介します。

AIは単に文章を生成するだけでなく、就活生が抱える「見えない不安」に
どう寄り添えるのか、その可能性を探ります。
なぜ作ったの? ~すべての始まりは、就活生の切実な「困った!」だった~
開発の原点は、私たち自身の就職活動時代の苦い経験や、
後輩たちの悲痛な叫びにも似た相談でした。
「夜中までかかって書いたエントリーシート、これで熱意が伝わるのかな…」
「面接で頭が真っ白になって、言いたいことの半分も言えなかった…」
「内定辞退のメール、お世話になった企業に失礼なく伝えるには、どんな言葉を選べばいいんだろう…」
一つ一つの言葉選びに悩み、正解が分からないまま時間だけが過ぎていく焦り。孤独な戦いの中で、誰にも相談できずに抱え込んでしまう就活生たちの姿が、そこにはありました。

企業への書類やメールは、選考結果を左右するかもしれない重要なコミュニケーションツール。だからこそ、手を抜けない。でも、その負担が大きすぎて、本来もっと時間をかけるべき自己分析や企業研究、面接対策の時間が奪われてしまうのは本末転倒です。
「この、どうしようもない不安と焦りを、少しでも和らげることはできないだろうか?」
「もっと気軽に、安心して、質の高いコミュニケーションが取れる手助けがしたい!」
その強い想いが、私たちを突き動かしました。
「そうだ、いつでもどこでも、まるで信頼できる先輩に相談するように、AIが就職活動を手伝ってくれるチャットボットを作ろう!」
就活生が、少しでも前向きな気持ちで、自信を持って就職活動に臨めるように。 このAIチャットボットの開発は、そんな切実な願いから生まれたのです。
選ばれたのはこの組み合わせ! ~就活生の「いつも使ってる」に寄り添うために~
「就活生の役に立ちたい!」という想いを形にするために、私たちは「使いやすさ」と「開発のしやすさ」を最優先に考え、以下のツールを選び抜きました。
就活生が特別な準備をすることなく、いつものスマホで、すぐに使える。
それが理想でした。
LINE
就活生にとって最も身近なコミュニケーションツールであるLINEをプラットフォームにすることで、新しいアプリの導入や操作方法の習得といった負担をなくし、相談へのハードルを格段に下げました。
「いつものスマホで、思い立ったときにすぐ相談できる」手軽さを実現したかったのです。
Lステップ
LINE公式アカウントを、もっと便利に、もっとパーソナルに使えるようにする魔法のツール。ユーザーとの細やかなやり取りを実現する「おもてなし役」です。
(↓過去のLステップ解説記事はこちら↓)
Make (旧 Integromat)
ウェブサービスやアプリをブロックのように連携し自動化するツール。「LINEでメッセージ受信後、スプレッドシート情報を読み込みAIへ指示」のような複雑な処理(シナリオ)をプログラミングなしで作成可能。
(↓過去のLステップ解説記事はこちら↓)
makeのアカウント作成の方法から各プランの説明までご紹介しています!
ChatGPT
大量のテキスト学習で、自然な文章理解・生成が可能なAI。
チャットボットでは、Makeからの指示とユーザーのリクエスト(メール種類や概要、添削依頼文)に基づき、最適なメール文案作成や具体的な添削を実施。

これらのツールを組み合わせることで、まるで人間と会話するように自然なAIチャットボットを、専門的なプログラミング知識がなくても開発することができました。
なぜ「LINE×Lステップ×Make×AI」だったのか?~ChatGPTだけでは届かなかった価値~
「ChatGPTだけでも、ある程度のことはできるのでは?」
そう思われるかもしれません。
確かにChatGPTは非常に強力なAIですが、就活生一人ひとりの状況に最適化されたサポートを提供する上では、いくつかの「限界」も見えてきました。
ChatGPT単体の限界点
・都度の指示が煩雑
書類作成やメール作成の度に、状況や企業情報、伝えたいニュアンスなどを細かく指示する必要があり、手間がかかる。

・就活文脈への最適化の難しさ
業界特有の言い回しや、企業が求める人物像に合わせた細やかな表現調整など、就活特有の文脈理解と最適化には限界がある。

・UIの課題と継続性の欠如
やり取りが流れやすく、過去の相談内容を踏まえたサポートや、継続的な進捗管理が難しい。また、就活生が日常的に使うインターフェースではない場合、心理的なハードルも。

そこで私たちは、これらの課題を解決し、就活生にとって本当に価値のあるサポートを届けるために、以下のツールとの連携を選びました。
Lステップを選んだ理由:「一人ひとりに寄り添う」ための多彩な機能
Lステップの導入は、単なるLINEやChatGPTでは難しい、一人ひとりの就活生の希望や状況を深く理解し、寄り添ったコミュニケーションを実現するための鍵でした。
例えば、Lステップ独自の「回答フォーム」機能で就活生の状況や悩みをきめ細かくヒアリングし、その情報を「友達情報欄」に記録・蓄積。

志望業界、選考状況などを一元管理することで、的確でパーソナルなアドバイスを継続的に提供できます。
さらに「タグ機能」で就活生を細かくセグメント分けし、それぞれのニーズに合った情報を最適なタイミングで届ける、オーダーメイドのようなサポートを目指しました。

Makeを選んだ理由:「プログラミング不要のアプリ連携ツール」としての役割
Makeは、まさに「プログラミング不要のアプリ連携ツール」でした。

LINEでのメッセージ受信をトリガーに、Lステップで収集した情報を整理し、スプレッドシートのデータを参照しながら最適な指示をAI(ChatGPT)に送る、といった複雑な連携フローを、専門知識なしで迅速に構築できました。

アイデアをすぐに形にし、改善を繰り返す上で不可欠なツールでした。
これらのツールを組み合わせることで初めて、
「就活生が本当に求めている、温かみのある継続的なサポート」
を実現できると考えたのです。
AI就活支援サービスが完成!|ES作成・適性診断・面接対策までLINEで完結
ついに、これらのツールを組み合わせることで、就職活動中の大学生を対象としたAIチャットボット型支援サービスが完成しました!

Lステップからのユーザーメッセージをトリガーに、Webhook経由でChatGPTやスプレッドシートへ連携し、以下のような高度なサポートが提供されます。
ES自動作成・添削:志望業界や経験に基づき、ESをAIが自動生成し改善点を提案
AI適性診断:簡単な質問に答えるだけで、自分に合う業界やPRの傾向を可視化
就活相談AI:不安や悩みに対し、対話形式で行動プランやアドバイスを提案
メール作成・添削:OB訪問のお礼から面接の日程調整まで、用途に合わせたメール文面をAIが瞬時に作成・改善
これらの機能を通じて、就活生一人ひとりの「困った!」に寄り添い、LINE上で手軽に、そして的確なサポートを提供することが可能になりました。
LINEで頼れる!AIチャットボット型就活支援システムの仕組み
では、これらの頼もしいツールたちは、具体的にどのように連携し、就活をサポートしているのでしょうか?
ここでは一例として、エントリーシートの自己PR文を添削するAIチャットボットの構築方法をわかりやすくご紹介します!
1.Lステップでの構築
①Lステップ内で情報を記録するための友だち情報欄を作成

②回答フォーム回答後に返信するテキストテンプレートパックを作成
1つ目のメッセージでは、後ほどMakeのシナリオで処理を分岐させるためのキーワード(画像の「=ES添削=」部分)と回答フォームで回答した内容を代入するための友だち情報欄を入力します。
2つ目のメッセージでは、ユーザーへの挙動の説明文章を作成します。

③回答フォームを作成
ユーザーへの質問項目を設定し、質問項目内にはユーザーが回答した内容が①で作成した友だち情報欄に代入されるように設定します。

回答後アクションで先ほど②で作成したテンプレートパックを設定して回答フォームを保存します。

今回は設定方法を簡単に説明させていただきましたが、他にも回答フォームでは様々な質問項目を設定可能です。
ぜひ下記のページも参考にしてみてください。
(参考:Lステップ フォーム機能 https://linestep.jp/lp/01/features02.html#form)
これで、Lステップで設定した回答フォームを回答すると、2通のメッセージを返信する設定ができました!

2.Makeのシナリオ作成:LINEのメッセージ受信設定
①makeにログインし、新しいシナリオを作成

②「LINE」の「Watch Messages」モジュールを追加

③LINE接続を設定

LINEモジュールをクリックし、Webhookの「Add」ボタンをクリック
Webhook nameに任意の名前を入力し、Connectionの「Add」ボタンをクリック
Connection nameに任意の名前を入力し、Channel Access TokenにLINE Developersから取得したチャネルアクセストークンを入力して保存
④取得したWebhook URLを保管

3.LステップでのWebhook連携設定
MakeのWebhookURLをLステップの外部連携設定に設定を行います。
①Lステップの左側メニュー「アカウント設定」を開き、「外部連携設定」タブをクリック
(※「外部連携設定」は別途お申込みが必要となります。)

②Webhook転送設定のテキストボックスへmakeから取得した「LINE」の「Watch Messages」モジュールのWebhook URLを入力し「設定を保存」をクリック

4.Makeのシナリオ作成:OpenAI連携の設定
①make画面に戻り「OpenAI」の「Create a Chat Completion」モジュールを追加

②OpenAI APIキーで接続を作成
OpenAIのAPIキー取得方法はこちらの記事で紹介しています!
もし取得がまだの場合は、ぜひご覧ください!

③ChatGPTのモデルを設定(gpt-4o-mini を推奨)
Modelで「GPT-4o:gpt-4o-mini」を選択

④システムプロンプトの設定
「+Add message」を選択
Roleは「Assistant」を選択
Text Contentのテキストボックス内にはプロンプトを入力
(プロンプト内に、LINEモジュールで受信したユーザーメッセージの入った変数を設定)

5.Makeのシナリオ作成:フィルターの設定
LINEに届いたメッセージの中から、特定のキーワード(合言葉)が含まれているメッセージだけを選んで、次のステップ(OpenAI)に進めるためのフィルターを設定します。
①モジュールとモジュールの間を右クリックし、「Set up a filter」をクリック

②Label名は任意の名前を設定し、「Condition」にユーザーメッセージの変数「events.message.text」を選択

③Text operatorsで「Contains」を選択し、1.Lステップでの構築②で設定したキーワード(画像の「=ES添削=」部分)をテキストボックスに設定し「Save」をクリック

6.Makeのシナリオ作成:LINEのメッセージ返信設定
①「LINE」の「Send a Reply Message」モジュールを追加

②LINEと接続
ステップ2の②で設定した「LINE」の「Watch Messages」モジュールのConnectionを設定

③Reply Tokenに「LINE」の「Watch Messages」モジュールで取得した変数「Reply Token」を設定
テキストボックスをクリックし、変数設定画面を開いた後、Eventsのタブを開き、「Reply Token」を選択

④メッセージタイプを「Text」に設定
「+Add item」を選択
Typeから「Text」を選択

⑤OpenAIからの返答をテキストに設定
textのテキストボックスをクリックし、変数設定画面を開いた後、「choices」「message」のタブを開き、「content」を選択

ステップ7:makeの設定の保存
①下の保存ボタンからシナリオを保存

ステップ8:makeでのテストと稼働
①テストデータで確認
makeの下メニューの「Run once」を押し、シナリオをテスト挙動で1回確認することができます。

②LINEアプリ画面からメッセージを送信
フィルターで設定した「=ES添削=」の文字の入ったメッセージを送り、チャットボットから返信されれば動作確認完了となります。

③正常動作を確認後、シナリオを有効化
「Immediately as data arrives」をONにするとシナリオを有効化し、チャットボットが常に起動状態になります。

実際の利用画面
では、実際にこのシステムがどのように動作するのか、利用画面の例をご覧いただきながら、その便利さを体験してみましょう。
就活生がLINE上でこの回答フォームに回答すると、その内容がトーク画面に表示されます。就活生は、その表示された内容をコピーし、改めてLINEのトークに送信します。

ユーザーメッセージからMake内のAIが回答を生成し、ユーザーへの返信がスムーズにLINEで行われます。
これらの機能をWebhook経由で連携させることにより、手作業では膨大な時間と手間がかかるプロセスを自動化することができました。
さらに、ユーザーに対しては24時間365日、迅速で質の高いフィードバックを提供できるようになったのです。
このように、LステップのWebhook連携は、アイデア次第で様々な外部サービスと繋がり、ビジネスの可能性を飛躍的に高める強力な機能なんです!
なぜAIに直接聞くより便利で効果的だったのか?
このAIチャットボットが目指したのは、単にAIの機能を提供するのではなく、就活生が最も効果的にAIの力を活用できる「体験」を設計することでした。
AIに直接質問するだけでは得られにくい、きめ細やかなサポートを実現するために、私たちは以下の3つのポイントを重視しました。
1.「いつもの使いやすさ」で、相談のハードルを下げる
多くの就活生が日常的に利用しているLINEをインターフェースにすることで、「新しいツールを覚えるのが面倒」「わざわざ専門サイトを開くのは手間」といった心理的な障壁を取り除きました。
「スマホを開けば、いつも通りLINEで相談できる」という手軽さが、不安を感じた瞬間の迅速なアクションを可能にします。

2.「あなたの状況、分かっています」を実現する個別最適化
Lステップによる丁寧なヒアリングと、スプレッドシートでの情報管理(過去の相談履歴、志望業界、企業の特性など)を組み合わせることで、AIへの指示(プロンプト)を最適化。これにより、「まるで私のことを分かってくれている」と感じられるような、パーソナルなアドバイスを提供します。

3.実績と個別状況に最適化された、高品質な回答
AIの回答の質は、入力される情報(プロンプト)の質に大きく左右されます。このAIチャットボットでは、1000社を超える企業のLINE採用支援実績によって蓄積された豊富なデータと、それに基づく効果的なプロンプト(AIへの指示)設計を活用しています。

さらに、Lステップを通じて得られた具体的な状況や要望を基に、AIが最も的確な回答を生成できるよう、最適化されたプロンプトを自動生成します。
様々な企業のニーズを学習したAIだからこそ、あなたの状況や目的に的確に合わせ、個々の魅力を最大限に引き出す、より質の高い回答を提供できるのです。
AIとノーコードで、あなたの「やりたい!」を実現しよう!
AIチャットボット型支援サービス開発ストーリー、いかがでしたか?
この挑戦で私たちが掴んだのは、「AIやチャットボットは、専門知識がなくても、誰かの『困った!』を解決したいという熱意があれば作れる!」という確信です。
LINE、Lステップ、Make、AIは、あなたの「誰かを助けたい」「もっとこうしたい」という想いを形にする、心強い味方。この記事を読んで「自分にもできるかも!」と、少しでもワクワクしていただけたら嬉しいです。
この記事が、あなたの「作りたい!」を刺激し、新しい一歩を踏み出すきっかけになることを願っています。
ちなみに、今回大活躍したLステップは、アンケート機能や予約システム連携など、アイデア次第でさらに多様な活用が可能です。
より詳しいLステップの活用法については、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
