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浮世絵で旅する|江戸の名物【白玉入り冷水】夏をしのぐひんやり甘味

鈴木春信《水売り》  
出典:ColBase

「ひゃっこーい、ひゃっこい。」

江戸の夏の町に響いていたのは、  
冷たい水を売り歩く人のかけ声でした。



江戸では、店舗を構える商店のほかに、屋台や、棒手振り(ぼてふり)と呼ばれる行商人たちが 町を行き交っていました。

棒手振りとは、天秤棒で商品をかついで売り歩く小売商人のこと。商品名を呼びながら歩くその姿は、  江戸の風物詩でもありました。

歌川豊国《美人と水売り》  
出典:ColBase

水売りも、そんな棒手振りのひとつ。

冷たい水は、ひんやりと感じられるよう  
錫(すず)の容れ物に入れて売られていました。

撮影:ケリー津々楽  
※江戸東京博物館 常設展にて撮影(撮影可能展示)

こうして、町のあちこちで  “涼”が売られていたのです。



さらには、冷たい水に白糖を加え、白玉を入れた  
「白玉入り冷水」も登場します。

つるんとした白玉の食感と、ひんやりした水。  
暑い夏には、何よりのご褒美だったのかもしれません。

さて、こちらの団扇絵にも白玉が描かれているのですが…

歌川国芳《名酒揃 志ら玉》  
出典:ColBase

白玉も、最初は白いものだけでしたが、  
やがて紅を加えた斑玉へと  
少しずつ華やかに変化していきました。



さらにこちらは、広重と三代目豊国(歌川国貞)による合作。

紫陽花を広重が、人物を豊国が描いています。  
向かって右の人物が持つお椀の中に、  
白玉が見えます。

広重・豊国『当盛六花撰 紫陽花』  
出典:国立国会図書館デジタルコレクション


暑い夏に、つるんと白玉。

江戸の人たちは、  
こうして涼しさを味わいながら、  
夏を過ごしていたのかもしれません。

ほんのひととき、  
そんな“ひんやりした時間”を  
想像してみたくなりますね。

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歌川国芳《名酒揃 志ら玉》 (部分)
出典:ColBase


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