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【読書】金の鉱脈を掘らせない~勝手に応援!『ビッグイシュー日本版』(VOL.515 2025.11.15)~

『ビッグイシュー日本版』を勝手に応援する記事、第118弾です。
そもそも「『ビッグイシュー日本版』とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。


今号の特集は、「私の隣人 エスニックマイノリティ」です。


マンガ家の藤見よいこさんとマンガ研究者のトミヤマユキコさんの対談は、いろいろと発見がありました。

藤見 米国の作品だと、アジア系のキャラが細いつり目で描かれていて、ステレオタイプ化はよくないと思う一方で、そういう特徴をもつ人が「自分と似ているな」と思ううれしさもあるから、そのバランスが難しい。

p.8

最近話題のつり目問題ですが、何につけても、それで傷つく人も喜ぶ人も、もちろん何も思わない人もいて、難しいです。


藤見 日本だと異文化交流的な場面で、「3F」(フード・ファッション・フェスティバル)が取り上げられることが多いでしょう? それも悪いことではないんですが、違いやステレオタイプを強調する危うさもあります。

p.8

これにはちょっとドキッとしました。


「無意識の偏見や固定観念が日常的な言動に表れ、特定の個人や集団を傷つける行為」(p.9)を意味する「マイクロアグレッション」は初耳でしたが、覚えておこうと思います。

「子どもの頃に、移住先の国に連れてこられた人たち」(p.9)を指す「移民1.5世」も。


トミヤマ 昨年の6月にも「永住権取り消し法案」が可決されましたよね。法律が変わると人々の心も変わっていく、みたいな側面もありそうです。
藤見 逆に、2016年に施行された「ヘイトスピーチ解消法」のように、法制化したことで人々の理解が進むケースもあるので、法律の力は、よくも悪くも強力ですよね。

p.9

同感です。ちなみに「永住権取り消し法案」は、「永住者が故意に税金や社会保険料を納めていない場合、永住許可を取り消せるようにする出入国管理法の改正案」(p.9)です。


「ホワイト・フェミニズム」の定義も、備忘録代わりに書いておきます。

中流階級以上の白人女性など、マジョリティ女性を中心とするフェミニズム。これに対して、これまで排除されてきた有色人種やトランスジェンダーなど、複合的な抑圧に注目するのがインターセクショナル・フェミニズム。

p.9


藤見 日本の、まさに自分たちの足元で人種差別や植民地主義が多くの人たちを苦しめ続けているのに、そこには話が及ばないんです。

p.9

溜息が出ます。


雨宮処凛さんの緊急レポートでは、「今年6月以降、この国ではパンドラの箱が開いたかのように排外主義が渦巻いている」(p.10)ことの背景が、時間軸を追って分かりやすくまとめられています。


現在は難民も留学生も観光客も投機もいっしょくたに語られ、「外国人犯罪への恐怖」が煽られるという状態だ。が、外国人の検挙率については05年をピークに減少中。ということで、問題なのは外国人ではなく、実態のない「外国人問題」で高まる排外主義が当事者を追い詰めていることである。

p.11

排外主義が台頭しているのは、もちろん日本だけではありません。

共通するのは、移民排斥の主張がその国で暮らす人々の不満の受け皿になっていることだろう。もうひとつ、政治家にとっては、大事なことから目を逸らさせ、手っ取り早く支持率を上げる「金の鉱脈」でもあるということ。

p.12

『ビッグイシュー日本版』の512号に出てきた、「政治家が支持率回復のために政治的に”薬物の取り締まり”を強化することも多々あった」(『ビッグイシュー日本版』Vol.512、p.11)という記述を思い出しました。政治家の思うがままに、大事なことから目を逸らさないようにしたいものです。


特集以外では、「池内了の市民科学メガネ」の以下の記述が発見でした。

ドライアイは、涙の量が減って目が乾きやすくなっているのではなく、涙の量は変わらないのに、目の表面に涙が安定して留まれなくなっている状態です。(中略)
目の表面にはムチンと呼ぶ粘液成分が含まれていて、その作用によって涙が目の表面に留まるようになっています。しかし、たとえば長時間のパソコン作業やスマホの操作で目を駆使するとムチンの分泌が減り、涙が目の表面に安定して留まれなくなるのです。

p.4


「若い頃はいつも『自分をどうやって変えたらいいの?』と悩んでいたけれど、年を重ねるにつれて、人はおのずと変わっていくもの。今は、自然に何かが起こるのを待てるようになったんです」

p.14

スペシャルインタビューのリリー・ジェームズの言葉です。おのずと変わる部分もあるけれど、たまたま昨日は「変わらないなぁ」という出来事に遭遇しました。中高時代の友人たちとの会食の話題が、マンガ、アニメ、アイドルなどなどだったので。「30年経っても似たような話題で盛り上がっているよ」と言ったら、当時の私はさぞ驚いたことでしょう。もちろん仕事の話とかも、出なかったわけではないですけどね。


「浜矩子のストリートエコノミクス」は相変わらず鋭いです。

筆者が最も気になったのが、タコ市所信表明演説の中で目を引いた「国家国民」という言葉だ。この言い方が、演説の中で計4回登場する。一方で、「格差」や「貧困」「分配」などの言葉は一切登場しない。
「国家国民」とはどういうことか。日本は国民国家だ。我々は国家に従属する国民ではない。国民国家において、国家は国民に奉仕するためにある。この関係を転倒しているタコ市的認識がじつに気がかりだ。タコ市氏には『日本の経済安全保障 国家国民を守る黄金律』と題する近著もある。これを看過するわけにはいかない。

p.17

国民より国家が優先されるということでしょうか。それではかつて道を誤った時の二の舞です。


「ダーウィン200プロジェクト」の記事に出ていたマクロプラスチックの定義には、目を開かされる思いでした。

5mmよりも大きい、目に見えるサイズのプラスチックごみ(5mm以下のものはマイクロプラスチック)

p.19

近ごろマイクロプラスチックばかりが取り上げられますが、まずはマクロプラスチックが川や海などの環境に流出しないようにしなければいけませんよね。


今号も、いろいろ考えさせられました。


『ビッグイシュー日本版』のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。


コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。


もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。


見出し画像は、今号が入っていた封筒のシールです。「小商い」で発送作業をしてくださったKONDOさん、いつもありがとうございます!



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