経理の残業が減らない原因は属人化です|対策も解説
はじめに
結論から言います。経理の残業が減らない原因は、属人化です。
属人化とは、業務の仕組みが存在せず、人に依存している状態です。この状態が続く限り、業務は持続的に回らなくなります。問題は人ではありません。業務の仕組みです。
同じ問題を繰り返したくない方は、ぜひフォローしてください。
BackofficeForceは、属人化を解消し、AI-readyなバックオフィスを構築する会社です。
経理の残業を減らそうと、会社はいろいろ試してきました。ノー残業デーを作り、業務効率化を呼びかけ、人も一人増やしました。それでも月末月初になると、経理の席の灯りは消えません。特にベテランの担当者は、毎月決まって最後まで残っています。「経理は締めがあるから仕方ない」。いつしか、それが社内の共通認識になっています。
でも、本当に仕方ないのでしょうか。経理の残業の正体を分解すると、処理の量そのものではないことが分かります。正体は、偏りです。作業が締め日に集中する時間の偏りと、判断が特定の一人に集中する人の偏り。この二つの偏りを生んでいるのが属人化です。量の問題なら人を増やせば解決します。でも偏りの問題は、人を増やしても解決しません。偏ったまま、人だけが増えるからです。この記事では、経理の残業が減らない本当の理由と、残業に頼らず締まる仕組みの作り方を解説します。
実際の現場で起きていること
月末月初だけ、毎月残業が爆発する
月の半ばの経理は、比較的落ち着いています。ところが月末が近づくと空気が変わります。請求書の発行、支払いの準備、経費の締め、そして月次決算。作業が一斉に押し寄せ、残業が始まります。月初の数日はさらに山場で、深夜までの残業が続く。そして中旬になると、また落ち着く。
毎月、同じ山と谷を繰り返しています。年間の残業時間を集計すると、その大半が月末月初の10日間に集中している。つまり、月の3分の1の時期の働き方が、経理の残業のほぼすべてを作っているのです。逆に言えば、この10日間の作業を月内にほぐせれば、残業の大半は消える計算になります。
ベテランだけが、いつも残っている
もう一つの光景が、残る人の固定化です。他のメンバーが帰った後も、ベテランの担当者だけが残っています。イレギュラーな取引の処理、他のメンバーが処理した仕訳のチェック、日中に受けた質問対応で進まなかった自分の作業。全部がその人のところに集まってくるからです。
本人に聞くと、こう言います。「教える時間がもったいないので、自分でやったほうが早いんです」。実際、その通りなのです。判断基準がその人の頭の中にしかない以上、人に振るには説明が要り、説明するより手を動かすほうが速い。こうして仕事はますますその人に集まり、その人の残業だけが増え続けます。
人を増やしたのに、残業が減らない
見かねた経営者は、増員を決めます。ところが新しい人が入っても、残業は減りません。むしろ一時的に増えます。教える時間が、ベテランの業務に上乗せされるからです。
判断基準が文書になっていない職場では、新しい人は一件ごとに聞きに来ます。ベテランは自分の締め作業を中断して答え、中断のたびに効率が落ち、遅れた分を残業で取り返す。数ヶ月経っても、任せられるのは迷いのない定型作業だけで、締めの山場と判断が要る仕事は相変わらずベテランに残ったまま。人件費は増えたのに、残業時間は変わらない。この結果を見て「採用に失敗した」と結論づける会社は少なくありません。でも、失敗したのは採用ではなく、その前の仕組みづくりです。
なぜ経理の残業が減らないのか
残業の正体は「量」ではなく「集中」だから
同じ処理量でも、月内に分散すれば定時で終わり、締め日に集中すれば残業になります。多くの経理の現場では、「月末にまとめてやる」運用が疑われないまま続いています。請求書が届いても月末まで寝かせる、経費計上は締めの直前にまとめて処理する、チェックは最後に一気にやる。
まとめる運用は、一見効率的に見えます。でも実際は、月末の作業を膨らませ、集中による焦りがミスを生み、ミスの修正がさらに残業を増やします。月末にまとめる習慣は、工数だけでなくミスの原因でもあるのです。処理量を減らさなくても、処理のタイミングをほぐすだけで、残業の山は大きく崩せます。ところが「いつ、何を、どこまでやるか」が担当者の頭の中の段取りに任されている職場では、この平準化は誰にも手がつけられません。
判断の集中が、特定の一人の残業を固定化するから
経理の仕事は、手を動かす作業と、どう処理するかを決める判断でできています。作業は分担できても、判断基準が言語化されていなければ、判断は分担できません。だから判断が要る仕事は全部ベテランに集まり、他のメンバーの質問もベテランに集まり、チェックもベテランが担う。
「自分でやったほうが早い」は、その場では正しい判断です。でもその選択を毎日繰り返した結果、業務はその人の中に溜まり続け、その人の残業は仕組みとして固定化します。そして皮肉なことに、抱え込むほど言語化の時間はなくなり、言語化しないからさらに抱え込む。この循環は、本人の意思では抜けられません。
残業が「頑張り」として承認され、仕組みの欠陥が見えなくなるから
根っこには、残業への評価があります。締めを守るために夜遅くまで残る担当者は、責任感のある人として評価されます。実際、責任感があるのです。でも、その頑張りが締めを守ってしまうために、経営者からは問題が見えません。「大変そうだけど、ちゃんと回っている」。
回っているのは、仕組みではなく、その人の残業です。残業は、業務の仕組みの欠陥を人の時間で埋めている状態であり、本来は欠陥を知らせるアラームです。アラームを美談として受け取っている限り、仕組みは直されず、残業は減りません。そしてその人が限界を迎えて辞めたとき、会社は初めて、回っていたのが仕組みではなかったことを知るのです。
解決方法:残業に頼らず締まる仕組みの作り方
このような問題は、BackofficeForceが多くの企業で見てきた典型的なケースです。
第一に、業務を分解して、締め日から作業を引き剥がします。
月末月初に固まっている作業を洗い出し、「本当に締め日にしかできないのか」を一つずつ問い直します。請求書の処理は届いた日に、経費の計上は月初から小出しに、チェックは週次に。締め日にしかできない作業は、実は多くありません。作業のタイミングを月内にほぐすだけで、山は崩れます。担当者の頭の中の段取りを、誰でも見えるスケジュールに変えることが、平準化の第一歩です。
第二に、判断基準を言語化して、質問と確認を減らします。
「この取引はこの科目」「このケースはこう処理する」という判断を文書にします。基準が共有されれば、他のメンバーは聞かずに処理でき、ベテランへの質問の行列が消えます。質問一回ごとの中断と往復が減れば、ベテラン自身の作業時間も戻ってきます。残業削減とは、作業を速くすることより先に、確認のやり取りを減らすことです。
第三に、作業者とチェック者を分離します。
処理する人と確かめる人を分けます。チェックの観点はチェックリストに落とし、ベテランでなくても確認できる形にする。一件ずつ突き合わせるのではなく、前月比などの推移で異常を捕まえれば、チェックは速く確実になります。作業もチェックも判断も一人が抱える体制は、その人の残業を生むだけでなく、ミスの見落としの温床でもあります。
第四に、標準化した定型業務は、外部とAIに渡します。
言語化と平準化を終えた定型業務は、社内で抱える必要がありません。外部やAIに渡し、社内の人材は判断とチェックと改善に集中する。残業で吸収する働き方を、仕組みで吸収する働き方に切り替えます。「経理は締めがあるから残業は仕方ない」は、仕組みのない会社の常識です。仕組みのある会社では、締め日は残業の理由になりません。
BackofficeForceの位置づけ
14年・3,500社以上のバックオフィス支援に携わってきたBackofficeForceは、この問題を何度も見てきました。代表の筧智家至は公認会計士・税理士で、経理の実務を代行するだけでなく、業務の仕組みそのものを作り直すことを事業の中心に置いています。
支援はまず業務の分解と可視化からです。仕訳伝票の起票・レビュー、入金消込、月次決算補助、給与計算、社会保険手続き。これらの手順と判断基準を言語化し、独自システムKITHUBでマニュアルとして一元管理します。マニュアル整備率は98%以上、工数削減実現率は95%以上。最短2ヶ月で業務が安定し、月次締めを15日後まで短縮できる仕組みを構築しています。
体制は正社員50名・パートナー400名。プロジェクトマネージャーを中心に、引継ぎ担当・マニュアル担当・作業担当・チェック担当が分業し、作業と判断とチェックが特定の一人に集中しません。担当者の残業ではなく、仕組みで締まるバックオフィスを実現します。
まとめ
経理の残業が減らないのは、処理量が多いからでも、担当者の効率が悪いからでもありません。作業が締め日に集中し、判断が一人に集中する、二つの偏りがあるからです。そしてその偏りを、担当者の責任感と残業が埋めてしまうために、仕組みの欠陥はいつまでも見えません。人を増やしても、偏ったまま人が増えるだけです。
解決の順番は決まっています。業務を分解して、締め日から作業を引き剥がす。判断基準を言語化して、質問と確認を減らす。作業者とチェック者を分離する。そして標準化した定型業務は外部とAIに渡す。残業は頑張りの証ではなく、仕組みの欠陥を知らせるアラームです。アラームを美談にせず、仕組みを直した会社から、経理の灯りは定時に消えていきます。
これは予測ではありません。すでに多くの会社で起きている現実です。
AI時代には、AI-readyなバックオフィスの構築が必要です。
BackofficeForceは、このような問題を仕組みから解決します。
BackofficeForceは、属人化を解消し、AI-readyなバックオフィスを構築する会社です。
問題は人ではありません。業務の仕組みです。
すっと解決、ずっと安定。
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