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生活者として多文化共生の可能性を探る(25年9月):仲良しこよしでなくてもいい

この数ヶ月書いてきた、参政党が提示する世界観への対案を、私の頭の整理も兼ねてまとめておく。

参政党が提示する課題は、バックグラウンドの異なる相手と私たちはどう暮らしていくのか、という課題なのだろう。社会問題に対して私は専門性を持ち合わせていない素人の生活者であるが、大学で学んだ言語学を通じて、違いの存在を認めることを軸に、多文化共生を目指していきたいと思っている。



参政党の戦前回帰した世界観には共感できない

参政党、目立ち始めた頃は、オーガニックx擬似科学x陰謀論のトンデモ政党で注目に値しないという認識だった。ところが、参院選2025で、支持者が拡大していることに驚いた。危険性を訴える声を私も挙げたし、有識者もそういった声挙げた。しかし、参政党は地方議会も含め着実に支持者を集めて力をつけており、選挙期間中だけでの反論ではまったく届かなかった。

多くの日本人が何十年も戸惑い続けているグローバル化という状況に対し、参政党は国粋主義/排外主義/全体主義といった戦前回帰的で古典的な極右的スローガンで応じた。オーガニック信仰や擬似科学/歴史修正主義、陰謀論はその主張の中にドラマチックな道具として現れ、人びとの物語に酔いたい特性に強く響いたのだろうと思っている。

また、経済の閉塞感や所得や生活の不安定さ、異文化共生で起こる避けがたい摩擦などの打開策としてわかりやすい敵を設定する手法が響いたのかもしれない。日本の歴史を見ても、何か異質なものが目の前に現れたときに、自分と同じものに変えて吸収し問題をなくしてしまおう(見えなくしてしまおう)とする同化的な動きが起こりがちだ。周辺の議論で聞かれる「いい外国人」「悪い外国人」「日本が好きな外国人」のような言説にもそんな同化的な動きがちらつく。日本を単一民族国家と断じるのもそのひとつだ。

一つ一つの課題は現実のものだろう。しかし、これらは何か一つの根本原因をつきとめてそれを叩けばきれいに解決するようなシンプルな物語には収束しないはずである。従って、私は課題意識には共感できるものがあったとしても、参政党の手法には賛同できない。


あなたの暮らしの隣人を知ろう

言語や文化や価値観を押しつけ、それになじまないものは周縁に追いやり排除するのではなく、差異を認めた上で、存在を認め、必要以上に干渉せず、基本的人権を尊重し、権利が衝突する場合に限り公共の福祉の原則をもって個別に調整するような形の共生を探りたい。

そのはじめの一歩として、自分の暮らす町を歩くときにいつもより周りを見てどんな人が住んでいるのか知り、できれば自分の住む通りの人とすれ違うときに挨拶なり会釈なり交わす程度の関わりを持つことから始めてみてほしいと思う。私も今の町に引っ越してから地道に挨拶を続け、同じ通りに住む人と立ち話程度が交わせるようになると町になじみ、引っ越し直後の緊張状態/不安状態や孤立感が解消した。

押しつける異文化/多文化共生に違和感を持つのは理解できる。私も発達障害特性から来るコミュニケーション齟齬を起こしやすく、「何を言ってるかわからない」「はっきりと結論から話せ」などと言われやすい。そういった場面で、異なる文化や常識を強要されることの苦しさを味わうことも多い。ただ、それに対して即座に反発するのではなく、隣人の存在を認め過度に干渉せず、衝突が起こりそうなときには調整をはかる、そういう共生を目指したい。

税や福祉に国籍の区別はない

税金や福祉の制度面では、日本国籍と外国籍の区別は基本的にない。同等の収支であれば日本国籍でも外国籍でも概ね同じような税金を支払っている。同等の福祉を受けられる。言語面で日本語ができないと情報アクセスできないという障壁があったりする分、外国籍の方の方が不利な面があるだろう。すでに日本で暮らしている外国籍の方に関して言えば、制度面ではなく、受け入れる環境、制度を使うための環境をどう整えるかの問題なのではないかと思う。そ日本には法律で定められた公用語が存在しないことにも留意したい。


ただし、義務教育(教育を受けさせる義務)は日本国籍の方のみに適用される。権利としては外国籍の児童にも認められていて、望めば公立小中学校に通うことができるが、ここでも、言葉の壁が障壁になっていて、改善が必要だ。日本語ができないために、特別支援学級で受け入れているような状況もあるようだ。(特別支援級は外国語サポートのための体制ではもちろんない。)


また、難民受け入れについても、出入国在留管理庁(旧:入国管理局)は管理が主な目的であり、難民救済とは性質が異なる。難民を受け入れるのであれば、別途専門の制度設計が必要なはずだ。

出入国在留管理庁のおしごと

ミッション1 出入国管理
日本全国の玄関口を守るおしごと

ミッション2 在留管理
外国の人が日本で暮らせるようにするおしごと

ミッション3 在留支援
なかよく暮らせる社会をつくるおしごと

https://www.moj.go.jp/isa/content/001410894.pdf

私の投票基準は?

私は選挙の公約よりも、その背景となる党の国家観を基準としています。それを知るために、綱領や憲法に対する考え方(草案があれば草案)を確認し、その国に住みたいと思えるかどうか、を考えてみるようにしています。公約(個別の政策案)は、その国家観を実現するための手段であるはずです。あまりにズレた公約が掲げられていれば、実現可能性は低いかもしれません。良さそうに見える公約でも、それを通して実現しようとしている国家観に賛同できなければ、その政党には賛同できない、と考えます。

また、個々の政治家も、党の方針から大きく外れた活動はやりにくいです。国会の法案に対する態度も、討議拘束によって、個人の意見を出すことはできない可能性が高い。

公約を見る前に、何を目的に出来た党なのか、どんな国をつくろうとしているのか、確認してみることをおすすめします。私は、参政党に投票しないのとまったく同じ理由で、自民党にも投票しません。


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