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妻の理不尽は「三谷幸喜の脚本」だと思い込む生存戦略【Day 18】

【これまでのあらすじ】 4年前の金銭トラブルで妻への信頼を失った僕。 再構築のために「妻を同僚になる」ことを目指しています。
▶第1話から読む(妻と「同僚」になることを目指した理由

このnoteの連載を始めて、18日が経ちました。

4年間の冷戦状態がしんどくなり、妻との関係がよくなる道筋も見えない中で、「夫婦ではなくて同僚になることを目指そう」という決意から始まりました。

書き始めて見ると過去の妻の奇行が思い出され、鍵をかけない問題Amazonサンタ事件コロナワクチン時の迷言など、思いつくままに書き殴ってきました。

この18日間、現実は変わっていません。妻と僕は冷戦状態のままです。ただ、僕の脳内で渦巻いていた"よしなし事"が文字になっただけです。

ただ、僕はこのnoteによって大きな変化がありました。

夜にベッドの中で、改めて自分の書いた記事を冷静に読み返してみました。 そして、ある一つの「事実」に気づいてしまったのです。

「こいつ(僕)、文句言いながら、なんだかんだ面白がってないか?」

「理想の妻」シミュレーション

少し想像してみました。

もし、妻が『サザエさん』の磯野フネさんのような女性だったらどうだろう? 常に割烹着が似合い、僕の半歩後ろを歩き、家計管理は完璧で、突拍子もないトラブルなど一つも起こさない。

……うん、素晴らしい。夫としては理想的なパートナーです。 でも、たぶん僕は「退屈」してしまうでしょう。「なんだか張り合いがないなぁ」と、贅沢なあくびをしている未来が見えます。

では逆に、妻が「僕のようなロジック人間」だったらどうだろう? 家事も育児も効率的に分担され、議論は常に建設的。無駄な喧嘩は起きないでしょう。 相手がロジックの人間であれば、お互いに次に打つ手が見えます。

でも、ひとたび意見が対立すれば、お互いに一歩も引かず、冷徹な論理戦が始まります。 そして何かの弾みに冷戦になったら、感情的な未練など一切残さず、テキパキと財産分与の計算をし、テキパキと離婚届を提出して終わるでしょう。なんだか仕事みたいな人生だなぁ…と思ってしまいます。

三谷幸喜的生存戦略

そう考えると、論理が通じず、感情で動き、予測不能なカオスを生み出す今の妻だからこそ、僕は10年以上も飽きずに(そして離婚せずに)一緒にいるのかもしれません。

以前、脚本家の三谷幸喜さんがインタビューでこんなことを言っていました。 「制約があればあるほど、面白い物語になる」

予算がない、時間がない、どうしてもこのアイドルを使わなきゃいけない、なぜか舞台の右側の緞帳(どんちょう)が降りない……。 クリエイターにとっては悪夢のような「訳のわからない制約」こそが、知恵と工夫を生み、結果として予定調和ではない面白いシナリオを生むのだ、と。

僕は被害者ではなく、三谷幸喜なのでは?

翻って、我が家を見てみます。 妻は、まさに「歩く制約」です。

  • 「玄関の鍵はかけない(セキュリティ・ホールの常態化)」

  • 「レトルトカレーは私のもの(自分ルールの拡大解釈)」

  • 「サンタはAmazonで買う(世界観の破壊)」

  • 「借金は終わったこと(記憶の改ざん)」

彼女は、僕というロジック白黒人間の前に、次々と理不尽な「制約」や「トラブル」をぶち込んできます。 僕はその度に頭を抱え、胃薬を飲み、対策を練ります。

僕の脳はカオスに耐えられないのです。なんとか解釈をし、言葉(ラベル)を与え、破綻のない意味を与え、自分の脳の引き出しに分類せざるを得ない。 「さて、この無理難題をどう解釈し、どう乗り越えるべきか」 これって三谷幸喜さんがやっていることですよね。

僕はこれまで、自分を「妻という災害に巻き込まれた被害者」だと思っていました。 でも違ったのかもしれません。 僕は、彼女が提供するカオスな素材を調理し、意味を考えることに喜びを感じる「変態」なのかもしれません。

現実はまだまだ塩辛い。でもようやく僕の心に光が見えた気がします。塩辛い現実をどう解釈し、どう食べやすく成立させるか。 緞帳が降りないなら、降りないなりの演出を考えてやろうじゃないか。

……いや、訂正します。 やっぱり借金のような「シャレにならない制約」だけは勘弁してください。 そこは一人の大人として、厳正に対処させていただきます。


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