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32歳で会社を「選ぶ側」になった私の転職活動

32歳のとき、私は転職活動をした。
いくつかの会社の選考を受け、複数社から内定をもらった。

最終的に選んだのが、今も働いている会社だ。
ちなみに、転職によって年収は300万円ほど上がった。

この話は以前noteにも書いたので、今回は年収の話ではない。

私が32歳の転職で一番大きく変わったのは、「会社に選んでもらう」だけではなく、「自分が会社を選ぶ」という感覚を持てたことだった。

そして、そのきっかけになったのが、それまでやってきた仕事を「編集」して、相手が求めているものに合わせて伝えることだった。


28歳の私は、「面白い仕事」を選んだ


28歳のとき、私は東京に出た。
当時のことは以前の記事にも書いたけれど、もっと面白い仕事がしたかったことが理由だ。

地方都市で5年ほど働いて、大きなプロジェクトもいくつか経験した。そんなとき、東京本社で公募があった。

「これ、私がやりたかった仕事じゃない?」
そう思って、思い切って手を挙げた。

東京に行きたかった。面白い仕事がしたかった。
だから、その仕事を選んだ。
今振り返ると、28歳の私はまだ、「自分が会社を選ぶ」なんて発想を持っていなかった。

まずは、目の前に現れたチャンスをつかむ。
それで精一杯だった。

32歳になると、少し景色が変わっていた

それから5年。東京で仕事をしているうちに、私にもそれなりに「武器」と呼べるものが増えていた。

大きなプロジェクトを動かした経験。
社内外の関係者を巻き込んだ経験。
クライアントとの折衝。
プロジェクトマネジメント。
学生時代に学んだ統計の知識。

20代前半の頃には、ただの「経験」だったものが、32歳になった頃には、少しずつ自分の強みとしてつながり、説明できるようになっていた。

たまたま、そのタイミングで所属していた部署が解散となり、そこで転職を考え始めた。

「やってきたこと」を並べるだけでは伝わらない


転職活動を始めて、私が意識したことがある。
それは、自分がやってきたことを、そのまま説明しないこと。

会社によって、欲しい人材は違う。
同じ経験でも、ある会社にとっては魅力的なスキルになり、別の会社にとってはそれほど重要ではない。

だから私は、応募する会社がどんな人を求めているのかを考えた。そのうえで、「私がこれまでやってきたことの中で、この会社が求めているものに近いのは何だろう?」と、自分の経験を組み替えていった。

例えば、単に「プロジェクトをやりました」と言うのではなく、どんな規模だったのか、どんな人を巻き込んだのか、どんな問題が起きたのか、自分は何を考えてどう動いたのか、そしてそれが応募先の会社でどう活かせるのか、というところまで説明する。

経験そのものは変えられない。
でも、その経験の「見せ方」は変えられる。
私はそれを意識して、自分のキャリアをプレゼンした。

すると、いくつかの会社から声がかかった

結果として、複数の会社から内定をもらうことができた。そこで初めて、「あれ?」と思った。

私、会社を選べるんだ。

それまでの私は、転職というと、「こんな私でも採用してもらえる会社はあるだろうか」という感覚だった。
でも、このときは違った。
「どの会社なら、自分の経験を一番活かせるだろう?」
「どんな仕事ができるだろう?」
「どんな人たちと働きたいだろう?」
と考えるようになった。

「面白そう。でも、私とは正反対」

最終的に選んだのが、今働いている会社だった。
実は、転職活動を始める前の私にとって、この会社は少し不思議な存在だった。

面白そう。でも、私とは正反対の性格の人たちが働いていそう。

お堅くて、真面目で、研究者気質。
一方の私は、コミュニケーションは得意だけれど、勢いと雰囲気で何とかするタイプだ。
「私、ここでやっていけるのかな」そんなことも思っていた。

ところが、面接で言われた。
「あなたには、会社のメンバーをタコ壺から引っ張り出して、つなげる。そんな役目を負ってほしい」

タコ壺。
それぞれが自分の専門領域を深く掘り下げている人たちを、外の世界とつないだり、人と人をつないだりする。
そんな役割を私に期待しているという。

私は思った。
なにそれ、楽しそう。

そして、何より嬉しかった。
まだ入社もしていない私に、「あなたは、この会社でこんなことをしてくれる人」という居場所をイメージしてくれていたからだ。

転職は「自分を変えること」だけじゃない

転職を考えるとき、「今の会社が嫌だから辞めたい」
というところから始める人も多いと思う。

もちろん、それも立派な理由だ。
でも、もし転職活動をするなら、一度立ち止まって、「私は何ができるんだろう?」と考えてみてほしい。

そして、自分の経験をただ並べるのではなく、
「その会社が欲しいものに、自分の経験のどこがつながるだろう?」と考えてみる。

それだけで、自分のキャリアの見え方が少し変わるかもしれない。

私自身、32歳の転職活動をするまで、自分が「会社を選ぶ側」に回れるなんて思っていなかった。
でも、これまで積み重ねてきた経験を整理して、相手に伝わる形に編集してみた。

そうしたら、いくつかの会社が私を必要としてくれた。その中から、自分が「ここで働きたい」と思える会社を選んだ。

転職って、「今の会社を辞めること」だけじゃない。
自分がこれまで何を積み重ねてきたのかを知って、これからどこでそれを活かしたいのかを考えることでもある。

32歳の私は、そこで初めて知った。
「会社に選ばれるだけじゃなく、自分も会社を選んでいいんだ」ということを。


▼「強み」の見つけ方についても記事を書いてます

▼転職しても通用した、仕事の型の話


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