生活者として多文化共生の可能性を探る(25年9月):仲良しこよしでなくてもいい
この数ヶ月書いてきた、参政党が提示する世界観への対案を、私の頭の整理も兼ねてまとめておく。
参政党が提示する課題は、バックグラウンドの異なる相手と私たちはどう暮らしていくのか、という課題なのだろう。社会問題に対して私は専門性を持ち合わせていない素人の生活者であるが、大学で学んだ言語学を通じて、違いの存在を認めることを軸に、多文化共生を目指していきたいと思っている。
外国語を学ぶ意義というのは、#言語 ごとに異なる文法があり、文法が異なると世界の見方/切り分け方が変わり、またそれが不可避であることを知り、さらには言語はあくまで道具であり使い方次第で文法的に苦手な思考を行うことも可能であることを知るところにあると思う。それは手話も同じだろう。
— 虫 (@arawarearawaru) March 3, 2024
参政党の戦前回帰した世界観には共感できない
参政党、目立ち始めた頃は、オーガニックx擬似科学x陰謀論のトンデモ政党で注目に値しないという認識だった。ところが、参院選2025で、支持者が拡大していることに驚いた。危険性を訴える声を私も挙げたし、有識者もそういった声挙げた。しかし、参政党は地方議会も含め着実に支持者を集めて力をつけており、選挙期間中だけでの反論ではまったく届かなかった。
多くの日本人が何十年も戸惑い続けているグローバル化という状況に対し、参政党は国粋主義/排外主義/全体主義といった戦前回帰的で古典的な極右的スローガンで応じた。オーガニック信仰や擬似科学/歴史修正主義、陰謀論はその主張の中にドラマチックな道具として現れ、人びとの物語に酔いたい特性に強く響いたのだろうと思っている。
また、経済の閉塞感や所得や生活の不安定さ、異文化共生で起こる避けがたい摩擦などの打開策としてわかりやすい敵を設定する手法が響いたのかもしれない。日本の歴史を見ても、何か異質なものが目の前に現れたときに、自分と同じものに変えて吸収し問題をなくしてしまおう(見えなくしてしまおう)とする同化的な動きが起こりがちだ。周辺の議論で聞かれる「いい外国人」「悪い外国人」「日本が好きな外国人」のような言説にもそんな同化的な動きがちらつく。日本を単一民族国家と断じるのもそのひとつだ。
一つ一つの課題は現実のものだろう。しかし、これらは何か一つの根本原因をつきとめてそれを叩けばきれいに解決するようなシンプルな物語には収束しないはずである。従って、私は課題意識には共感できるものがあったとしても、参政党の手法には賛同できない。
参政党の憲法草案は以下。各党の憲法草案や綱領は、その党がどのような国家をつくろうとしているかの基本方針だ。選挙の公約やキャッチコピーを見る前に一度目を通すべき。https://t.co/5wS8JjT6My
— 虫 (@arawarearawaru) August 21, 2025
抜粋:戦争はまた、国民にたいしてつねに国家への忠誠を要求します。教育勅語は学校教育だけでなく、国民生活の規範として、事あるごとに強調され、「滅私奉公」が叫ばれます。「「臣民の権利義務」として認められた諸権利も、法律や政府の命令によって厳しく制限されました。https://t.co/81bI4iwWLn
— 虫 (@arawarearawaru) August 21, 2025
あなたの暮らしの隣人を知ろう
言語や文化や価値観を押しつけ、それになじまないものは周縁に追いやり排除するのではなく、差異を認めた上で、存在を認め、必要以上に干渉せず、基本的人権を尊重し、権利が衝突する場合に限り公共の福祉の原則をもって個別に調整するような形の共生を探りたい。
そのはじめの一歩として、自分の暮らす町を歩くときにいつもより周りを見てどんな人が住んでいるのか知り、できれば自分の住む通りの人とすれ違うときに挨拶なり会釈なり交わす程度の関わりを持つことから始めてみてほしいと思う。私も今の町に引っ越してから地道に挨拶を続け、同じ通りに住む人と立ち話程度が交わせるようになると町になじみ、引っ越し直後の緊張状態/不安状態や孤立感が解消した。
押しつける異文化/多文化共生に違和感を持つのは理解できる。私も発達障害特性から来るコミュニケーション齟齬を起こしやすく、「何を言ってるかわからない」「はっきりと結論から話せ」などと言われやすい。そういった場面で、異なる文化や常識を強要されることの苦しさを味わうことも多い。ただ、それに対して即座に反発するのではなく、隣人の存在を認め過度に干渉せず、衝突が起こりそうなときには調整をはかる、そういう共生を目指したい。
抜粋:マイノリティの訴える困難や課題が、マジョリティの関心事にいつのまにかすり替えられ、小さく弱い声がかき消されてしまうのは、非常によくあることです。マイノリティの運動の簒奪…、などとも呼ばれています。しかしよりによって「共生」という言葉を簒奪するとは。https://t.co/41EErzfkd4
— 虫 (@arawarearawaru) September 12, 2025
こちらも是非。→村中:残虐で非道な行為であったとして「これも1つの多様性だ尊重しろ」という論理…は本来的な多様性尊重の精神とは真逆の方向であり、それを認めてしまうことはあってはならないhttps://t.co/2bYUQ3fcwc#ss954 #utamaru #ニューロダイバーシティ
— 虫 (@arawarearawaru) June 29, 2022
「多様性は性善説を壊す」を望ましいと捉えるか危機と捉えるか。私は肯定的。世間が実は既に多様であると気づくこと、互いの考え方感じ方は実は結構違うと気づくことで、自分が性善説に対して過度の期待を寄せていたことに気づき、自己や世界に素直に向き合うきっかけを得る。「まさか」は起き続けてる https://t.co/49dggHSdvh
— 虫 (@arawarearawaru) January 18, 2025
税や福祉に国籍の区別はない
税金や福祉の制度面では、日本国籍と外国籍の区別は基本的にない。同等の収支であれば日本国籍でも外国籍でも概ね同じような税金を支払っている。同等の福祉を受けられる。言語面で日本語ができないと情報アクセスできないという障壁があったりする分、外国籍の方の方が不利な面があるだろう。すでに日本で暮らしている外国籍の方に関して言えば、制度面ではなく、受け入れる環境、制度を使うための環境をどう整えるかの問題なのではないかと思う。そ日本には法律で定められた公用語が存在しないことにも留意したい。
抜粋:外国人であっても、一定の要件に当てはまる場合には、税金を納める必要があります。税金を納めなければならない例として、次のようなものがあります。
— 虫 (@arawarearawaru) October 20, 2025
・日本国内で働いて得た収入がある人
・1月1日現在で日本に住所がある人
また、外国人でも、消費税を負担する…https://t.co/rrilRLWHpx
抜粋:日本の国語は日本語であるとか、公用語は日本語であるなどと定める条文はないhttps://t.co/pxLN4ElVmu
— 虫 (@arawarearawaru) October 10, 2022
ただし、義務教育(教育を受けさせる義務)は日本国籍の方のみに適用される。権利としては外国籍の児童にも認められていて、望めば公立小中学校に通うことができるが、ここでも、言葉の壁が障壁になっていて、改善が必要だ。日本語ができないために、特別支援学級で受け入れているような状況もあるようだ。(特別支援級は外国語サポートのための体制ではもちろんない。)
文科省(抜粋):我が国においては、外国人の子の保護者に対する就学義務はありませんが、公立の義務教育諸学校へ就学を希望する場合には、国際人権規約等も踏まえ、その子を日本人児童生徒と同様に無償で受け入れているところです。https://t.co/ZVcvO9W8MB
— 虫 (@arawarearawaru) September 6, 2023
抜粋:「…今では、日本国籍を持っているからといって、必ず日本語ができるわけではない…指導が必要な児童生徒の調査を文科省が…外国籍と日本国籍の両方を調査の対象に…調査結果では、日本国籍の子どもにも、日本語指導が必要な子がいることが示されているんです。…」https://t.co/h16O6SlxhC
— 虫 (@arawarearawaru) April 3, 2023
抜粋:文科省…担当者は「障害児向けの…と日本語教育は…別物…適切な教育が受けられず不利益」…日本語を教える団体…「…支援学級に入っている外国人の子どもは(障害があるため)日本語を教えても意味がないと…入会…を断る方針になってしまった」…https://t.co/dJQ4zSS6Ds
— 虫 (@arawarearawaru) May 4, 2023
また、難民受け入れについても、出入国在留管理庁(旧:入国管理局)は管理が主な目的であり、難民救済とは性質が異なる。難民を受け入れるのであれば、別途専門の制度設計が必要なはずだ。
出入国在留管理庁のおしごと
ミッション1 出入国管理
日本全国の玄関口を守るおしごと
ミッション2 在留管理
外国の人が日本で暮らせるようにするおしごと
ミッション3 在留支援
なかよく暮らせる社会をつくるおしごと
私の投票基準は?
私は選挙の公約よりも、その背景となる党の国家観を基準としています。それを知るために、綱領や憲法に対する考え方(草案があれば草案)を確認し、その国に住みたいと思えるかどうか、を考えてみるようにしています。公約(個別の政策案)は、その国家観を実現するための手段であるはずです。あまりにズレた公約が掲げられていれば、実現可能性は低いかもしれません。良さそうに見える公約でも、それを通して実現しようとしている国家観に賛同できなければ、その政党には賛同できない、と考えます。
また、個々の政治家も、党の方針から大きく外れた活動はやりにくいです。国会の法案に対する態度も、討議拘束によって、個人の意見を出すことはできない可能性が高い。
公約を見る前に、何を目的に出来た党なのか、どんな国をつくろうとしているのか、確認してみることをおすすめします。私は、参政党に投票しないのとまったく同じ理由で、自民党にも投票しません。
関連ポスト
#参院選2025
— 虫 (@arawarearawaru) July 9, 2025
お借りします。排外主義批判、差別批判に賛同。出会った移民の友から何を学び何を返すか(交歓)、違いを認め適切な距離を保っていけるか(共生)を意識して、排外主義にカウンター入れていきたい。https://t.co/DDmqUZ0gtj
抜粋:多文化共生は、決して生やさしい事柄ではない。「みんなちがって、たいへんだ」…恥辱や痛みに耐えながら、私たちは、古い服を脱ぎ捨てて、新しい衣装をまとい、新しい多様な仮面をかぶらなければならない。時間はかかる。その時間の重みにも耐えなければならない。https://t.co/vL7NJqRUcS
— 虫 (@arawarearawaru) June 4, 2024
抜粋:…今までの経験から、ただ壁を取り払うと、強いほうが弱いほうを飲み込んでしまう。…ですので、その壁を大切にして、それを建てたまま、壁と壁を半歩ずつ超えて、壁と壁のすきまで、一緒にできることを少しずつ広げていきましょうと。それが「異和共生」の考え方なんです。 https://t.co/jyjaaYfoYk
— 虫 (@arawarearawaru) July 22, 2023
宇野:バーク…彼は言います。保守主義というのは単に過去に戻ろうとか、伝統主義、復古主義という思想とは異なる。何が自分たちにとって大切なのかを見極め、それを守るためにこそ、必要があれば社会のあり方、政治の仕組みを変えていくのが保守主義だというのです。
— 虫 (@arawarearawaru) July 4, 2022
