2026年2月の音楽月報(Angine de Poitrine,Just Mastard,The Joy Formidable, James Blake etc...)
今月も粛々と心惹かれた音楽を書き残しておきます。
Angine de Poitrine / Fabrenk
まずこの動画のサムネを見て欲しい、こんなんオススメに上がってきたら絶対見ちゃいますやん。古のニコニコ動画なら必ず「サムネバキューム」のタグが付いているはず。
インスタのストーリーで他にも何人かこの動画に言及している方を見かけたので局所的なバズが起こっていたんでしょうね。
2人組ながらルーパーを駆使して音源さながらのライブを出来るバンドなら真っ先にAiming for Enrikeや日本のドミコをを思い浮かべますし、音作りで創意工夫を凝らしてタイトなハードロックを鳴らせる2人組ならRoyal Bloodが、ジャンキーな疾走感で人数の少なさを感じさせない2人組はLightning Boltを思い浮かべる…というように、2人組バンドの素晴らしい音楽という前例は意外と数多くあって。
プログレと評する人もいらして気持ちは分かりますが、私的にはファンクを感じさせる心地よさ。自作と思しきダブルネックのギター&ベースをループさせた上にのる超タイトなドラムがひたすら気持ちいい。と思ったら次のパートではエキゾチックな謎音階のフレーズが襲いかかってきてやっぱこれプログレやわ…と前言撤回したりして。
一筋縄ではいかない音楽性ながらも、宇宙人めいたコスプレも含めてどこかキャッチーでもあり。今年か来年には来日して超絶賛されるんでしょうね、私も観たい。
Just Mastard / SOMEWHERE
アイルランド出身のシューゲイザーバンド。今年のロキソニでも来日していたそう。
シューゲイザーほど好きだけど新しく好きになれる曲を探すのは難しいジャンルはないなぁと常々思います。My Bloody Valentine, Slowdive, Rideというレジェンドが作り上げた雛形 −空間を埋め尽くすギター、囁く程度にしか聴こえないボーカル− があまりにも偉大すぎて、後発になればなるほど別の魅力が並走していないと、どうしても深掘りして聴いてみようとは思えなくて。
アルバムに手を伸ばしてみて、リバースリバーブのかかったギターがリードを取り女性Vo.が甘い声で歌う『ENDLESS DEATHLESS』などはまさにシューゲイザーのお手本まんまだな!と内心ツッコミながらも、聴き進めていくうちにドラムがいい仕事してるなーと次第に聴き惚れていきました。
特にこの『SOMEWHERE』はイントロで先陣を切った後はほぼ同じフレーズを叩いてるものの、ハイハットの抜き差しの具合がとても気持ち良くゆったりと踊れる感覚もありつつ、最終局面でもフレーズは変えたりノリを大きくすることなく、ハイハットの開き具合だけで歪みきったギターと歌に呼応するセンスが素敵で。影響を受けたアーティストは?の質問にAphex Twinsも挙がっていましたが納得。
The Joy Formidable / I Don't Want to See You Like This
大御所以外のシューゲイザーを久々に聴きたいな〜となり真っ先に思い浮かんだのがウェールズ出身のこのバンド。
冷静にアルバムを通して聞き返すと明確にシューゲイザーだなぁとなるのは代表曲『Whirring』のアウトロで暴れ回るギターくらいで、「シューゲイザーやドリームポップに影響を受けたオルエタナティブロック」が正しいところなんでしょうね。が、そんな細かいこたぁどうだって良い名曲。パワフルな歌とギターがエネルギッシュに飛び跳ねてキラキラしたアルペジオがサビの裏で鳴るのがいつだって私は大好きなんですよ。
Elephant Gym / Feather(feat. Mei Semones & dooodooo)-Remix
ドキュメンタリー映画の感想を書いてたので先月に引き続きElephant Gymを沢山聴いていました。感想文からの引用になりますが、今月リリースされたこの大好きな曲についてもこちらで改めて書いておきます。
映画のエンドロールでも流れたMei Semones参加のリミックス。
Elephant Gymは同一曲でもフィーチャリングや歌う言語の差分で幾つか異なるバージョンが存在することがあり、この『Feather』もそれに当たるのですが、劇場で流れたこのリミックスの食い合わせの良さにはぶっ飛ばされました。
Mei SemonesもElephant Gymと同様に日本語で歌う人ですが、彼女の大きな魅力の一つと考えている「メロディーと歌詞の食い合わせによって言語を自在に操る」スキルが存分に詰まった一曲だと思います。以下印象的な一節を二つ抜粋します。
Soft & sweet the smell of the 紅茶
お砂糖とミルクの香り
Lights falls gently on the Curtain 揺れる
It sways as you step out
輝くガラスのかけら
Running towards you 長靴 雨が
浮遊感溢れるトラックを泳ぐように縫われる歌声はもちろん美しい。映画の終演後すぐにサブスク公開されて嬉しい限り。
素晴らしかったドキュメンタリー映画の感想はこちら。読んでね。
James Blake / I Had a Dream She Took My Hand
少し古めかしい音色のオルガンをワルツのリズムに乗せてしっとりと歌い上げる、ポストダブステップの文脈にいるプロデューサーの曲ということを忘れてしまいそうな美しい曲。
以下のライブ映像ではオルガンはギターのアルペジオに置き換えられ、クワイアも加えられたことでよりソウルミュージックめいたメロディの美しさが際立つアレンジになっていて。
前作『Playing Robots Into Heaven』が彼のキャリアの中で最もテクノに接近した作品でしたし、
ダンスミュージックの文脈の人というのは分かっていながらも、私が彼の音楽で好きな部分はまず歌声だったんですよね。
彼のアルバムでこれまで最も好きだったのは4枚目『Assume Form』だったのですが、来月出るアルバムがそれを更新してくれそうで今からとっても楽しみです。
今月は以上になります。以下雑記です。
雑記:フジロックのこと
今年も楽しい楽しいフェスのラインナップ発表の時期が来ましたね。
ずーっと好きなThe xxが活動再開してすぐに来日してくれることも、遂にヘッドライナー級になってくれたこともめっちゃ嬉しいSmash様ありがとう足を向けて寝れませんの気持ち。
土曜日はクルアンビンをヘッドライナーに据えたことにフジロックの未来を感じましたが何よりQuadecaの初招聘!!!録音物を作り込みまくってる分ライブだとどうなるかいい意味で分からないタイプのアーティストだと思うので本当に観たい。
そしてMogwai、GoGoPenguin、GRAPEVINEあたりの、既に観たことはあるけど絶対に外さないタイプの安定したアーティストが日曜日に纏っているのもありがたいし、何よりMassive Attackが未だにエリザベス・フレイザー御大をゲストに召喚していることを知って動揺しています。Cocteau Twinsのボーカルを日本で聴くことが出来るんです??マジ?
?
今年は3日間粒揃いでどの日に行くか本当に悩ましいですし、そもそも現地に行けるかも怪しい所ですが今後のラインナップ発表も楽しみ。
先月の月報はこちら。
翌月の月報はこちら。
