転職活動で「自分の強みがわからない」ときは、他人を見るように自分を見てみる
「あなたの強みは何ですか?」
転職活動をすると、かなりの確率で聞かれる質問だ。これ、私は昔からちょっと苦手だった。
人の強みを見つけるのは、結構好きだ。
仕事で誰かと話しているとき、
「この人、ここがすごいな」
「この人は、こういう仕事を任せたら伸びそうだな」
と考えるのは楽しい。
でも、自分のことになると途端に難しい。
自分の強みって、なんだろう。
人のことなら、すぐに見つかるのに
今の仕事では、人材開発に関わっている。
これまで部下を持っていたときも、メンバーと1対1で話す機会は多かった。
そういうとき、私はその人の「いいところ」を探すのが好きだった。
仕事が速い。
説明がわかりやすい。
人との距離の縮め方がうまい。
慎重に考えてから動く。
周りが気づかないところによく気づく。
本人にとっては当たり前のことでも、周りから見ると、それがその人らしい強みだったりする。
だから、「あなたの強みはここだと思うよ」と伝えるのは、結構好きな仕事だ。
ところが。
いざ自分のことになると、まったく同じことができない。
「私の強みは?」
と聞かれると、急に言葉が出てこなくなる。
「強み」は、特別な才能じゃなかった
32歳のときに転職活動をした。
そのとき、自分のこれまでの仕事を振り返ることになった。
それまでやってきたことを、一つずつ書き出してみる。
プロジェクトを立ち上げた。
社内外の関係者を調整した。
クライアントと折衝した。
いろいろな人を巻き込みながら仕事を前に進めた。
最初は、ただの「やってきたこと」の一覧だった。
でも、いくつかの仕事を並べてみると、同じようなことを何度もやっていることに気づいた。
私は、専門的な知識を一人で突き詰めるタイプではない。
何かを緻密に分析して、完璧な答えを出すことが一番得意なわけでもない。
でも、
人と人の間に入る。
違う立場の人をつなぐ。
なんとなく曖昧な状態から、周りを巻き込みながら前に進める。
どうやら、私はそういうことを繰り返してきたらしい。
それまで「人と話すのが得意」くらいにしか思っていなかったことが、仕事上の強みとして見えてきた。
「なぜか自分に頼まれること」を探してみる
自分の強みがわからないとき、私は「何が得意ですか?」と自分に聞くより、
「なぜか自分に頼まれることは何だろう?」
と考えるほうがいいと思っている。
例えば、
なぜか会議の進行役を頼まれる。
困ったときに相談される。
初対面の人との打ち合わせに呼ばれる。
トラブルが起きたときに「ちょっとお願い」と言われる。
新人の面倒を見てほしいと言われる。
こういうことは、自分では「たいしたことじゃない」と思っているかもしれない。
でも、他の人から見ると、それは明確な強みなのかもしれない。
自分にとって簡単なことほど、自分では価値に気づきにくい。
他人を見るように、自分を見てみる
私は人の強みを見つけるとき、その人の「すごい実績」だけを見ているわけではない。どちらかというと、普段の仕事ぶりを見ている。
どんなときに生き生きしているか。
どんなことを頼まれているか。
周りの人が、その人の何を評価しているか。
だったら、自分を見るときも同じでいい。
過去の仕事を振り返って、「私は何をした?」だけではなく、「周りから、私は何を期待されていた?」と考えてみる。
そして、「なぜ、それを私に頼んだんだろう?」まで考えてみる。そこに、自分では気づいていない強みが隠れていることがある。
強みは、「これから作るもの」だけじゃない
転職を考えていると、
「もっとスキルを身につけないと」
「何か資格を取ったほうがいいかな」
と考えがちだ。
もちろん、それも大切だと思う。
でも、その前に一度、これまでの自分を振り返ってみてもいい。
これまで何年も働いてきたなら、すでにたくさんの経験が積み重なっている。
その中には、自分では「普通」と思っていることもたくさんあるはずだ。
でも、その「普通」が、別の会社では欲しいスキルかもしれない。
私自身、32歳の転職活動でそれを知った。
そして今は、人の強みを見つける側になっている。
不思議なものだ。
昔の私は、自分の強みがよくわからなかった。
今は、人と話していると、「この人のここ、すごくいいな」と見つけるのが楽しい。
だったら、自分に対しても、もう少し同じようにしてあげてもいいのかもしれない。
「こんなの誰でもできる」と片づけずに、「これ、私のいいところかもしれないな」と拾ってあげる。
自分の強みがわからないときは、自分を評価しようとするのではなく、少し離れたところから観察してみる。
転職活動を始めるときも。
これからのキャリアを考えるときも。
まずは、これまでの自分が何を積み重ねてきたのかを、他人を見るような目で眺めてみる。
思っているより、自分には「使えるもの」がたくさんあるかもしれない。
▼転職活動をしたときの話はこちら
▼強みはときに、変わることもある
▼一方で、場所が変わっても変わらない強みもある
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